謎の多い銃であるアルバニア P84 短機関銃に関する新情報を見つけてしまいました...。
アルバニアの共産政権時代に関する証言や公文書を公開している歴史系調査報道サイト、「memorie.Al」に掲載されていたもので、
「ポリチャーン複合施設で、シェヴデット・ムスタファから押収した『P-84』をいかに複製し、大量生産したか...工場長の貴重な証言」という記事です。
(アルバニア語ですが、「“Si e kopjuam dhe prodhuam në seri në Kombinatin e Poliçanit, armën model ‘P-84’, që i’u kap Xhevdet Mustafës, të cilat shteti i shiste…”/ Dëshmia e rrallë e mjeshtrit të uzinës」で検索するとHITしますのでご興味のある方はどうぞ)。
P84に関する記事を直近で2回 (>>第一回 / >>第二回) やっていますので、併せてご覧いただくとより理解が深まるかも...。
舞台はアルバニア南方...山に囲まれた狭い盆地にある、「ポリチャーン」という小さな街。
ポリチャーンには大規模な弾薬工場群があり、この辺りにある工場はまとめて「ポリチャーン・コンビナート」の総称で呼ばれています。
参考記事は、このポリチャーンで1962年から工場長を務めていたK・ホジャ氏へのインタビューです。 長くなりましたが、証言を要約していきます。
ポリチャーン・コンビナート群は1960年代初頭に同盟国中国の支援で建設され、地下工場や対爆シェルターを備えています。
その閉鎖性と厳戒態勢ぶりは凄まじく、当地で働くにあたり3枚の誓約書への署名が必要だったり、労働者の3人に2人が秘密警察の協力者だったり... (怖ぇ~)。
弊社でも過去アルバニア製の7.62mmx54R弾のダミーカートを取り扱ったことがありますが、この「3」のヘッドスタンプがポリチャーン製の刻印です。 同工場ではアルバニア軍へ納入する分だけでなく、輸出用の弾薬も製造していたそうです。
1984年半ば、ホジャ氏はアルバニア当局者から例のテロリスト、ムスタファが所持していた押収品の8mmモーゼル弾を受け取ります。 直ちにコピー生産が開始され、これらは「全て511/1というヘッドスタンプだった」そうです。 アルバニア軍の使用する規格ではない弾薬なので、当然輸出&外貨獲得用でしょう...この押収弾薬のコピー生産も「プロジェクト84」の一環だったようです。
1984年後半には、ムスタファから押収した「ブレン型機関銃」が到着し、こちらもポリチャーンでコピー生産する運びとなりました。 証言では「70発装填の弓状弾倉を備え、全長80cm、重量3.8kg、装填ハンドルは左側、左排莢...」と説明されており、使用弾薬についての言及がないので不明ですが、軽量ですしブレンっぽい形の手製サブマシンガン?だったのでしょうか。
このアルバニア製ブレン型機関銃も100挺生産し、「イタリア・マフィアか、あるいはどこへ送られたかは分からない」とのこと...8mm モーゼル弾のコピーもそうですが、"プロジェクト84" はP84 短機関銃の生産だけではなかったんですね~。
その後、1990年まで6,000挺のP84 短機関銃が生産されたとか。 P84は地中海に面したパシャ・リマン (海軍基地があるところ)、首都ティラーナ近郊の内務省武器庫へと送られ、ポリチャーンには1,000挺のみ残っていたようです。
1992年のアルバニア民主化、1997年のアルバニア暴動でこれらのP84は散逸してしまい、多くの謎を残したまま今に至る...ということでした。
以上、波乱万丈すぎるP84 短機関銃に関するインタビュ―記事でした。
>> アルバニア P84 短機関銃はこちら
本日のワンポイント情報!!
*買取で東京店に入荷した【無可動銃】ブルガリア AKS-47 (AKKS) 自動小銃 をHPにアップしました。 ご予約頂いているお客様にご案内中ですが、キャンセル待ちも承っておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
・【無可動銃】ブルガリア AKS-47 (AKKS) 自動小銃 はこちら