本日は「2026年夏の新入荷品」紹介第二弾、「Swiss SLR編」です。
スイスの自動小銃といえば、大きく分けると「SG510」シリーズ、「SG540」シリーズ、そして「SG550」シリーズが挙げられるかと思います。
今回は、「SG510」シリーズからスイス軍用モデルの「Stgw.57」、そして「SG550」シリーズからスイス軍用モデルの「Stgw.90」と民生モデルの「PE90」が入荷します。
そして「SG540」シリーズは今回の入荷にはありませんが、なんと「SIG SG541 自動小銃」が入荷します!
「SG541? SG540シリーズのバリエーションではないの?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、少し事情が異なります。
そもそもSIGの銃を語るうえでややこしいのが、その名称です。 「SG5○○」だったり「Stgw.○○」だったりと、「結局どれが何なのか分かりにくい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
簡単に言うと、「SG5○○」はSIG社の製品名で、「Stgw.○○」はスイス軍における制式名称です。
そのため、シカゴの商品名で「Stgw.○○」と表記されているものは、基本的にスイス軍仕様のモデルとなります。 ただし、単体で「Stgw.90」とだけ表記すると分かりにくいため、慣例的に「SIG SG550 (Stgw.90) 自動小銃」といった形で併記しています。
まとめると、
・SG550=SIG社の製品名
・Stgw.90=スイス軍での制式名称
・PE90=民間向け仕様の名称
という関係になります。
ただし、「Stgw.○○」はあくまでスイス軍における制式名称であり、「Stgw.○○」以外は民生モデルというわけではありません。
SIGの自動小銃は、世界各国の法執行機関でも使用されているため、スイス軍以外で「SG5○○」としてセレクティブ・ファイアの銃が運用されていても、それが「Stgw.○○」と呼ばれることはありません。
ちなみに、「SG」「Stgw」はどちらもドイツ語の「Sturmgewehr (突撃銃)」の略称です。 ドイツやオーストリアの銃器では「StG.○○」のような表記もあり、同じ「Sturmgewehr」の略し方でも色々種類があります。
ややこしいですね……。
さらに「PE」はドイツ語の「Privat-Einsatz」の略で、直訳すると「民間用」を意味します。
同じ銃でも呼び方が複数あるため混乱しがちですが、このあたりを押さえるとかなり整理されると思います。
さて、プチ講義はここまでにして、入荷情報に戻ります。
自動小銃としてもかなり異色なのが、この「Stgw.57」です。
何が異色かというと、まず持ってみればすぐに分かります。 とにかく重い。 自動小銃というより、ほぼ軽機関銃のような重量感です。 Stgw.57最大の特徴は、ローラー・ロッキング機構やライフル・グレネード機能以上に、手に取った瞬間に伝わる圧倒的な重量感かもしれません。
もちろん重量が増しているのには理由がありますが、まさに当時のスイスの技術を詰め込んだ銃といった印象です。 トーチカなどに籠り、専守防衛で戦う運用を前提とした設計であれば、その性能を余すことなく発揮できたのでしょう。
使用弾薬も、それまでのシュミット・ルビンと同じフルサイズのライフル弾 (GP11弾) です。まさに圧倒的な火力体系だったと言えます。
さらにこの時代、フランスなどでも採用されていた方式として、アダプターなしでライフル・グレネードを発射できる点も特徴です。 "全部盛り" の設計といってもいいでしょう。
ライフル・グレネードといえば、私自身も現役時代のうっすらとした記憶の中に、発射時の衝撃の強さだけははっきり残っています。 5,56mmのFA-MASですら相当でしたが、それ以上のライフル弾を使う重量級SLRとなると、その反動は想像以上だったようです。
そのため「トリガー・ガード内に指を入れたまま撃つな」と言われるほどで、ではどう操作するのかというと――
**ウィンター・トリガーです。**
まさかこのパーツにそんな使い方があったとは!
個性あふれる銃なので、他にも紹介したいポイントはありますが、それらは他のスタッフに任せるとして次に進みましょう。
それではお次、「SIG SG550 (Stgw.90) 自動小銃」と「SIG SG550 (PE90) 自動小銃」です。 どちらも各一丁のみの入荷となります。
いずれも久しぶりの入荷で、特に「Stgw.90」は流通量が少ないモデルです。
この二丁の外装 (ファニチャー) の違いはないと思っていたのですが、ストックの形状など細かなところが違うのですね! (生産時期の違いによる差異もあるかもしれません)。
そして真打、「SIG SG541 自動小銃」です。
冒頭でも少し触れましたが、「SG540シリーズの派生なのか?」と思われがちですが、実際には異なる位置づけのモデルです。
1980年前後、スイス軍は「Stgw.57」の更新を目的とした次期制式小銃のトライアルを実施しており、その際に開発された試作系統の一つがSG541です。
このトライアルで競合したのが、ベルン造兵廠 (Waffenfabrik Bern) が開発した「SG C42/E22 自動小銃」でした。
最終的にSIG側が採用され、その後の「SG550」へとつながっていきます。
ご存じの通りSG550は5,56mm×45 NATO弾を使用しますが、このトライアル期は各試作銃ごとに異なるコンセプトの弾薬が検討されており、まさに過渡期と呼べる状況でした。
こうした流れの中で、SG541の設計思想は整理・発展していき、最終的にSG550へと結実し、スイス軍制式小銃として「Stgw.90」として採用されることになります。
つまりSG541は、
「SG550へ至る途中段階の、非常に重要な試作モデル」
という位置づけの銃です。
さて、文章が多くなってしまいましたが「Swiss」編でした!
今回のラインナップは、スイス小銃の進化を過去から現代まで一気に俯瞰できる内容となっています。 ぜひこの機会に、その奥深さを感じていただければ幸いです。
本日紹介した中では、Stgw.57を北海道に持って行きます!
それでは次回、「MP5 UK Police」編でお会いしましょう。
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