- 商品番号:K10227
国名:アメリカ合衆国
種類:連発式拳銃
取扱店舗:東京店
- 【コルト M1862 ポリス リボルバー について】
サミュエル・コルト社 (Colt Patent Firearms Company、現在のColt Firearms社) で1861年から1873年にかけて約28,000挺が製造された、.36口径の管打式 (パーカッション式) シングル・アクションリボルバーです。
本銃の外観及び基本構造は、M1849 ポケット リボルバーやM1851 ネービー リボルバーといったコルト社製リボルバーとほぼ同様となっています。 コルト社のパーカッション・リボルバーの特徴として、銃身部分とフレーム部分がシリンダーを挟むような構造となっており、バレル・ウェッジと呼ばれる「楔 (くさび)」のような小さな部品を右から左に押し出す事によって、銃身部分とフレーム部分が容易に分離します。
コルト M1862 ポリス リボルバーの全体のデザインは、コルト M1861 ネービー リボルバー (ベルト・ピストル) を小型化したようなデザインとなっており、銃身下部にはM1860 アーミー リボルバーやM1861 ネービー リボルバーと同様の、回転軸のネジが不要な "Creeping Lever" と呼ばれるタイプのローディング・レバーを備えています。 このローディング・レバーは、当時コルト社の製造監督であったElijah King Rootによりデザインされたものです。 尚、M1862 ポリス リボルバーのフレームは、M1849 ポケット リボルバーのフレームを基に設計されており、グリップ・フレーム及びトリガー・ガードは、ベースとなったM1849 ポケット リボルバーと同様のサイズ及び形状となっていました。 シリンダーの装弾数は5発で、シリンダーは表面に溝が設けられたフルーテッド・シリンダーとなっています。 尚、シリンダーは.36口径に対応する為、前部の2/3を肉厚にして、ボア・アップが行われています。 また、これに伴い、フレームとシリンダーが干渉するのを避ける目的で、フレームの一部 (シリンダー下部と接する部分) が一段低くなっています。 本モデルのように前半部のみにフルートが施されたシリンダーを米国ではハーフ・フルーテッド・シリンダーと呼んでおり、数あるコルト社製リボルバーの中でも本モデルが唯一のハーフ・フルーテッド・シリンダーを備えたモデルとなっています。 M1862 ポリス リボルバーの銃身はラウンド (丸型) ・バレルとなっており、銃身長は3 1/2インチ、4 1/2インチ、5 1/2インチ、6 1/2インチの4種類のバリエーションが用意されていました。
尚、コルト社では1865年頃からM1862 ポリス リボルバーと同サイズで.36口径 5連発のコルト ポケット・モデル オブ ネービー・キャリバー リボルバーと呼ばれるモデルの製造も行われました。 同モデルもM1862 ポリス リボルバーと同様に、M1849 ポケット リボルバーのフレームをベースに設計されていましたが、より生産性の高いオクタゴン・バレルとフルートのない円型シリンダー、そしてM1849 ポケット リボルバーと同様のローディング・レバーを備えたモデルとなっていました。 尚、コルト ポケット・モデル オブ ネービー・キャリバー リボルバーのシリンダーには、M1849 ポケット リボルバーと同様、駅馬車 (Stagecoach) 強盗のロール・エングレービングが施されていました。
M1862 ポリス リボルバーとほぼ同サイズでありながら、生産性の高いモデルが開発された背景として有力視されているのが、1864年に発生したコルト社の工場火災です。 この火災はコルト社の銃器生産に壊滅的な影響を与えましたが、被災したのはリボルバーやリボルビング・ライフルの製造施設でした。 火災発生後、コルト社が小型フレームの.36口径リボルバーの生産を迅速に回復する為、コルト ポケット・モデル オブ ネービー・キャリバー リボルバーが設計されたと考えられています。
尚、1867年時点において、M1862 ポリス リボルバーの価格は、ポケット・モデル オブ ネービー・キャリバー リボルバーより$0.75高くなっていましたが、これはより複雑な加工が必要だったためであると考えられています。 この価格差は1872年までに$2.50まで拡大しました。 コルト社内では、M1862 ポリス リボルバーは、「Police」または「Police 36 cal.」、ポケット・モデル オブ ネービー・キャリバー リボルバーは、「New Model Pocket 36/cal」もしくは「N.M. Pkt.36/cal,」と呼称されていましたが、時折「36/cal」が省略される事があり、これらのモデルがしばしば混同される原因となりました。 (KK Updated)
【本個体の説明】
本品の銃身基部の左側面に長方形の枠の中に「PINKERTON NATIONAL DETECTIVE AGENCY」の刻印、そしてその反対側、右側面には「ST.PAUL P.N.D.A.」刻印が入った非常に珍しい品です。
ピンカートン探偵社 (Pinkerton National Detective Agency= P.N.D.A.) は、アラン・ピンカートンによって設立されました。 アメリカ南北戦争での諜報活動や鉄道警備で名を馳せ、19世紀後半から20世紀初頭にかけてストライキ鎮圧や犯罪者追跡などの任務に従事しました。 本品の刻印は、ピンカートン探偵社内で使用されていた「社有銃」として、現場の捜査官に支給・登録されていた事を示唆しています。 特にセントポール支局 (St. Paul) は、アメリカ中西部における鉄道や都市の治安維持において重要な拠点でした。
探偵会社と言う職務上の観点から見て、アーミーやネービーのような軍用銃ほど大きくなく、携帯で便利であり、護身用のポケットよりも威力がある中間サイズのM1862 ポリスのような、どちらもの長所も兼ね備えた品が選ばれたのも納得がいきます。 本品はシリアルNo.から1865年製*であることがわかり、南北戦争終結後の治安維持に使用されたと考えると、歴史的背景とも整合性のある貴重な品です。
*M1862 Police と M1862 Pocket Navyは、シリアルNo.がオーバーラッピングしているので、シリアルNo.23420は1865年製と言われています。
本品の銃身上面には「ADDRESS COL SAML. COLT NEW-YORK U.S. AMERICA」のメーカー・アドレス刻印が一行で入っています。 また、フレーム左側面前部に「COLTS PATENT」の刻印が入っており、トリガー・ガード左側面後部には「36CAL」の口径表示刻印もはっきりと残っています。 トリガー・ガード左側面前部には「7」の数字が入っています。 シリンダーの「PAT SEPT 10TH 1850」のパテント刻印は、非常に小さく打刻されているため判読が困難ですが、後半部は確認出来ます。 本品のシリアルNo.23420は、銃身、フレーム、トリガー・ガード、バック・ストラップまで23420となっており、バレル・ウェッジのシリアルNo.53398を除いて、シリアルNo.が入っている部分でマッチしています。
本品は再仕上げが施されており、銃身やシリンダーには多少の朽込痕がありますが、古式銃としては比較的良好な程度と言えます。 真鍮製のトリガー・ガードについては、全体に銀鍍金仕上げは落ちてはいるものの、適度な時代が付いた良い雰囲気となっており、若干の打ち傷は見られるものの、現状目立った腐食や変形等は見られません。 オリジナルの木製 (ウォールナット製) グリップについては、全体に艶のある仕上げとなっており、やや打ち傷や線傷、角の部分の若干の擦れは見られるものの、大きな破損等は見られず、グリップ・フレームへの取り付けもがたつきもなくしっかりとしています。
作動については完全で、ハンマーを起こした際のハーフ/フル・コックはしっかりと掛かり、シリンダーも正常に回転します。 フル・コック位置でトリガーを引くと、ハンマーがスムーズかつ力強く落ちます。 コルト系リボルバーの持病とも言える銃身とフレームの取り付けの遊びについても殆ど見られず、シリンダーの前後の遊びについても十分許容レベルです。 ローディング・レバーは左右に若干の遊びが見られるものの気にならない程度のものです。 機能的には正常で、前方に折り畳んだ際のキャッチもしっかりと掛かります。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、一部表面錆痕が見られるものの、ライフリングは深くはっきりと確認出来ます。 シリンダーのパーカション・ニップルについては朽ち込みや欠けが見られます。 (MM)(KK)
「PINKERTON NATIONAL DETECTIVE AGENCY」と「ST.PAUL P.N.D.A.」刻印が入った同社の「社有銃」で、昭和48年の輸入当時でもかなり高額な品でした。このような歴史的背景が明確になっている品は希少です。 弊社在庫の複数挺のM1862 ポリスをご検討されておれば、その点では一押しの逸品です。
【登録証情報】
(種別: 管打式銃砲、全長: 29.0cm、銃身長: 14.0cm、口径: 0.9cm、銘文: ADDRESS COL. SAML COLT)
【その他の情報】
昭和48年3月29日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。復刻品の木製ケースが付属しています。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
- 詳細画像










