- 商品番号:K10212
国名:ベルギー
種類:単発式拳銃
取扱店舗:東京店
- 【ベルギー製管打式単発拳銃 (真鍮製銃身、Jn Richaud Bs As社刻印) について】
ベルギーで19世紀中頃に製造された、単発の管打式拳銃です。 本品のように比較的小型のパーカッション・ピストルは、護身用等として隠し持ちやすいサイズであった事から、ポケット・ピストル (Pocket Pistols) やマフ・ピストル (Muff Pistols) 、トラベル・ピストル (Travel Pistol) 、オーバーコート・ピストル (Overcoat Pistol) 等、様々な名称で呼ばれました。 多くの小型のパーカッション・ピストルでは、グリップの下部が丸みを帯びたバグ・タイプ・グリップと呼ばれるタイプが装着されており、本品のグリップもバグ・タイプとなっています。 また、真鍮製の銃身についても捻じ込み式で取り外しが可能な構造となっており、この回して取り外しが可能な銃身は、ターン・オフ・バレル (Turn-off Barrel) と呼ばれます。 通常、管打式銃ではフレームと銃身が一体型の場合は銃口からパッチと呼ばれる布切れと一緒に弾を押し込んで装弾しますが、ターン・オフ・バレルの場合は、銃身を外してから薬室に直接装薬を装填し、弾頭を乗せてから銃身を取り付けて射撃を行いました。 使用される弾の直径は口径よりも僅かに大きなものとなっており、これにより銃口から装弾する前装式銃器 (Muzzleloader) に比べてより大きな銃口初速を得る事が出来ました。
ベルギーで製造されたポケット・タイプのパーカッション・ピストルには、折り畳み式トリガーを備えたモデルやグリップ内に予備のパーカッション・ニップルを収納できるモデル等、様々な形状の物が製造されました。 本品も折り畳み式のトリガーを備えており、ハンマーを指で起こしてコックすると本体下部に収納されたトリガーが下方にせり出す構造となっています。 また、グリップ下部の貝殻型の蓋を開けると、予備のパーカッション・ニップルを収納するためのコンパートメントが現れます。
本品はベルギーで製造された品で、薬室付近の本体左側面にはベルギー・リエージュのプルーフ・ハウス刻印 (楕円形にE.L.G=Liege Epreuveと☆) が入っています。 フレーム両側面や下面には植物を象った彫刻がはっきりと入っている他、アッパー・タングにも同様の彫刻が入っています。 銃身はオクタゴン・バレルの真鍮銃身で、銃身内にはライフリングが多数施されているのが確認出来ます。 銃口付近の銃身内には固着した銃身を取り外すために使用すると思われる4本の溝が設けられています。 銃身にある「Jn Richaud Bs As」という刻印は、Jean Richaud - Buenos Aires(ブエノスアイレスのジャン・リショー店)の意味で、1850年代から1880年代にかけての製品です。当時、Jean Richaudは自ら製造するのではなく、主にベルギー(リエージュ)やフランス(サン=テティエンヌ)のメーカーから輸入し、自社の刻印(ディーラー刻印)を打って販売していました。 富裕層をターゲットにしていたため、象牙のグリップや、金属部分に繊細な唐草模様(エングレービング)が施されているものが多く存在します。19世紀後半、Jean Richaudの銃砲店は、ブエノスアイレスの最も有名な商業通りである Calle Florida 19(フロリダ通り19番地)に所在していました。銃本体や、銃を収める木箱(ケース)の内側に「19, FLORIDA, 19」や「FLORIDA 19」と刻印されているのは、当時の店の所在地を誇らしげに示すブランドロゴの一部となっていました。(MM)
【本個体の説明】
本品の銃身以外の本体の金属部は全体的に唐草模様の彫刻が入って白磨き仕上げとなっており、やや時代錆が現れている他、若干の打ち傷や表面錆痕が見受けられるものの、目立った欠損等は見られず、古式銃としては比較的良好な状態が保たれています。銃身は真鍮製で、良い時代色が付いています。銃身の上の「Jn Richaud Bs As」の刻印もはっきりと確認できます。 フレーム左側面には白磨きのベルトフックがあり、こちらも若干の時代錆が見られるものの大きな変形等は見られず、取り付けに関してもがたつきは見られません。 マホガニー製と思われる高級な材質のバグ・タイプ・グリップについても、若干の打ち傷が散見される他、経年により銃本体とのフレームの境目に隙間が見られますが、大きな欠けなどのダメージは見られません。 グリップの本体への取り付けには若干のがたつきが見られます。グリップ後部には家紋やイニシャルを入れる楕円形で洋銀製のプレートが嵌められています。 作動については、ハンマーのハーフ/フル・コックともにしっかりと掛かり、フル・コック状態で引金を引くと、ハンマーが力強く落ちます。 ハンマーをフルコック位置にすると連動して本体下部から問題無くトリガーがせり出します。 トリガーを引いてハンマーが落ちた後、トリガーは自動で収納されず、指でトリガーを後方から押して収納する構造となっています。 銃身内は銃口から銃身後端まで完全に抜けて (通って) おり、着脱もスムーズに行う事が可能です。 銃身内のライフリングはやや薄くなっているもののほぼ確認可能です。 パーカッション・ニップルはやや表面錆や極小の欠けが見られますが、大きな欠損等は見られず、火穴も通っています。 グリップ底部のコンパートメントの洋銀製の蓋の開閉についても問題なく行う事が可能です。 現状完全に作動する状態になっています。 (MM)
【登録証情報】
(種別: 管打式銃砲、全長: 21.8cm、銃身長: 10.3cm、口径: 1.8cm、銘文: RICHAUD)
【その他の情報】
昭和49年5月29日に京都府教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
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