- 商品番号:9097
国名:日本
種類:単発式長銃
取扱店舗:大阪店
- 【火縄銃 田付流堺二匁細筒「東雲」二文字銀象嵌、地板ニ雲龍図金銀象嵌 (在銘: 籃谷匂三右衛門作)について】
銃身の「東雲」銀象嵌と地板の銀象嵌「雲龍図」と見どころの多い堺鉄砲鍛冶が作った高級品です。一見日野鉄砲鍛冶の作と思われる田付流の掟に沿った、お勧めの一挺です。
本品は口径が10mm (実測10,7mm、約二匁) の細筒で、全長は約126.8cm、銃身長が約99.5cmとなっています。 台木 (銃床) 部分をはじめ、各部に田付流用銃の特徴が見られます。 田付流とは田付兵庫助源景澄 (のち宗鉄) により開祖された砲術流派で、井上流・稲富流と共に徳川幕府の鉄砲役三大流派として重用されました。 田付流の影響を受けた細筒を含む火縄銃は堺、國友、日野といった各地で製作されました。 特に日野ではその割合が多かったので日野鉄砲の特徴のようにも思われています。 しかしながら、本品は堺の鉄砲鍛冶の在銘品でここまで日野鉄砲に似ている品を作っていたとは驚きです。
本品は在銘で、摂州堺 (現在の大阪府堺市) の「籃谷[かごたに]匂三右衛門作」により製作された堺筒です。 「籃谷匂三右衛門作」は「全国鉄砲鍛冶銘鑑」P.◯◯及び「全国鉄砲鍛冶銘地域別分類」P. ◯に掲載されている鉄砲鍛冶です。
田付流用銃の最大の特徴は銃床部の形状で、銃床後端が直線的にカットされ、断面が平坦な形状となっています。 本品にもその特徴的な平坦な形状の銃床尾が確認できます。 また、銃を構えた際に左手で支える銃床部分(先台)の角が削り込まれているのも特徴的で、本品は先台の9割以上が面取されています。 筒 (銃身) は田付流の火縄銃に多く見られる八角型で、後方に向かって少し広がった形状となっております。 銃口部は僅かに広がった形状で柑子は設けられていません。 元目当の後方に「東雲 」という比較的読みやすい崩し文字が銀平象嵌で入っています。日野鉄砲鍛冶の象嵌とは僅かに趣が違います。 先目当は杉形、元目当は前方が千切透シ、後方が筋割となっているのも日野鉄砲によく見る目当です。 銃身は台 (銃床) に対して3箇所の目釘により固定される構造です。目釘は付属していません。
カラクリは蟹目ナキ内カラクリで、カラクリの地板や胴金、火挟は鉄製で錆地仕上げになっており、雨覆、楔、火蓋は真鍮製です。 火挟は筋立や雲図真鍮象嵌で装飾されており、立体的で大きな桜花形の矢ハズ鋲で留められています。 カラクリの地板には銀真鍮象嵌で「雲竜図」で彫り込まれおり、さらに立体的な桜花形の鋲で留められた凝った造りとなっています。 引金はドングリ形で、座金は真鍮製三ツ団子形です。 引金には鉄製の用心金が設けられており、その用心金を固定する座金は楕円形で楕円形の菊鋲で留められています。 また、銃床の目釘座やカラクリの鋲は桜の花弁を象った真鍮製金具による装飾が見られます。 (MM)
【本個体の説明】
本品の筒 (銃身) は全体に制作当時の防錆用の黒っぽい仕上げ (錆の一種) がよく残っており、しっかりとした状態が保たれています。 銃身上面の「東雲」の銀象嵌については比較的良好に残っています。 銃身下面の目釘金具と銃床の目釘穴の位置は3箇所とも一致しています。 尚、目釘は付属いたしません。
銃床についても製造された時代を考慮すれば比較的コンディションは良好で、左側面中央の縁に一ヵ所少し気になる欠けがありますが、他は若干の打ち傷を除いて目立った割れや欠けなどは見受けられず、大部分にオリジナルの艶の有る仕上げが残っています。 銃身を含む鉄製部分に表面錆(錆地仕上)が見られます。 カラクリの地板に施された象嵌についても比較的良好に残っています。
カラクリの作動については完全で、火挟を起こした状態でのロックはしっかりと掛かり、引金を引くと火挟がスムーズに落ちます。 火蓋の開閉についても問題なく行う事が可能です。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けていますが、尾栓の取り外しも可能です。木製のカルカ (さく杖) が付属いたします。
高級品で、手入れ次第で良さが蘇る品です。 作動の問題や欠品、気になる傷等はありません。(MM)
※【本個体の説明】は現在作成中です。 後日、加筆/訂正が行われる可能性がございます。本品の程度/状態について詳しくは東京店までお問合せください。
【登録証情報】
(種別: 火なわ式銃砲、全長: 126.8cm、銃身長98.5cm、口径1.0cm、銘文: 籃谷匂三右衛門作、備考: 銃身上部象嵌「東雲、合印「イ」)
【その他の情報】
平成11年9月10日に滋賀県教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
[本個体各部名称及び形状と有無]
銃身: 八角銃身
銃身装飾: 「東雲」銀象嵌
柑子: 柑子無
先目当: 三角形
元目当: 千切透シ (前部) と筋割 (後部) のコンビネーション
目釘座: 真鍮製桜花 (小型、片側3ヶ所合計6ヶ所) 、目釘合計3本 (欠)
矢袋金具: 無
背割 あり、前方部分に剣先形の骨製象嵌
背割金具: 無
雨覆: 真鍮製
楔: 真鍮製ニ節竹
火蓋: 真鍮製
胴金: 真鍮象嵌「雲図」鉄錆地、幅約10mm
火挟: 真鍮象嵌「雲図」鉄錆地
矢ハズ鋲: 真鍮製立体的な大型桜花形
胴金後部金具: 無
矢倉鋲座: 無
芝引金: 真鍮製、上から後ろにかけて1本の鋭く大きな剣先
台かぶ飾金具 (右) : 無
台かぶ飾金具 (左) : 真鍮製火縄消ノ穴
火縄通しの穴: 無
先台輪束穴: 無
台かぶ輪束穴: 無
鋲座金: 真鍮製桜花3個
地板: 鉄錆地、銀真鍮象嵌「雲龍図」
カラクリ: カニ目無き内カラクリ
疣隠し: 無
背割端金具: 真鍮製猪目金具
矢倉鋲裏座: 無
火縄下げの輪の座: 無
用心金: 鉄錆地製
用心金座: 前後共に菊花(八葉菊)形
引金: ドングリ形
引金座: 三つ団子形
ナマコ金: 無
駒型金物: 無
*金属部品は外観から推測される材質 (真鍮製/銀製など) を記載していますが、詳細な材質は不明です。
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