ボルトアクションにせよセレクティブファイアにせよ、銃にとってセーフティー(安全装置)は重要な要素の一つだと思います。 国や時代、文化圏によっても「安全の表し方」って結構違いがあるな~と思いました。 今回はセーフティー表記に絞ったコラム的な記事です。
1:位置で覚えろ!方式
ボルト周りのセーフティーやコッキングピースなどを操作する方式はボルトアクション小銃によく見られますね。 突起やパーツの向いている向きで安全状態か否か判断でき、特に銃側に文字での表記はありませんが、訓練を受けた兵隊さんなら位置で覚えるものと思われます。
>>三八式シリーズはこちら
>>モシンナガンはこちら
(米軍のスプリングフィールド M1903 小銃はボルトアクション小銃では珍しく、セーフティーレバーにREADY-SAFEの表記があったりしますね)。
>>M1903はこちら
MAS Mle1938 短機関銃もトリガーを前側に倒すことでセーフティーとなっているので、一応「位置で覚える方式」にカウントしても良いかも...。
>>MAS Mle1938はこちら
2:言語依存方式
英語だったりドイツ語だったり、「銃を生産した国の言語」で書かれているタイプ。 戦中~戦後時代を問わずさまざまな銃器で目にします。
輸出を考えると生産国と使用国の言語が一致していない場合があるので、追加で教育が必要になるかも...。 安全性に関しては欧米圏のほとんどの国で安全を示す言葉は「S」から始まるので、大きな問題ではないのでしょうね。
>>M16はこちら
>>MP5シリーズはこちら
(販売済みですが、以前入荷した九六式軽機関銃も「火-安」表記でした。 現代の「ア-タ-レ」に通ずるものを感じますね)。
3:数字方式
チェコスロバキア、スイス、ドイツ (戦後) など、こちらも比較的見られるタイプで、安全位置は「0」で示されます。 より言語依存度が下がっており、広い地域で通じやすくなっているハズ。
>>Vz.61はこちら
世界には色んな数字があるので、実際はそこまでユニバーサルな規格ではないのかもしれません...。
4:色表現方式
人間は血や火などを想起させる赤色に対し、「危険だ!」との共通認識を持っているそうです。 民生ショットガンや、(弊社では扱っていませんが) 自動拳銃なんかでも目にするタイプですね。 赤が隠れて見えなければ安全、直感的で分かりやすく言語依存もありません。
>>モスバーグ M590はこちら
軍用銃にも採用例はあるものの、(赤-白といった) 2パターンしか表現出来ない都合上、セレクティブファイアの銃器には使用されない気もします。 店頭にあるこの形式の安全装置はどれもプログレッシブ・トリガー (トリガーの引き具合でセミ/フルを撃ち分ける) の銃でした。
>>ステアー MPi81はこちら
>>Vz.26はこちら
5:ピクトグラム方式
現代HK製の銃といえばコレですね。 言語依存もなく、「弾にバッテン=安全」と分かりやすい。
>>G36シリーズはこちら
番外編:ロシア/ソ連式?
DT/DTM、RP46、RPDなどの軽機関銃では安全装置は"ОГОНЬ (撃発)"のみの表記となっています。
>>DT/DTM車載機関銃はこちら
AK系もАВ(連発)-ОД(単発)表記はありますが、安全位置の表記はないですもんね。 改めて考えて見るとロシア/ソ連製銃器の安全表記って見たことがないような...。
>>ロシア製ではありませんが、ルーマニアAKMはこちら
実は、ロシア語には英語の"SAFE"や日本語の"安全"に当たるような、「一語で"安全"を示す独立した言葉」は無かったりします。 安全の意味で使われる"Безопасность"は、「~なしで(without)」を指す"Без"、「危険(danger)」を指す"опасность"を合わせた表現になりますので、直訳すると「危険ではない」といった少し回りくどい感じです。
(一応、セイフ (Seif) と言う言葉がありますが、こちらは金庫やガンロッカーを指す言葉なんだとか)。
現代ロシアの民生向け銃器にはサイガ シリーズのような "S-F表記"、ロシア版AR-15のADAR-2-15は"英語のまま表記 (SAFE-FIRE)" となっているようです。 無理やり英語表記になっていますが、民生向けの銃器に安全位置を表記しないと事故が起こった際に大変なことになりますからね...。
ということで、セーフティー表記にも国や言語文化があって面白いねと言う話でした。
本日のワンポイント情報!!
*買取で東京店に入荷した【無可動銃】US M72A2 66 mm LAW ロケット・ランチャー を2挺HPにアップしました。 是非HPをご覧下さい。
・【無可動銃】US M72A2 66 mm LAW ロケット・ランチャー はこちら