前回に引き続き、謎の狙撃銃 FN30-11です。 前編は銃身周りを見ましたので、今回は機関部やストックを見ていきます。
銃身とストックはフリー・フローティングとなっており、戦後狙撃銃らしい造り。 ストック下面には競技ライフルに見られるようなスリング・スイベル取り付けレールがあり、二脚もこのレール上に取り付けられています。
なので、フロント・スイベル兼二脚基部の固定位置を制限しているパーツ (銀色のノブ) を緩めると、好きな位置に二脚を固定可能です。
使用者の使い心地に合わせて変更できるのは、狙撃銃にとっては良い設計かもしれませんね。
さらにスイベルパーツは前方に向かって取り外せますので、二脚自体も取り外し可能です。
(ちなみにスイベル、競技用ライフルで有名な西ドイツのアンシュッツ製でした)。
マガジンは10連のショート・タイプですが...
お察しの通り、FN FAL (メトリック) と互換性があります。
↑在庫のイスラエル FALから拝借した20連マガジンを装着してみました。 なんかWW1のトレンチ・マガジンみたいですね...。
(マガジンの互換性自体はあるものの、FAL用のマガジンはスプリング・テンションが強い為、正常に給弾されるかは不明とのこと)。
細かな点ですが、ボルトを抜き取る際に使用するリリース・レバーが「押し込むだけで良い」ような二分割式に変更されていました。
旧来の小さなレバーを引っ張る形式よりも「押し込む」方が人間工学的に改良されていると思います。 尚且つパーツの大きさがそこまで変わっていない点もスゴイ。
モーゼル系の特徴であるフラッグ式セーフティー・レバーも大胆に変更され、FN30-11ではストックを握った親指で操作できるような位置にあります。 これも限られたスペースで同じ機能を果たせるように改設計されているので、本当にFN社は優秀ですね...。
セーフティー位置変更の副産物として、旧来のフラッグ式セーフティーでは物理的に干渉して設置不可能な位置にマウント・レールがありますし、フラッグ式セーフティーの可動域を気にしなくて良いので、よりロー・マウントなスコープにも適応できそうです。
お次はバット・ストック。 前後で大きく高さが異なるため、バット・ストック自体がチーク・ピースとして機能している面白い設計ですね~。
細かいところだと軟質樹脂製のバット・プレート部はFALと同形状で、流用のようです。
ストックは下部から2本、バット・プレートも後方から1本のネジで止まっており、それぞれライザー・プレートによりストック長、ストック高が調整可能なモジュール式になっています。 ライザーを噛ませてストックを調整する点ではフランスのFR-F2と似てますね。
ライザーをすべて外すと、ある程度一般的なライフル・ストックに近い形状になり、調整次第でここまで銃のシルエットが大きく変わる銃もかなり珍しいですね。 ストックも二脚を使用で伏射を前提としている (肩が上の方にくる) ためか、かなり直銃床なのも興味深い点に感じました。
見た目の情報量がスゴイ多いので、第一印象は「けったいな銃だな~」と感じていましたが、一通り観察するとモーゼルをベースに良く考えて纏めた一丁だと分かりました。 生産数も少ないかなりマイナーな銃ですが、狙撃銃やモーゼル・コレクターの方にも是非お勧めです!
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