- 商品番号:K10314
国名:日本
種類:単発式長銃
取扱店舗:東京店
- 【火縄銃 堺二匁五分細筒 双蝶ニ獅子牡丹図色絵象嵌 (在銘: 和泉住榎浪佐平作) について】
堺筒とは摂州堺の鉄砲鍛冶によって製作された火縄銃で、口径が二匁目玉から三匁目五分玉程度の細筒に銃身や台木など全体に豪華な装飾が施された物が多く見られます。 これらの火縄銃は主に狩猟や射的用として製作されました。 本品は装飾が多い堺筒の中でも飾り金具の意匠に個性が光る、店頭に並んだ既製品ではなく特注品です。
本品は在銘で、銃身下面には「和泉住榎浪佐平作」の銘が切られています。摂州堺 (現在の大阪府堺市) の「榎浪佐平」により製作された堺筒です。 榎浪佐平 (えなみ さへい) は摂州堺の鉄砲鍛冶の一門で、全国鉄砲鍛冶銘地域別分類P.◯◯、及び全国鉄砲鍛冶銘鑑P.◯◯に掲載されています。「榎浪=榎波」の漢字は違いますが「泉住榎波佐平」と同人です。 銘文は完全に判読可能です。
本品は全長約1,240mm、銃身長約964mm、口径実測11.1mm (約二匁五分匁) 、重量約◯◯kg の一般に細筒 (小筒) と呼ばれるサイズの火縄銃です。
銃身は八角銃身で、堺筒の特徴でもある筋立てが施された芥子柑子が設けられています。 芥子柑子とは、ケシの花が開花する前のプックリと膨らんだ形状から名付けられました。 先目当は杉形で後部が柑子に沿うようになだらかに低くなっており、照星には銀と思われる異なった素材が使用されています。 元目当は堺筒に多く見られる富士山形のものが付いており、側面に「一ツ星 」が穿ってあります。 銃身は銃床に対して4箇所の目釘金具によって固定される構造です。 銃身上部の約半分後端には色絵象嵌による「双蝶ニ獅子牡丹図」が配されています。 銃身後方に「牡丹樹」、元目当の後ろに「牡丹と獅子」、元目当の前には「牡丹」、そして、その上には「双蝶」が描かれています。
台 (銃床) については各部に飾り金具が取り付けられた堺筒らしい装飾に富んだ作りとなっており、台の角を全体的に丸みを待たせた優しい形状になっています。 カルカ取付部 (矢袋) の金具と駒形金具に「波濤文様」が彫り込まれています。 銃床下面には胴金から前方に向かって3分の1の範囲に牡丹樹、胴金を挟んで用心金まで一枚の真鍮板で「牡樹」が配されているのが珍しいです。 用心金の前部分には「火縄通しの鐶」と間違って呼ばれることもある、鋼鋲 (こうびょう) という真鍮鐶が付いております。 幅広 (約33.5mm) の胴金から後方の飾り金具にかけて「兜武者」の意匠になっています。 庵の上部分は真鍮製の「波濤兎図」の飾り板で覆われており、駒形まで一枚板で続いています。 この「波濤兎図」は波を描写している矢袋金具と駒形金具の図柄とも合っています。 また「波濤兎図」の飾り金具と駒形金具の間の床尾部は真鍮板で覆われています。 左側面に八幡座のような重ね菊の縁が付いた火消ノ穴があり、穴の基部には菊花が何重にも重なった飾り金具が取り付けられています。 その反対側は大振りの「獅子牡丹の飾り金具」で飾っています。 銃床の目釘座やカラクリの鋲裏座金には真鍮製の桜花形座金が用いられています。 火縄通ノ孔の周りには桜花が三枚重なった金具で飾られています。 また台カブ左側面前方 (胴金のすぐ後) に小さな獅子の飾り板、芝引金の前に兎、台カブ上部の兜の彫り物の緒が洋銀象嵌になっているのも珍しいです。 本品の特筆すべき点は台カブ左右両面の内側(「獅子牡丹の飾り金具」と火消ノ穴の周り)に洋銀製の小さな「丸に上付き一つ星」が五星ずつ(左右合計十星)嵌めてあります。
カラクリは外カラクリ (平カラクリ) となっており、火挟の軸部分はシンプルな円形で、半菊形の蟹の目隠しが取り付けられています。 引金は分銅形で、用心金 (トリガー・ガード) が設けられています。 (MM)
【本個体の説明】
本品の筒(銃身)を含む鉄部は元々は黒錆に覆われていましたが、これは当時の日本における防錆方法であった錆付けによるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 現在はその黒錆の一部を磨いてあります。 銃身にはやや表面錆痕が見受けられるものの、大きな欠損等は見受けられず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 銃身上面に施された「双蝶ニ獅子牡丹図」の色絵象嵌についても良好に残っています。 銃身下面の目釘金具と銃床の目釘穴の位置は4箇所とも一致しています。 尚、目釘は付属いたしません。
台(銃床)については先台の右側先端部分に古い修理痕がありますが、馴染んでいるので殆ど気になりません。気にならない線傷やアタリ傷、先台の縁に小さな欠けが見られるものの、しっかりとした強度が保たれています。 全体に銃床各部に取り付けられた飾り金具については現状目立った欠品等は見受けられません。 カラクリの地板や火挟、雨覆、楔、火蓋、胴金、引金、用心金といった部分についても、現状目立った腐食等は見られず、適度な時代が付いた良い雰囲気となっています。胴金右測面に当リ傷あり。
カラクリの作動については良好で、火挟を起こした際のロックは掛かり、火挟が起きた状態で引金を引くと、火挟が落ちます。 また、尾栓では固着していますが、外れると思われます。 木製カルカ (さく杖) が付属しています。
高級品の堺筒に見られる銃身の象嵌や台の飾り金具に加え、台カブの左右銃星の洋銀の「丸に上付き一つ星」が凝っており、一目で良さが判る豪華な逸品です。 (MM)
※【本個体の説明】は現在作成中です。 後日、加筆/訂正が行われる可能性がございます。本品の程度/状態について詳しくは東京店までお問合せください。
[本個体各部名称及び形状と有無]
口径: 11.1mm (実測)
重量: ◯◯kg
銃身: 八角銃身
銃身筋立: 有
銃身装飾: 双蝶ニ獅子牡丹図色絵象嵌
露: 無
柑子: 八角柑子
玉縁: 真鍮製、立体的な縄目を真鍮で象嵌した帯
先目当: タンケン形、後部が柑子に沿うようになだらかに低くなっている
元目当: やや小型の富士山形
センサシ穴(目釘): 4箇所
尾栓: 有(可動)
台: 樫と思われる、杢目が出たとやや濃い漆仕上げ
先台面取リ: 無
目釘座(シノギ目): 真鍮製桜花形8箇所
目釘: 合計4本
腕貫ノ穴 (先台輪束穴): 無
台裏墨書: 無
カルカ: 木製
矢袋金具: 真鍮製波濤図
背割: 有、真鍮製千鳥形金具で3箇所留められている
背割飾金具: 真鍮製牡丹葉形
胴金: 真鍮製幅約33.5mm、上面は後部の金具に繋がるように兜武者図の一部が刻まれている
胴金: 両側面と下部は11mmの縁(鑢目)が両側に付き、中央が牡葉丹形
火挟: 真鍮製
矢ハズ鋲: 真鍮製円形
弾金: 真鍮製
火皿: 鉄製
火蓋: 真鍮製
雨覆: 真鍮製
煙返シ: 無
楔: 真鍮製一節竹
胴金後部金具: 真鍮製兜武者図(銀象嵌緒締)
矢倉鋲: 有
矢倉鋲座: 無
芝引金: 真鍮製波濤形
台カブ飾金具(右): 真鍮製牡丹獅子形
台かぶ飾金具(左): 真鍮重菊形、金具の中央に火消穴有
火縄通シノ穴: 真鍮製桜花が三枚重なった飾り金具に真鍮製管
台かぶ輪束穴: 無
台かぶ火消穴: 銅、銀、真鍮の重菊座に真鍮製円形
鋲裏座金: 真鍮製桜花形4箇所
地板: 真鍮製縁に幅約3mmの縁(鑢目)あり
地板尻: 角(垂直ニ切落シ)
カラクリ: 外カラクリ
疣隠シ: 真鍮製半菊形
背割端金具: 真鍮製松竹梅形(牡丹と笹が交互に描かれた一枚板)
矢倉鋲裏座: 「背割端金具」と一体
鋼鋲(火縄下ゲ輪): 真鍮製
鋼鋲(火縄下ゲ輪)ノ座: 「背割端金具」と一体
用心金: 真鍮製
用心金座: 「背割端金具」と一体
引金: 真鍮製分銅形
引金座: 「背割端金具」と一体
ナマコ金: 無
駒型金物: 真鍮製波濤図「芝引金から床尾板」と一体に「折敷ニ揺レ三文字(おしきにゆれさんもじ)」銀象嵌家紋
刻印: 無
【登録証情報】
(種別: 火なわ式銃砲、全長: 1,240mm、銃身長: 964mm、口径: [実測11.1mm]、銘文: 和泉住榎浪佐平作)
【その他の情報】
昭和37年6月5日に静岡県教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
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