- 商品番号:K10267
国名:アメリカ合衆国
種類:小銃/散弾銃
- 【US 管打式 ペンシルベニア ライフル (A.Holly社製) について】
ペンシルベニア・ライフル (Pennsylvania Rifle) は、18世紀初頭にペンシルベニア南東で開発された狩猟用のライフルで、(アメリカン) ロング・ライフル (American Long Rifle) やケンタッキー・ライフル (Kentucky Rifle) といった名称でも呼ばれます。 これらは銃身内にライフリングが施された、ライフルド・マスケットとも呼ばれる初期のライフルの一種で、球形の鉛弾に回転を与える事により、高い弾道安定性を持っていました。 一方で、銃身内にライフリングの無いスムース・ボア (滑腔銃身) のマスケット銃に比べて弾丸と銃身内のクリアランスがタイトであったため、装填に時間が掛かるのが欠点でした。 (この装填に時間が掛かるという欠点は、その後登場したミニエー弾により解消される事となります) 。
ペンシルベニア・ライフルは当初18世紀初頭にペンシルベニア南東に定住したドイツ系のガンスミス達によってハンドメイドにより製造されたと伝えられています。 ペンシルベニア州における記録上最初の銃工は、ロバート・ベイカーと父子のマーティン・メイリン (Martin Meylin) だとされています。 マーティン・メイリンの工房は1719年に建てられ、スイス系ドイツ人の銃工たちが、初期のペンシルベニア・ライフルを製造した場所とされています。 しかしながら、現在メイリンによるものと確実に証明されたライフルは発見されていません。 高品質なアメリカン・ロング・ライフルが最初に製造されたのは、1740年にドイツから家族と共にペンシルベニア州バークス郡へ移住した銃工ジェイコブ・ディカート (Jacob Dickert) によるものだという記録が残されています。 彼が製作された銃を指す「ディカート・ライフル (Dickert Rifle)」という名称は、ブランド名として認識されていました。 ディカートは大陸軍にライフルを供給しており、1792年にはアメリカ陸軍へのライフル供給契約を結んでいた事で知られています。 尚、アメリカン・ロング・ライフルを指すケンタッキー・ライフル (Kentucky Rifle)」という呼称は、歴史上かなり後になって (おおよそ1820年代) から使われるようになったものです。 1812年から1815年にかけて行われた米英戦争では、アンドリュー・ジャクソンとニューオーリンズの勝利を称えた人気歌「The Hunters of Kentucky (ケンタッキーの狩人たち)」の影響で、アメリカン・ロング・ライフルが「ケンタッキー・ライフル」という愛称で呼ばれるようになりました。
ペンシルベニア・ライフルの撃発機構は18世紀中頃に一般的となったフリント・ロック式がメインでしたが、19世紀前半に雷管を使用するパーカッション式 (管打式) の撃発機構が開発されると、フリント・ロック式のペンシルベニア・ライフルの多くがパーカッション式に改造されました。 また、一部には伝統的なペンシルベニア・ライフルのスタイルを保ったまま、当初からパーカッション式として製造され、現代にも至ります。またパーカッション・キャップ(雷管)を載せるニップルの土台(基部)の側面に「クリーンアウト・スクリュー(Clean-out screw)」または「ボルスター・プラグ(Bolster plug」と呼ばれある取り外し式の蓋が付いています。(MM)
【本個体の説明】
本品にはメーカーを示すH.Hollyの刻印が銃身上部とサイド・ロックに入っています。 銃身はオクタゴン (八角) ・バレルとなっており、トリガー・ガードにスパー (指掛) を備え、バット・ストックが稍下方に角度が付けられて、バット・プレート部の角が尖った形状となっている点等は、オーソドックスなペンシルベニア・ライフルの形状を踏襲しています。 また、バット・ストック右側面には、射撃の際に使用する小物類を収納する為のパッチ・ボックスと呼ばれるコンパートメントが設けられています。 このパッチ・ボックスは元々ロック機能がなく蓋の銃身川の蝶番によって開閉します。 フロント・サイトはアリ溝により固定された真鍮製基部の上に銀製のブレード・サイトが付いています。リア・サイトは銃身の銃口から約2/3ほどの位置にアリ溝により固定された Vノッチ・サイトが付いています。 ロック・プレートやハンマーには、手彫りと思われるエングレービングが施されており、バット・ストック両側面にも植物を象った彫刻が施されています。
本品の銃身やサイド・ロックといった鉄部は、若干の表面錆は見られるものの、大きな欠損等は見られず、しっかりとした状態が保たれています。 また銃身内部のライフリングもしっかりと刻まれています。木製銃床については、僅かな打ち傷や線傷が見られる以外は非常に良い状態です。真鍮製と思われる(黄色味が薄い)ノーズ・キャップ、ラム・ロッド・パイプ、トリガー・ガード、バット・プレート、パッチ・ボックス銃床に施された20箇所近い装飾板は適度な時代が付いた良い雰囲気となっています。
作動については完全で、ハンマーのハーフ/フル・コックはしっかりと掛かり、フル・コック位置でトリガーを引くと、ハンマーがスムーズに落ちます。 銃身は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 パーカッション・ニップルは変形が見られず、現状大きな欠け等は見受けられません。 木製のさく杖が付属いたします。時代が下る品かも知れません。
【登録証情報】
(種別: 管打式銃砲、全長: 132.5cm、銃身長: 91.8cm、口径: 1.2cm、銘文: A. HOLLY)
【その他の情報】
昭和49年4月25日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
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