商品番号:K10262
国名:日本
種類:単発式長銃

火縄銃 堺三匁五分細筒 宝尽シニ鳥黐図銀象嵌 (銃砲刀剣類登録証付古式銃、在銘: 榎並屋佐兵衛作)

¥330,000
商品番号
K10262
発売日
2026/09/17
取扱店舗
東京店
在庫
1
英名
Japanese Matchlock Musket, SAKAI Style
種類
単発式長銃
国名
日本
時代
江戸時代
全長
1,325mm
口径
13mm (実測13.2mm)
装弾数
単発
【火縄銃 堺三匁五分細筒 宝尽シニ鳥黐図銀象嵌 (在銘: 榎並屋佐兵衛作) について】
堺筒とは摂州堺の鉄砲鍛冶によって製作された火縄銃で、口径が二匁目玉から三匁目五分玉程度の細筒に銃身や台木など全体に豪華な装飾が施された物が多く見られます。 これらの火縄銃は主に狩猟や射的用として製作されました。 本品は銃身に珍しい意匠の銀象嵌を施した特注品です。

本品は在銘で、銃身下面には「榎並屋佐兵衛作」の銘が切られています。 摂州堺 (現在の大阪府堺市) の「榎並屋佐兵衛 (えなみやさへえ)」により製作された堺筒です。 榎並屋佐兵衛は摂州(泉)の鉄砲鍛冶の一門で、「全国鉄砲鍛冶銘鑑」P.51及び「全国鉄砲鍛冶銘地域別分類」P.203-204に掲載されています。

本品は全長約132.5cm、銃身長約102.2cm、口径実測約13mm (約三匁五分) 、重量約〇〇kg の一般に細筒 (小筒) と呼ばれるサイズの火縄銃です。
銃身は八角銃身で、銃身の先端が前方に向かって僅かに広がっています。 銃身の先端から前目当の間に渦文銀線象嵌が一周しています。 先目当は杉形で、 後方に鉄製の刃が取り付けてある珍しい仕様 (蔓外しと同じ用途だと思われます) です。 元目当は袖透かしの一種で、前方が雲のような形状になっています。 銃身は銃床に対して4箇所の目釘によって固定される構造です。 銃身の上面全体には銀象嵌が入っており、中目当後方には「宝尽シ図」、前目当と中目当の間には「雀ニ鳥黐図」が銀線により描かれています。 「宝尽シ図」は巻軸、鍵、宝珠、丁子、分銅、方勝などが描かれた非常に縁起の良い吉祥文様です。 一方「雀ニ鳥黐図」は飛翔する雀と粘着質な鳥黐を下げた罠を交互に配置した珍しい意匠となっています。
台 (銃床) については各部に飾り金具が取り付けられており、銃床下面には背割の端 (胴金の後ろ) に三弧形に猪目透かし、矢倉鋲座裏座と鋼鋲 (こうびょう) 座に梅花、引金座に花菱の金具が配されています。 鋼鋲とは胴金後方に設けられる真鍮鐶のことで「火縄通しの鐶」と間違って呼ばれることもあります。 胴金から後方の雲形金具にかけて「牡丹図」が描かれています。 庵の左側面には火消ノ穴が通っており、基部には十六葉の菊花の飾り金具が取り付けられております。 その反対側、庵の右側面には獅子の飾り金具があり、胴金後方の金具と併せて「獅子牡丹」となる高貴な組合せの図です。 獅子牡丹は鉄砲でも多く見られる定番の図ですが、単なる吉祥文様ではなく百十の王である獅子も寄生虫により死に至るため、体内の虫を取り除くために牡丹の露を薬として飲まなくてはいけない、つまり、「強い立場にあっても奢ってはいけない 」という教訓を表していると言われています。 銃床の目釘座やカラクリの鋲裏座金は真鍮製の梅花座金で統一されています。 駒型には丸形の飾り板が取り付けられており、「口」が含まれる文字紋と思わる文様が刻まれています。

カラクリは外カラクリ (平カラクリ) となっており、火挟の軸部分はシンプルな円形で、上辺が少し凹むように反った角形の蟹の目隠しが取り付けられています。 引金は分銅形で、用心金 (トリガー・ガード) が設けられています。 (MM)

【本個体の説明】
本品の筒(銃身)を含む鉄部は元々は黒錆に覆われていましたが、これは当時の日本における防錆方法であった錆付けによるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 現在はその黒錆の一部を少し磨いてあります。 銃身 (特に銃口付近) にはやや表面錆痕が見受けられるものの、大きな欠損等は見受けられず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 銃口を縁取る渦文象嵌には一部擦れが見られますが、銃身上面に施された「宝尽シニ鳥黐図」象嵌については良好に残っています。 銃身下面の目釘金具と銃床の目釘穴の位置は4箇所とも一致しています。 尚、目釘は付属いたしません。
台(銃床)については、火皿の周りが黒色に変色している他、胴金の前から一番後ろの目釘の座金までの間が両側面とも火縄銃の持病とも呼べるヒビが入っていますが強度的に問題はありません。 他にも気にならない程度のアタリ傷や線傷が見られます。 銃床各部に取り付けられた飾り金具については現状目立った欠品等は見受けられません。 カラクリの地板や火挟、雨覆、楔、火蓋、胴金、引金、用心金といった部分についても、現状目立った腐食等は見られず、適度な時代が付いた良い雰囲気となっています。
カラクリの作動については良好で、火挟を起こした際のロックは掛かり、火挟が起きた状態で引金を引くと、火挟が落ちます。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 また、尾栓を外すことができます。 前所有者は射撃ができるほどの状態に保っていたため、銃口内はとてもきれいです。 カルカ (さく杖) が付属しています。
火縄銃千挺以上扱っていますが「雀ニ鳥黐図」は初めて見る非常に珍しい意匠です。 江戸時代の生活風景を想起させるような象嵌が面白い、お勧めの一挺です。 (MM)

[本個体各部名称及び形状と有無]
口径: 13.0mm (実測)
重量: ○○kg
銃身: 八角銃身
銃身筋立: 無
銃身装飾: 宝尽シニ鳥黐図銀線象嵌、先端に渦文銀線象嵌
露: 無
柑子: 無、銃身の前方が僅かに広がっている
玉縁: 無
先目当: 杉形、後方に鉄製の刃が付いている
元目当: 袖透かしの一種
センサシ穴(目釘): 4箇所
尾栓: 有(可動)
台: 樫と思われる、一般的な材質と仕上げ
先台面取リ: 無
目釘座(シノギ目): 真鍮製梅花形8箇所
目釘: 合計4本
腕貫ノ穴 (先台輪束穴): 無
台裏墨書: 無
カルカ: 木製
矢袋金具: 無
背割: 有
背割飾金具: 無
胴金: 真鍮製幅約27.5mm、後部の金具に繋がるように牡丹図の一部が刻まれている
火挟: 真鍮製
矢ハズ鋲: 真鍮製丸形
弾金: 真鍮製
火皿: 鉄製
火蓋: 真鍮製
雨覆: 真鍮製
煙返シ: 無
楔: 真鍮製ニ節竹
胴金後部金具: 真鍮製雲形牡丹図
矢倉鋲: 真鍮製
矢倉鋲座: 無
芝引金: 真鍮製篠垂、後端が剣先形
台かぶ飾金具(右): 真鍮製獅子形
台かぶ飾金具(左): 真鍮製十六菊形、金具の中央に火消穴有
火縄通シノ穴: 真鍮製管
台かぶ輪束穴: 無
台かぶ火消穴: 真鍮製円形
鋲裏座金: 真鍮製梅花形(大型)4箇所
地板: 真鍮製
地板尻: 角(垂直ニ切落シ)
カラクリ: 外カラクリ
疣隠シ: 真鍮製、上辺が少し凹むように反った角形
背割端金具: 真鍮製三弧形ニ猪目透シ
矢倉鋲裏座: 真鍮製梅花形
鋼鋲(火縄下ゲ輪): 真鍮製
鋼鋲(火縄下ゲ輪)ノ座: 真鍮製梅花形
用心金: 真鍮製
用心金座: 真鍮製、前方のみ真鍮製分銅形に楕円形の鋲留
引金: 真鍮製分銅形
引金座: 真鍮製花菱形br> ナマコ金: 無
駒型金物: 真鍮製丸形、「口」が含まれる文字紋と思われる
刻印: 無

【登録証情報】
(種別: 火なわ式銃砲、全長: 132.5cm、銃身長: 102.2cm、口径: 1.3cm、銘文: 榎並屋佐兵衛作)

【その他の情報】
昭和55年12月9日に大阪府教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。

古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。

詳細画像