商品番号:K10261
国名:日本
種類:細筒
登録証訂正中

火縄銃 伊予三匁五分細筒 (銃砲刀剣類登録証付古式銃、在銘: 泉州住榎南佐平作)

¥242,000
商品番号
K10261
発売日
2026/08/04
取扱店舗
東京店
在庫
1
英名
Japanese Matchlock Musket, IYO Style
種類
火縄式
国名
日本
時代
江戸時代
全長
1,384mm
口径
12mm (実測13.2mm)
装弾数
単発
【火縄銃 伊予三匁五分細筒 (在銘: 泉州住榎南佐平作) について】
伊予筒とは伊予国で作られた、もしくは伊予国から堺や国友に発注された独特の形状の火縄銃を指します。 伊予筒の在銘品の多くは伊予国の鉄砲鍛冶によるものではなく、摂州堺の井上関右衛門に発注したものですが、これらは伊予国の中でも大洲藩が大量に発注したもので堺筒とは異なる非常にシンプルで装飾が殆ど施されていない独特な形状をしています。 *弊社在庫品の伊予筒の写真をご参照ください。
しかし、伊予国八藩と言われるように伊予国は8つの藩があり、大洲藩以外の藩が堺に注文した品は一般的な伊予筒の掟とは異なっています。 下記が相違点です。
共通する特徴
*柑子の無い八角銃身、*細身の胴金、*火挟の形状、*小振りの弾金、*透かしの引金、*疣隠しの形状、*(本品には飾り金具は桜花であるが)比較的装飾が少ない点、*銃床の材質と仕上げ (光沢のある虎杢仕上げ)、*先台は面取ではなく角を落として丸みを帯びた先台などです。 異なる特徴
*用心金がある、*角ばってやや張った形状の台かぶ(庵が冠落としになっていない)、*座金が蛇ノ目形ではなく桜花形です。

本品が大洲藩でない根拠としては座金金具が大洲藩藩主加藤家の家紋である蛇ノ目ではないことだけで、他の七藩のどの藩によって発注されたかは今後の研究課題となります。 幕末の石高は大洲藩6万石に対し伊予松山藩が15万石、宇和島藩10万石と大洲藩より大きな藩があるのでその2藩のうちのどちらかであると考えるのが自然です。本品に関してはまだまだ調査途中ですので「伊予筒」であると断言は出来ませんが、現時点ではそのよに考えています。

本品は在銘で、銃身下面には「泉州住榎南佐平作」の銘がハッキリと切られています。 「榎南佐平」(えなみさへい)は幕末から明治にかけての堺の鉄砲鍛冶で、「全国鉄砲鍛冶銘鑑」P.45に掲載されています。 堺は和泉国と摂津国に跨っていますが、「榎南佐平」は「全国鉄砲鍛冶銘鑑」P.45にも「泉州住」と書かれているように和泉国堺の鉄砲鍛冶でした。 「榎南佐平」が明治16年 (1886年) に堺区北旅籠町西2丁にあった鉄砲弾薬販売所の責任者であったことは「住吉・堺名所井二豪商案内記」(堺市立図書館蔵) により確認でき、その2年後に書かれた明治18年 (1888年) の「銃砲及火薬営業者名前換届」や「7月9日 火薬庫建設免許の件 大阪府」(共に国立公文書館アジア歴史資料センター蔵)でもその名前や所在を確認することができます。 明治に入っても銃砲業界にいた鉄砲鍛冶は少ないのでビジネスのセンスがあったことが窺えます。 また、異なる漢字表記である「泉州住榎並佐平」も同一人物と考えられます。

本品は全長約138.4cm、銃身長約105.6cm、口径実測約13.2mm (約三匁五分) 、重量約2.8kg の一般に細筒 (小筒) と呼ばれるサイズの火縄銃です。
銃身は八角銃身で、僅かに先端が広がった形状になっています。 先目当は片袖形で筋割の溝に銀製の刃が嵌めてある先目当としては珍しい形状です。 元目当は前方を一段下げた筋割で、このように前後の目当が近い形状であることに斬新さを感じられます。 銃身に装飾はありませんが、よく鍛えられた冴えた鉄味があります。
台 (銃床) には一般的な伊予筒同様に光沢感のある仕上げの木目の綺麗な木材を使用しております。また銃床の木部には人工的な虎杢が入れられており、高級な作りとなっています。 角を落として全体的に丸みを帯びた先台の形状も伊予筒の特徴と合致しますが、床尾の形は異なっており、角ばったものとなっています。芝引金具は剣先形 (篠垂形) です。銃身は銃床に対して4箇所の目釘(桜花の座)により固定される構造となっています。 装飾金具と呼べるものはほとんどなく、桜を象った座金が先台やのみです。桜花の鋼鋲ノ座がある事も大洲藩の伊予筒とは異なります。引金は大洲藩と同じ透かし形です。 鋼鋲ノ座には「火縄通しの鐶」と間違って呼ばれることもある、鋼鋲 (こうびょう) という真鍮鐶が付いております。 幅細の胴金、小振りな弾金、火縄通ノ孔も伊予筒らしいです。

カラクリは外カラクリ (平カラクリ) となっており、火挟の軸部分はシンプルな円形で、「上方の角を落とした台形」の蟹の目隠しが取り付けられています。 大洲藩の筒との最大の相違点である用心金 (トリガー・ガード) が設けられています。 (MM)

【本個体の説明】
本品の筒(銃身)を含む鉄部は元々は黒錆に覆われていますが、これは当時の日本における防錆方法であった錆付けによるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 銃身には表面錆痕が見受けられるものの、大きな欠損等は見受けられず、概ねしっかりとした状態が保たれています。銃身下面の目釘金具と銃床の目釘穴の位置は4箇所とも一致しています。 尚、目釘は付属致しません。
台(銃床)については、極僅かな線傷や当たりはありますが非常に良い状態で当時の仕上げも良く残っています。 カラクリや飾り金具などに使用されている真鍮部品は昔一度磨かれたとは思いますが、その後の時代が付いているのでそれなりの趣があります。 銃床各部に取り付けられた飾り金具については完全です。
カラクリの作動については良好で、火挟を起こした際のロックは掛かり、火挟が起きた状態で引金を引くと、火挟が落ちます。 尾栓は外れます。 木製カルカ (さく杖) が付属しています。

今後の研究課題がある品で、一見特徴がないように見えますが「判る人が見れば考えさせられる一挺」です。 もし弊社が推測する「大洲藩以外の伊予筒」でなくても、桜花金具で統一された品の良い高級品です。(MM)

※【本個体の説明】は現在作成中です。 後日、加筆/訂正が行われる可能性がございます。本品の程度/状態について詳しくは東京店までお問合せください。

[本個体各部名称及び形状と有無]
口径: 12.9mm (実測)
重量: 2.8kg
銃身: 八角銃身
銃身筋立: 無
銃身装飾: 無
露: 無
柑子: 無
玉縁: 無
先目当: 片袖形、筋割の全部が一段低くなってて、筋の溝に真鍮刃
元目当: 前方を一段落とした筋割
センサシ穴(目釘): 4箇所
尾栓: 有(可動)
台: 光沢感のある仕上げの虎杢を入れた樫と思われる
先台面取リ: 無(全体的に角に丸みを持たせている)
目釘座(シノギ目): 真鍮製桜花形8箇所
目釘: 合計4本
腕貫ノ穴 (先台輪束穴): 無
台裏墨書: 無
カルカ: 木製
矢袋金具: 無
背割: 有
背割飾金具: 無
胴金: 真鍮製幅約10mm
火挟: 真鍮製
矢ハズ鋲: 真鍮製円形
弾金: 真鍮製
火皿: 鉄製
火蓋: 真鍮製
雨覆: 真鍮製
煙返シ: 無
楔: 真鍮製ニ節竹
胴金後部金具: 無
矢倉鋲: 真鍮製
矢倉鋲座: 真鍮製桜花形
芝引金: 真鍮製篠垂形 (後端が剣先形)
台かぶ飾金具(右): 無
台かぶ飾金具(左): 無
火縄通シノ穴: 真鍮製管
台かぶ輪束穴: 無
台かぶ火消穴: 真鍮製円形
鋲裏座金: 真鍮製桜花形(大型)4箇所と真鍮製蛇ノ目形(小型)2箇所
地板: 真鍮製
地板尻: 角(垂直ニ切落シ)
カラクリ: 外カラクリ
疣隠シ: 真鍮製、上方の角を落とした台形
背割端金具: 真鍮製猪目透シ
矢倉鋲裏座: 真鍮製桜花形
鋼鋲(火縄下ゲ輪): 真鍮製
鋼鋲(火縄下ゲ輪)ノ座: 真鍮製桜花形
用心金: 真鍮製
用心金座: 真鍮製、前方のみ楕円形に楕円鋲留
引金: 真鍮製透シ
引金座: 真鍮製矩形br> ナマコ金: 無
駒型金物: 無
刻印: 無

【登録証情報】
(種別: 火なわ式銃砲、全長: 138.4cm、銃身長: 105.6cm、口径: 1.2cm、銘文: 不明)【再審査】愛媛県になっても元は愛媛県と登録であることを記す。

【その他の情報】
昭和45年11月16日に愛媛県教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。

古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。

詳細画像