商品番号:K10260
国名:日本
種類:火縄銃

火縄銃 堺三匁細筒 双蝶図銀象嵌 (銃砲刀剣類登録証付古式銃、在銘: 巻張 摂州住榎並屋弥兵衛作)

¥308,000
商品番号
K10260
発売日
2026/08/19
取扱店舗
東京店
在庫
1
英名
Japanese Matchlock Musket, SAKAI Style
種類
火縄式
国名
日本
時代
江戸時代
全長
1,315mm
口径
14mm (実測12.3mm)
装弾数
単発
【火縄銃 堺三匁細筒 双蝶図銀象嵌 (在銘: 巻張 摂州住榎並屋弥兵衛作) について】
堺筒とは摂州堺の鉄砲鍛冶によって製作された火縄銃で、口径が二匁目玉から三匁目五分玉程度の細筒に銃身や台木など全体に豪華な装飾が施された物が多く見られます。 これらの火縄銃は主に狩猟や射的用として製作されました。 本品は銃床(台)に上質な材料を使用し、随所に堺筒らしい凝った飾り金具を配した全体的に作りの丁寧な高級品です。

本品は在銘で、銃身下面には「巻張 摂州住榎並屋弥兵衛作」の銘がはっきりと切られています。 登録証では「□州」となっている部分もくずし字となっているだけで「摂州」と明らかに判別できます。 摂州堺 (現在の大阪府堺市) の「榎並屋弥兵衛(えなみややへえ)」により製作された堺筒です。 榎並屋弥兵衛は摂州堺の鉄砲鍛冶の一門で、「全国鉄砲鍛冶銘鑑」P.55及び「全国鉄砲鍛冶銘地域別分類」P.206に掲載されています。

本品は全長約131.5cm、銃身長約103.2cm、口径実測約12.3mm (約三匁) 、重量約〇〇kg の一般に細筒 (小筒) と呼ばれるサイズの火縄銃です。
銃身は八角銃身で、縁取や筋立で装飾された八角柑子が設けられています。 柑子と玉縁の間の幅約15mmの範囲に梅の小花の銀象嵌が散らされている点に細やかな装飾美が感じられます。 先目当はタンケン形で後部が柑子に沿うようになだらかに低くなっており、 中央に真鍮の刃が嵌めてあります。 元目当は堺筒に多く見られる富士山形のものが付いており、側面に「三星」が穿ってあります。 銃身は銃床に対して4箇所の目釘金具によって固定される構造です。 銃身上部には「二羽の蝶」が作域の良い銀平象嵌によって描かれています。 蝶は不死再生を表す吉祥文様として武具に使用されることも多く、また二羽の蝶は春の季語でもあります。 さらに銃床後方の端には太さの異なる線が並んだ「子持ち引両」も象嵌されています。
台 (銃床) については各部に飾り金具が取り付けられた堺筒らしい装飾に富んだ作りとなっており、カルカ取付部 (矢袋) の金具と駒形金具に波濤文様が彫り込まれています。 銃床下面には胴金から前方に向かって4分の1の範囲に竹、胴金を挟んで蔦、鋼鋲ノ座から引金後部の座まで鶴、松、蓑亀 、竹の吉祥文様を象った金具が配されています。 これらの小さな飾り金具はいずれも、なにが描写されているか判別できる出来です。 鶴の部分には「火縄通しの鐶」と間違って呼ばれることもある、鋼鋲 (こうびょう) という真鍮鐶が付いております。 胴金から後方の飾り金具にかけて、「兜武者」が描かれています。 庵の上部分は真鍮製の波濤図飾り板で覆われており、庵の側面には八幡座のような重ね菊の縁が付いた火消穴が通っています。 火消ノ穴の基部には左右どちらも九重菊の飾り金具が取り付けられており、内側の花弁に塗られた黒漆がポイントになっています。 銃床の目釘座やカラクリの鋲裏座金には真鍮製の桜花形座金や銀製梅花座金が用いられています。

カラクリは外カラクリ (平カラクリ) となっており、火挟の軸部分はシンプルな円形で、半菊形の蟹の目隠しが取り付けられています。 引金は分銅形で、用心金 (トリガー・ガード) が設けられています。 (MM)

【本個体の説明】
本品の筒(銃身)を含む鉄部は元々は黒錆に覆われていましたが、これは当時の日本における防錆方法であった錆付けによるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 現在はその黒錆の一部を磨いてあります。 銃身にはやや表面錆痕が見受けられるものの、大きな欠損等は見受けられず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 銃身上面に施された「双蝶図」の象嵌についても良好に残っています。 銃身下面の目釘金具と銃床の目釘穴の位置は4箇所とも一致しています。 尚、目釘は付属致しません。
台(銃床)については、胴金から前方にかけて約10cm、その後方に約20cmのヒビ割れがありますが目立つものではありません。 また、雨覆いの前方に上手な時代補修があります。 他にアタリ傷が見られます。 全体に銃床各部に取り付けられた飾り金具については現状目立った欠品等は見受けられません。 カラクリの地板や火挟、雨覆、楔、火蓋、胴金、引金、用心金といった部分についても、現状目立った腐食等は見られず、適度な時代が付いた良い雰囲気となっています。
カラクリの作動については良好で、火挟を起こした際のロックは掛かり、火挟が起きた状態で引金を引くと、火挟が落ちます。 尾栓については現状固着しており、取り外しは出来なくなっています。 木製カルカ (さく杖) が付属しています。
堺筒らしい華やかさと、細やかさを備えた品の良い高級品です。 (MM)

[本個体各部名称及び形状と有無]
口径: 12.3mm (実測)
重量: 3.5kg
銃身: 八角銃身
銃身筋立: 無
銃身装飾: 双蝶図銀平象嵌と子持ち引両銀平象嵌
露: 無
柑子: 八角柑子
玉縁: 鉄製、立体的な縄目を銅と真鍮で象嵌した帯
先目当: タンケン形、中央に真鍮刃、後部が柑子に沿うようになだらかに低くなっている
元目当: 富士山形、側面に三ツ星透かし
センサシ穴(目釘): 4箇所
尾栓: 有(固着)
台: 虎目を入れた樫と思われる
先台面取リ: 無(全体的に角に丸みを持たせている)
目釘座(シノギ目): 銀製桜花形8箇所
目釘: 合計4本
腕貫ノ穴 (先台輪束穴): 無
台裏墨書: 無
カルカ: 木製
矢袋金具: 真鍮製波濤図
背割: 有、真鍮製千鳥形金具で2箇所留められている
背割飾金具: 真鍮製竹形
胴金: 真鍮製幅約13mm、後部の金具に繋がるように兜武者図の一部が刻まれている
火挟: 真鍮製
矢ハズ鋲: 真鍮製円形
弾金: 真鍮製
火皿: 鉄製
火蓋: 真鍮製
雨覆: 真鍮製
煙返シ: 無
楔: 真鍮製四節竹
胴金後部金具: 真鍮製兜武者図
矢倉鋲: 真鍮製
矢倉鋲座: 無
芝引金: 真鍮製波濤形、後端が剣先形
台かぶ飾金具(右): 真鍮製、内側の花弁を黒漆で塗った九重菊形、金具の中央に輪束穴有
台かぶ飾金具(左): 真鍮製、内側の花弁を黒漆で塗った九重菊形、金具の中央に輪束穴有
火縄通シノ穴: 真鍮製重菊座に真鍮製管
台かぶ輪束穴: 銅と銀の重菊座に真鍮製管
台かぶ火消穴: 無
鋲裏座金: 真鍮製桜花形(大型)4箇所と銀製梅形(小型)2箇所
地板: 真鍮製
地板尻: 角(垂直ニ切落シ)
カラクリ: 外カラクリ
疣隠シ: 真鍮製半菊形
背割端金具: 真鍮製蔦形
矢倉鋲裏座: 真鍮製桜花形
鋼鋲(火縄下ゲ輪): 真鍮製
鋼鋲(火縄下ゲ輪)ノ座: 真鍮製鶴形
用心金: 真鍮製
用心金座: 真鍮製、前方が松樹形、後方が竹形
引金: 真鍮製分銅形
引金座: 真鍮製蓑亀形br> ナマコ金: 無
駒型金物: 銀製丸に片喰紋
刻印: 無

【登録証情報】
(種別: 火なわ式銃砲、全長: 131.5cm、銃身長: 103.2cm、口径: 1.4cm、銘文: 巻張 □州住榎並屋弥兵衛作、備考: 銀象嵌あり)

【その他の情報】
昭和61年9月29日に京都府教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。

古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。

詳細画像