- 商品番号:K10257
国名:日本
種類:細筒
- 【火縄銃 堺三匁細筒 合戦図色絵象嵌 (在銘: 摂州住籃谷権右衛門) について】
堺筒とは摂州堺の鉄砲鍛冶によって製作された火縄銃で、口径が二匁目玉から三匁目五分玉程度の細筒に銃身や台木など全体に豪華な装飾が施された物が多く見られます。 これらの火縄銃は主に狩猟や射的用として製作されました。 本品は装飾が多い堺筒の中でも飾り金具の意匠に個性が光る、店頭に並んだ既製品の中では凝った高級品です。
本品は在銘で、銃身下面には「摂州住籃谷権右衛門」の銘が切られています。摂州堺 (現在の大阪府堺市) の「籃谷権右衛門」により製作された堺筒です。 籃谷権右衛門 (かごや ごんうえもん) は摂州堺の鉄砲鍛冶の一門で、全国鉄砲鍛冶銘地域別分類P.70、及び全国鉄砲鍛冶銘鑑P.210に掲載されています。
本品は全長約126.4cm、銃身長約96.3cm、口径実測約12.4mm (約三匁) 、重量約2.9kg の一般に細筒 (小筒) と呼ばれるサイズの火縄銃です。
銃身は八角銃身で、堺筒の特徴でもある筋立てが施された芥子柑子が設けられています。 芥子柑子とは、ケシの花が開花する前のプックリと膨らんだ形状から名付けられました。 先目当は杉形で後部が柑子に沿うようになだらかに低くなっており、照星には銀と思われる異なった素材が使用されています。 元目当は堺筒に多く見られる富士山形のものが付いており、側面に「一ツ星 」が穿ってあります。 銃身は銃床に対して4箇所の目釘金具によって固定される構造です。 銃身上部の約半分後端には色絵象嵌による「合戦図」が配されています。 銃身後方に水辺、中間に日の丸の軍扇を手にした騎馬武者、上方には山に潜む兵などが描かれていて物語性が感じられます。
台 (銃床) については各部に飾り金具が取り付けられた堺筒らしい装飾に富んだ作りとなっており、カルカ取付部 (矢袋) の金具と駒形金具に波濤文様が彫り込まれています。 銃床下面には胴金から前方に向かって3分の1の範囲に梅樹、胴金を挟んで半菊、鋼鋲ノ座から引金後部の座まで鶴、松、蓑亀 、竹の吉祥文様を象った金具が配されています。 鶴の部分には「火縄通しの鐶」と間違って呼ばれることもある、鋼鋲 (こうびょう) という真鍮鐶が付いております。 幅広 (約29mm) の胴金から後方の飾り金具にかけて、「桃の実がひょこっと飛び出した牡丹の花瓶」の珍しい意匠になっています。 庵の上部分は真鍮製の波兎図飾り板で覆われています。 この波兎図は波を描写している矢袋金具と駒形金具の図柄とも合っています。 また波兎図の飾り金具と駒形金具の間の床尾部は真鍮板で覆われています。 左側面に八幡座のような重ね菊の縁が付いた火消ノ穴があり、穴の基部には九重菊の飾り金具が取り付けられています。 その反対側は大振りの獅子牡丹の飾り金具で飾っています。 銃床の目釘座やカラクリの鋲裏座金には真鍮製の桜花形座金が用いられています。 また台かぶ左側面前方 (胴金のすぐ後) に小さな真鍮製の獅子の飾り板がワンポイントになっています。
カラクリは外カラクリ (平カラクリ) となっており、火挟の軸部分はシンプルな円形で、半菊形の蟹の目隠しが取り付けられています。 引金は分銅形で、用心金 (トリガー・ガード) が設けられています。 (MM)
【本個体の説明】
本品の筒(銃身)を含む鉄部は元々は黒錆に覆われていましたが、これは当時の日本における防錆方法であった錆付けによるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 現在はその黒錆の一部を磨いてあります。 銃身にはやや表面錆痕が見受けられるものの、大きな欠損等は見受けられず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 銃身上面に施された「合戦図」の色絵象嵌についても良好に残っています。 銃身下面の目釘金具と銃床の目釘穴の位置は4箇所とも一致しています。 尚、目釘は付属致しません。
台(銃床)については飾り金具の境目に当たる床尾の一部が欠けている他に線傷やアタリ傷が見られるものの、しっかりとした強度が保たれています。 全体に銃床各部に取り付けられた飾り金具については現状目立った欠品等は見受けられません。 カラクリの地板や火挟、雨覆、楔、火蓋、胴金、引金、用心金といった部分についても、現状目立った腐食等は見られず、適度な時代が付いた良い雰囲気となっています。
カラクリの作動については良好で、火挟を起こした際のロックは掛かり、火挟が起きた状態で引金を引くと、火挟が落ちます。 また、尾栓の取り外しについてもスムーズに行う事が可能です。 木製カルカ (さく杖) が付属しています。
典型的な堺筒の仕様になっていますが、銃身の合戦図や吉祥文様尽くしの真鍮製の飾り金具が凝った一目で良さが判る高級品です。 (MM)
※【本個体の説明】は現在作成中です。 後日、加筆/訂正が行われる可能性がございます。本品の程度/状態について詳しくは東京店までお問合せください。
[本個体各部名称及び形状と有無]
口径: 12.4mm (実測)
重量: 2.9kg
銃身: 八角銃身
銃身筋立: 無
銃身装飾: 合戦図色絵平象嵌
露: 無
柑子: 芥子柑子
玉縁: 鉄製、立体的な縄目を銅と真鍮で象嵌した帯
先目当: 杉形、後部が柑子に沿うようになだらかに低くなっている
元目当: 富士山形
センサシ穴(目釘): 4箇所
尾栓: 有(可動)
台: 樫と思われる、火縄銃としては一般的な材質と仕上げ
先台面取リ: 無
目釘座(シノギ目): 真鍮製桜花形8箇所
目釘: 合計4本
腕貫ノ穴 (先台輪束穴): 無
台裏墨書: 無
カルカ: 木製
矢袋金具: 真鍮製波濤図
背割: 有、真鍮製千鳥形金具で3箇所留められている
背割飾金具: 真鍮製梅樹形
胴金: 真鍮製幅約29mm、後部の金具に繋がるように桃牡丹花瓶図の一部が刻まれている
火挟: 真鍮製
矢ハズ鋲: 真鍮製円形
弾金: 真鍮製
火皿: 鉄製
火蓋: 真鍮製
雨覆: 真鍮製
煙返シ: 無
楔: 真鍮製一節竹
胴金後部金具: 真鍮製桃牡丹花瓶図
矢倉鋲: 真鍮製
矢倉鋲座: 無
芝引金: 真鍮製波兎形
台かぶ飾金具(右): 真鍮製牡丹形
台かぶ飾金具(左): 真鍮九重菊形、金具の中央に火消穴有
火縄通シノ穴: 真鍮製重菊座に真鍮製管
台かぶ輪束穴: 無
台かぶ火消穴: 銅と銀の重菊座に真鍮製円形
鋲裏座金: 真鍮製桜花形(大型)4箇所と真鍮製桜花形(小型)1箇所と真鍮製獅子形1箇所
地板: 真鍮製
地板尻: 角(垂直ニ切落シ)
カラクリ: 外カラクリ
疣隠シ: 真鍮製半菊形
背割端金具: 真鍮製半菊形
矢倉鋲裏座: 真鍮製桜花形
鋼鋲(火縄下ゲ輪): 真鍮製
鋼鋲(火縄下ゲ輪)ノ座: 真鍮製鶴形
用心金: 真鍮製
用心金座: 真鍮製、前方が松樹形、後方が竹形
引金: 真鍮製分銅形
引金座: 真鍮製蓑亀形
ナマコ金: 無
駒型金物: 真鍮製波濤図
刻印: 無
【登録証情報】
(種別: 火なわ式銃砲、全長: 126.4cm、銃身長: 96.3cm、口径: 1.2cm、銘文: 籃谷権右衛門亘)
【その他の情報】
昭和53年6月8日に東京都教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
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