- 商品番号:K10254
国名:日本
種類:細筒
- 【火縄銃 美作二匁五分細筒 (在銘: 美作真島住森島載方作)について】
全長1,055mm、口径実測11mm (約二匁五分) 、重量約1.74kgの細筒 (小筒) と呼ばれるサイズの品です。 本品のような小型で軽量な装飾性の高い細筒は資力のある武士の趣味の狩猟や標的射撃といった現在における余暇的な用途で使用されました。
本品は在銘で、銃身下部には「美作真島住森島載方作」の銘が切られています。 森島(豹蔵)載方は美作國の真島 (現在の岡山県真庭郡) の鉄砲鍛冶で、明治時代初期まで銃工として活躍し、美作國が廃藩置県によって岡山縣になってからも火縄式の三連斉発式銃を独自で発明した中国地方ではかなり著名な鉄砲鍛冶です。 「全国鉄砲鍛冶銘鑑」P.288には森島豹蔵の銘としては「森島方載」「森島豹蔵方載」が掲載されています。 いずれも美作住、美作真島住、勝山住、美作勝山住の銘を切った美作地方の鉄砲鍛冶です。 また全国的に見ても森島姓は全て美作の鉄砲鍛冶です。
本品は美作(みまさか)國で作られた作品で銃身は八角銃身、銃口部には八角柑子が設けられており、カラクリや金具は真鍮により製作されており、備前(現在の岡山県南東部)筒とは下記のように異なる仕様になっています。 岡山県下の山陽道に属しますが、全く別の令制国で備前(筒)とは別に独立させて考察(分類)すべき地方筒です。同じ岡山県であっても岡山県北部の美作地方で作られた品は、鉄製金具ではなく、そして用心金を備えている点など、一般的な備前筒とは異なり、備前筒と僅かな共通点もありますが独立させて美作筒と呼んで良いと思います。 台 (銃床) については、しのぎ目や鋲裏座金に梅花の花弁を象った金具が用いられており、火縄通しや火縄消しの穴は設けられていません。 銃床の装飾は植物と鳥の意匠の金具で飾られています。 このように美作筒は備前筒よりも装飾性に優れた品が多いのも特徴です。 本品の筒 (銃身) は八角銃身で、銃口部は八角柑子で先目当はタンケン形で元目当は「前方が千切透シ、後方が筋割」で、銃身は銃床に対して3箇所の目釘により固定される構造となっています。 台木 (銃床) については、虎杢がでた高級な材質です。カラクリは蟹目アリ外カラクリで、カラクリの地板や火挟、弾金、胴金、雨覆、火蓋といった主要な部品については真鍮製となっています。 引金には真鍮製の用心金が設けられています。 (MM)
【本個体の説明】
本品の筒 (銃身) を含む鉄部は黒錆に覆われていますが、これは当時の日本における防錆方法であった錆付けによるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 銃身には一部表面錆や若干の朽ち込み痕が見られますが、大きな欠損等は見られず、比較的良好な状態が保たれています。 銃床下面の「美作真島住森島載方作」銘が切られていますが(「島」は辛うじて一部確認出来るが、「美作真」は全く判読出来ません)。「美作真島住 森島豹蔵載方」と同人です。 銃身下部の目釘金具と銃床の目釘穴の位置は3箇所とも一致しています。 尚、目釘は付属しておりません。
銃床については、僅かな打ち傷が見受けられる他、銃床と銃身が接する縁部分に数か所の小さな欠けが確認できますが、強度的には全体にしっかりとした状態が保たれています。 カラクリの地板や火挟、弾金、胴金、雨覆、火蓋用心金、柴引金といった主要な部品については銅に近い色合いになった亜鉛の含有量が少ない(30%以下で単一素材である銅に近い)真鍮製となっています。これらは若干磨かれてはいますが大きな違和感は感じられず、目立った腐食や欠損等も見られません。 銃床に施された洋白(現在の光沢のあるニッケルとは違います)製の飾り金具は植物や鳥を意匠化したもので作域の良い特注品です。 洋白は洋式銃であればGerman Silverと呼ぶ材質で、日本には江戸時代末期(幕末)の開国に伴って持ち込まれ、その優れた加工性と美しい銀白色から、高級な煙管(キセル)や装飾品の材料として珍重されるようになりました。 銀でもなく、現代のニッケルでもない白っぽく見える材質ですが、純銀のように曇ることもなく時代を経た火縄銃でもその部分は美しく残っています。カラクリの作動については完全で、火挟を起こした際のロックはしっかりと掛かり、引金を引くと火挟がスムーズに落ちます。 火蓋の開閉についても問題なく行う事が可能です。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 また、尾栓の取り外しについてもスムーズに行う事が可能です。 木製のさく杖が付属致します。
美作筒は現存数が少なく、特に状態の良い品はほぼないため火縄銃の地域別バリエーションを集める上でも必要で、上等な特注品である事からお勧めできる一挺です。 (MM)
[本個体各部名称及び形状と有無]
口径: 12.0mm (実測)
重量: 約1.74kg
銃身: 八角銃身、上面と上面に隣り合う2面は中央が凹むようにアールがかかっている
銃身筋立: 無
銃身装飾: 無
露: 無
柑子: 八角柑子
玉縁: 銀製縁有帯
先目当: タンケン形
元目当: 前方が千切透シ、後方が筋割
センサシ穴(目釘):3箇所
尾栓: 有(可動)
台: 虎杢
先台面取リ: 無
目釘座(シノギ目): 銀製梅花形6箇所
目釘: 合計3本
腕貫ノ穴 (先台輪束穴): 無
台裏墨書: 無
カルカ: 木製
矢袋金具: 銀製蕨図
背割: 有
背割金具: 銀製菖蒲図
胴金: 真鍮製幅約15mm
火挟: 真鍮製
矢ハズ鋲: 銀製無地円形
弾金: 真鍮製
火皿: 鉄製
火蓋: 真鍮製
雨覆: 真鍮製
煙返シ: 無
楔: 真鍮製一節竹
胴金後部金具: 無
矢倉鋲: 真鍮製
矢倉鋲座: 銀製橘鶴図
芝引金: 真鍮製剣先形
台かぶ飾金具(右): 銀製鳩図
台かぶ飾金具(左): 銀製葵図
火縄通シノ穴: 無
台かぶ輪束穴: 無
鋲裏座金: 銀製梅花形(中型)4箇所と銀製梅花形(小型)1箇所
地板: 真鍮製
地板尻: 角(垂直ニ切落シ)
カラクリ: 蟹目アリ外カラクリ
疣隠シ: 角形
背割端金具: 銀製四弧形ニ猪目透シ
矢倉鋲裏座: 銀製梅花形
鋼鋲(火縄下ゲ輪): 無
鋼鋲(火縄下ゲ輪)ノ座: 無
用心金: 真鍮製
用心金座: 前方のみ、真鍮楕円形で楕円の鋲留め
引金: 真鍮製分銅形
引金座: 銀製橘形
ナマコ金: 無
駒型金物: 無
刻印: 無
【登録証情報】
(種別: 火なわ式銃砲、全長: 109.5cm、銃身長: 80.3cm、口径: 1.1cm、銘文: □□住森島載方作) (「島」は辛うじて一部確認出来るが、「美作真」は判読出来ず)
【その他の情報】
昭和42年12月5日に大阪府教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
本銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
- 詳細画像



