- 商品番号:K10246
国名:日本
種類:中筒/大筒
- 【火縄銃 仙台十匁中筒 (在銘: 仙台水沢住坂本運治藤原行盛 薬以十匁試之) について】
昔から伊達の鉄砲好きと言われていますが、伊達家が納めた仙臺藩は仙台筒と呼ばれるシンプルながらも目立たない場所に装飾を施した特徴ある品を使用しました。 仙台細筒の筒 (銃身) の掟は柑子のない八角銃身ですが、中筒に関しては柑子はあります。 火皿は小さく、目当は先目当が筋割 (中筒は多様) 、元目当が透かし形となっています。 銃身は銃床に対して2箇所の目釘により固定される構造となっています。 カラクリは外カラクリ (外記カラクリ) となっている。 銃床は後部に火縄通しと呼ばれる穴が設けられているのみで、火縄消しの穴は設けられておらず至ってシンプルです。 鋲裏座金には通常仙台筒は分銅の図柄が多く用いられています。 火挟みの火縄の保持部分は長く高く持ちあがったデザインとなっており、「馬面」の愛称で呼ばれています。 これらの特徴は東北の銃に共通しており、一見シンプルな外観ながら複雑な構造も備えています。
本品は口径が実測: 19.2mm、全長が約1,075mm、重量約5.4kgの十匁中筒としてはやや軽量の火縄銃です。 軍用の中筒は6匁筒 (15.8mm) ~10匁筒 (18.7mm) 前後で、それ以上は大筒と呼ばれる事もあります。 大筒の定義は定かではありませんが、抱えて射撃の不可能な50匁筒 (33mm) 以上の品を大筒と呼ぶこともあるようです。
銃身の上に「薬以十匁試之 (くすりじゅうもんめをもってこれをためす)」の鏨文字が入っています。 小振りながら十匁の火薬を使ってそれに耐えれる強度がある事を刻印を打って残している、非常に珍しい品です。
本品は在銘で、銃身下面には「仙台水沢住坂本運治藤原〇〇」の銘が切られています。 「〇〇」の部分は判読困難ですが、現存品の「行盛」の銘の刻み方と一致していますので「行盛」と思われます。「仙台水沢住坂本運治藤原行盛」は全国鉄砲鍛冶名鑑 P.289及び「全国鉄砲鍛冶銘地域別分類」P.23にその銘が仙台水沢住 (現在の岩手県奥州市水沢) 住の鉄砲鍛冶として掲載されています。 仙台藩の水沢は、伊達政宗の従兄弟である留守宗利が領主となり、江戸時代を通じて1万6千石を治めた仙台藩の重要な支城でした。 現在の岩手県奥州市水沢は「南部鉄器」の生産地として有名ですが、仙台藩の水沢の本来は南部藩ではないため厳密には「仙台鉄器」と呼ぶべきものですが、1959年に盛岡地域の鉄器と総称を「南部鉄器」に統一して現在に至っています。 鉄に平安時代から関わった地域で作られた珍しい品です。
本品の筒 (銃身) は後方に向かって緩やかに広がった丸銃身で、上面のみ平坦となった「表一角」と呼ばれる形状となっています。 銃口は丸柑子が設けられており、元目当は透かし、先目当は杉形となっています。 銃身と台木 (銃床) は二ヵ所の目釘により固定される構造となっています。 銃床は全体に装飾などは殆ど見受けられず、カラクリの鋲裏座金に円型の金具 (蛇ノ目?) が用いられている他は目立った飾り金具等も見られず、目釘金具についても座金は取り付けられていません。 銃床前部側面には腕貫穴と呼ばれる小型の楕円形の窓が開いており、窓の周りは真鍮で装飾補強されています。
本品のカラクリは中筒としては珍しい外カラクリですが、これは仙台藩の中筒の特徴とも言えます。 カラクリの地板や火挟、胴金、雨覆、楔、火蓋といった部品は真鍮製となっています。 火挟は保持部分は長く高く持ちあがった「馬面」と呼ばれる形状です。 真鍮製の引金は舌形の一種で、用心金は設けられておらず、引金後方の銃床下部には強度を増すためのナマコ金 (力金) と呼ばれる真鍮製の部品が取り付けられています。 台木 (銃床) の形状が最も仙台中筒の特徴がでています。 本品も掟通り銃床は後部に中筒では珍しい火縄通しと呼ばれる穴が設けられており、矢倉金具でカラクリが留められています。 銃床下部は細筒と同じように平らで、銃床後部は緩やかに曲線を描いた庵に剣先形の柴引金が付き、やや小振りな細筒と同じような形状で、下部に駒形が付く仙台藩中筒の特徴を押さえています。 (MM)
【本個体の説明】
本品の銃身にはやや表面錆や時代錆が見受けられる他、台 (銃床) に隠れる銃身下面には僅かに朽ち込み痕が散見されるものの、全体としては目立った欠損等は見られず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 銃身下面の目釘金具の位置と銃床の目釘穴の位置は3箇所とも一致しています。 前後の木製目釘有。
台木 (銃床) の下部にお城に常備された銃に見られる「テノ十四」の彫り刻印が入っています。 台木の状態はついては、やや打ち傷や線傷が散見されますが、全体としては大きな破損等は見られず、しっかりとした状態が保たれています。 カラクリの地板や胴金、雨覆、楔、火蓋、引金、芝引金、ナマコ金といった真鍮部品については、深い古色の付いた良い雰囲気となっています。 カラクリの作動については完全で、火挟を起こした際のロックはしっかりと掛かり、引金を引くと火挟がスムーズに落ちます。 火蓋の開閉についても問題なく行うことが可能です。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 尾栓については現状固着しており、取り外しは出来なくなっています。 木製のカルカ (さく杖) が付属致します。
全体に装飾を廃した質実剛健な作りの品で、作動もしっかりとした品です。 珍しい仙台水沢の鍛冶銘が入った品ですので、仙台 に所縁の有る方にもお勧め致します。「薬以十匁試之」の刻印も魅力です。 (MM)
[本個体各部名称及び形状と有無]
口径: 19.2mm (実測)
重量: 約5.4kg
銃身: 丸銃身(表一角)
銃身筋立: 無
銃身装飾: 無
露: 無
柑子: 丸柑子
玉縁: 盛り上がった鉄製の帯に両端に縁あり
先目当: 杉形、後部が階段状に下がっている
元目当: 千切透シ形
センサシ(目釘): 2箇所
尾栓: 溝一本(固着)
台: 樫と思われる、火縄銃としては一般的な材質で当時の仕上げがよく残っている
先台面取リ: 有
目釘座(シノギ目): 無
目釘: 合計2本
腕貫ノ穴 (先台輪束穴): 真鍮製楕円形管
台裏墨書: 無
カルカ: 木製
矢袋金具: 無
背割: 有
背割金具: 無
胴金: 真鍮製幅約17mm
火挟: 真鍮製
矢ハズ鋲: 真鍮製無地円形
弾金: 真鍮製
火皿: 鉄製
火蓋: 真鍮製
雨覆: 真鍮製
煙返シ: 無
楔: 真鍮製(縦型)
胴金後部金具: 無
矢倉鋲: 有
矢倉鋲座: 無
芝引金: 真鍮製剣先形
台かぶ飾金具(右): 無
台かぶ飾金具(左): 無
火縄通シノ穴: 真鍮製管
台かぶ輪束穴: 真鍮製管
鋲裏座金: 真鍮製蛇ノ目形4箇所
地板: 真鍮製
地板尻: 角(垂直ニ切落シ)
カラクリ: 蟹目アリ外カラクリ
疣隠シ: 真鍮製幅広雫形
背割端金具: 無
矢倉鋲裏座: 真鍮製蛇ノ目形
鋼鋲(火縄下ゲ輪): 無
鋼鋲(火縄下ゲ輪)ノ座: 無
用心金: 無
用心金座: 無
引金: 真鍮製変形舌形
引金座: 真鍮製隅切矩形
ナマコ金: 真鍮製
駒型金物: 無
刻印: 台かぶ下方(引金の前)に「テノ十四」
【登録証情報】
(種別: 火なわ式銃砲、全長: 107.5cm、銃身長: 75.0cm、口径: 1.8cm、銘文: 仙台水沢住坂本運治藤原〇〇薬以十匁試之)
【その他の情報】
昭和45年8月15日に宮城県教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
本銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
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