- 商品番号:9229
国名:アメリカ合衆国
種類:連発式拳銃
- 【サベージ M1861 ネービー リボルバー について】
サベージ M1861 ネービー リボルバーは「キャップ・アンド・ボール・リボルバー (Cap and Ball Revolver)」と呼ばれる、.36口径 6連発の大型管打式リボルバーです。 本銃は1860年から1862年の間に僅か約20,000挺がSavage Revolving Firearms Companyで製造されました。 本銃を製造したサベージ リボルビング ファイア・アームズ社 (Savage Revolving Fire Arms Co.) は、ノース & サベージ社の後身としてコネチカット州ミドルタウンに1860年から1866年まで存在した銃器メーカーで、現在のサベージ・アームズ社とは全く関係はありません。
サベージ M1861 ネービー リボルバーは、サベージ & ノース社が製造していたサベージ & ノース フィギュア 8 ネービー リボルバー 4th Modelの発展型で、基本的にはフィギュア 8と同様にヘンリー・S・ノース (Henry S. North) のパテントに基づくコッキング・メカニズムにより作動します。 これはトリガー下部に設けられたコッキング・レバー (オペレーティング・レバー) を用いてハンマーのコッキング及びシリンダーの回転操作を行うものです。 サベージ M1861 ネービー リボルバーでは、フィギュア 8 リボルバーが備えていた文字通り「8の字形」のコッキング・レバーがリング状のコッキング・レバーに変更された他、フレーム下部からフロント・ストラップ下部にかけて、トリガーとコッキング・レバーを保護する大型のガードを備えているのが外見上の違いとなっています。 この大型のガードは、弾を撃ち尽くした接近戦では棍棒の代わりになるほど丈夫だったと言われています。 また、フィギュア 8 リボルバー 4th Modelではリコイル・シールド後部が丸みを帯びたドーム形状となっていましたが、サベージ M1861 ネービー リボルバーでは板状のリコイルシールドに変更されました。 サイトは、フロント・サイトがポスト・タイプ、リア・サイトがVノッチ・タイプになっています。
本銃は当初合衆国政府 (北軍) から5,500挺の発注が行われましたが、後に約12,000挺に増やされました。 生産された約2万挺の内、半数以上が政府に納入された事から、ガバメント・コントラクト (政府契約) の拳銃と呼ばれています。 軍納入分以外については一般市場でも販売されましたが、その多くを南軍が購入し、南北戦争中は南北両軍で使用されました。 本銃を制式に採用したのは、北軍では1st Wisconsin U.S. Volunteer Cavalry (ウィスコンシン第1義勇騎兵隊) 、2nd Wisconsin U.S. Volunteer Cavalry (ウィスコンシン第2義勇騎兵隊) 、5th Kansas Volunteer Cavalry (カンザス第5義勇騎兵隊) 、7th New York Cavalry (ニューヨーク第7騎兵隊) でした。 一方、南軍では34th Battalion of Virginia Cavalry (バージニア第34義勇騎兵大隊) 、 35th Battalion of Virginia Cavalry (バージニア第34義勇騎兵大隊) 、11th Texas Cavalry (テキサス第11騎兵連隊) 、7th Virginia Cavalry (バージニア第7騎兵隊) 、7th Missouri Cavalry (ミズーリ第7騎兵隊) により使用されました。 本銃は口径が.36口径である事から、ネービー・モデルと呼ばれていますが、海軍では極少数 (約800挺) の調達に留まりました。 (KK Updated)
【本個体の説明】
本品は全体的に仕上げの退色があり、ブラウン・パティナになった古式銃らしい違和感のない時代感になっています。 オリジナルの濃い色合いの木製 (ウォールナット製) グリップは小さな打ち傷は見られますが、気になるクラックなどは見当たりません。 フレームの上に細かい文字で「 SAVAGE R.F.A. CO. MIDDLETOWN-CT (一行目)」「H. S. NORTH PATENTED JUNE 17 1856 (二行目)」「JANUARY 18 1859, MAY 15, 1860 (三行目)」の刻印があります。 外観上、他には分解しないと確認出来ない位置に打たれているシリアル以外の刻印は見当たりません。 シリアルはグリップ・フレーム右面のグリップパネルに隠れる位置に「904」と「923」の刻印、左面サイド・プレート裏側に「923」の刻印が見られます。
サベージ リボルバー独特のアクションは完全に作動します。 トリガーの下のリング状のレバーを中指で引くとシリンダーが回りつつハンマーが起きてフル・コック状態になり、人指し指でトリガーを引くとハンマーが落ちる特殊なダブル・アクションで落ちます。 ハンマーのコッキングはハーフ・コック、フル・コックの前に若干管からハンマーが浮くくらいの (現代銃のリバウンドくらいの) プレロックがあります。 どのコッキングもきっちりと完全に作動します。 サベージ リボルバーは構造が複雑なため作動不良が多くある中、本品は完全に弊社でオーバーホールし完動状態になっています。 銃身内はライフリングがはっきりと深く刻まれており最後まで (全て) 抜けています。
日本に入っているサベージ リボルバーの数自体が少なく、日本唯一の専門店の弊社ならでこそ複数挺からお選び頂ける品です。 外見もさることながら独特の作動も完全なので南北戦争当時の軍用拳銃を集めている方には外すことのできない独特のフォルムです。
【「明治十年警六二」の刻印 について】
本品の特筆すべき点はグリップ・フレーム上部に打たれた「明治十年警六二」の刻印です。これは「明治十年に警視庁から西南戦争の為に選抜された9,500名の警視隊の小警部 (下士官相当) 以上に貸与された六二番目の品」である事がわかります。 警視庁では明治10年に勃発した西南戦争以前にも7,000挺の小銃を陸軍より移行されて軍事教練を行っており、有事の際には軍を支援する準備がなされていました。 しかしながら平時は大正12年までは警察官はサーベルだけを帯刀しており拳銃は装備していませんでした。 西南戦争勃発により急遽小警部以上の指揮官は小銃を使用しないため拳銃が支給されました。 本品もその中の一挺です。
本品は宮城県の登録証が付いている事から、宮城県下で発見された品と考えられます。 警視隊の中の新撰旅団には旧会津 (福島県) 藩士が大勢いた事は知られていますが、明治政府が西南戦争に伴う兵力不足を補う為に旧東北諸藩士族を警察官の身分で徴募し、西南戦争に派遣しました。 この中に旧仙台藩士も含まれており、西南戦争後に宮城県に帰郷した際に持ち帰った品と思われます。 本来は貸与品でる拳銃は西南戦争終結後速やかに返納しなければならないものを何らかの理由で持ち帰ったと想像できます。
木製グリップの内側に「小竹川岸」「克己」の名前?がありました
新撰旅団 (しんせんりょだん) とは明治10年 (1877年) に起きた西南戦争の際に新政府軍 (官軍) に参戦した実戦部隊です。 兵員不足を補う為に即戦力となる旧士族を臨時に徴募する案が出ましたが、明治6年 (1873年) 制定の徴兵令によらずに、旧士族を徴募すると徴兵制度を破壊するとして山縣有朋が反対したために軍人としてではなく警察官の身分で徴募しました。 戊辰戦争経験者も多く西南戦争の後半 (明治10年7月20日から) 、宮崎から鹿児島での戦いと転戦し、城山の戦いでは西郷隆盛の最期となる9月24日朝、戦闘開始の火蓋を切り大いに貢献しました。 最大の激戦といわれる田原坂の戦いでは、剣術に秀でた旧東北藩士によって「抜刀隊」が組織され、敵陣へと切り込み鎮圧側の勝利に大きく貢献しました。警視隊全体からから774人の殉職者を出すほどの働きをしました。 抜刀隊100人中、死者は33名、負傷者は50名の記録もあります。 戊辰戦争では「賊軍」となり、西南戦争で「官軍」となった旧東北藩士の活躍は西郷軍から『警視庁巡査と近衛兵なけりや、花のお江戸へおどりこむ』」と嘆かせたと言います。
本品はこの抜刀隊の指揮官の手に握られていた可能性もある歴史を物語る一挺です。 なお、新撰旅団名簿が現存していることから、仙台藩出身の下級指揮官で無事に仙台に帰郷した人物を調べれば持ち主が絞れる可能性もあります。 サベージ M1861 ネービー リボルバーの希少性に加え、日本最後の内戦となった西南戦争における歴史的に重要な品とも言えます。
【登録証情報】
(種別: 管打式銃砲、全長: 36.4cm、銃身長18.0cm、口径0.9cm、銘文: SAVAGE R.F.A.CO.MIDDLETOWN.CT H.S.NORTH PATENTED JUNE 17 1856 JANUARY 18 1850 MAY 15 1860、備考: 「明治十年警六二」とあり、米国製。)
【その他の情報】
平成3年7月12日に宮城県教育委員会によって交付され、平成8年10月16日に同県で訂正された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
160年ほど前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械ものですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
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