- 商品番号:10364
国名:イギリス
時代:第一次大戦前
種類:無可動古式銃
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【エンフィールド P1859 3 バンド 小銃 について】
エンフィールド P1859 小銃は、当時の英国の制式小銃であった.577口径のエンフィールド P1853 小銃の大英帝国植民地専用モデルであるP1858 小銃に対して更に改良を加えたモデルで、主に英領インド帝国で使用されました。
原型はエンフィールド Pattern 1853 ライフルで、イギリスのエンフィールド造兵廠で開発されたライフリングのある前装式の小銃 (施条銃、Rifled Musket) です。 フランスで開発・実用化されたミニエー弾のパテント1851年に英軍需省が取得し、これに改良を加えたエンフィールド弾を使用します。 ミニエー弾の原型は、1836年にロンドンの有名なガンスミスであったウィリアム・グリーナー (William Greener) が開発したドングリ型鉛製の弾頭で、これは底部に窪みがあり木片で埋められていました。 ミニエーはこの弾頭の周囲に凸型の溝をつけ、底部の木片をコルクに変更しました。 ミニエー弾は、16世紀には既に開発されていたライフリングを銃身内に施した銃と組み合わせて使用されました。 ミニエー弾は発射時の圧力で押し込まれたコルクが鉛弾の底部を外側に膨張させ、弾頭周囲の溝の凸部がライフリングに食い込んで密着して圧力の漏れを防ぎ、ライフリングによる回転を弾頭に与える事に成功しました。 これにより滑腔式小銃では有効射程が50から100ヤードほどしかなかったのに対し、ミニエー弾を使用する小銃では300ヤード (約270m) 、最大射程は1000ヤード (約914m) にまで延びました。 尚、実際にエンフィールド 3バンド歩兵銃のリア・サイトの目盛りは1,000ヤードまで設定されていました。 弾頭と装薬 (黒色火薬) は紙製薬筒に包まれており、表面が蜜蝋と動物性油脂の混合物でコーティングされていました。 この弾薬は命中性能が向上しただけではなく、高速で回転した弾頭が体内で変形し致命的な銃創となりました。 また、汚れた動物性油脂にまみれた弾頭が感染症を引き起こし、負傷兵にさらなるダメージを与えました。
日本でも幕末に大量のエンフィールド銃が輸入され、滑腔式であったゲベール銃に対して圧倒的な威力を発揮しました。 日本ではエンフィールドが訛ってエンピロール銃とも呼ばれた他、サイド・プレートにTOWERの刻印が入っている事から、通称タワー・ライフルや漢字で鳥羽 (トバ=タワー) ライフルと呼ばれる事もありました。
Tower軍用刻印はロンドン塔にあった英国政府の銃砲検査機関で軍用として耐えうる品質検査された証です。 同じエンフィールド小銃でもTOWERの刻印の代わりに民間メーカー刻印だけが入っている品もあります。 通常は王冠刻印のみのBirminghamで製造された品の多くが米国に送られ南北戦争に於いて両軍で使用されました。 英国国営造兵廠製か国営造兵廠コントラクト製の品には王冠の下に「V.R」の刻印が入っています。 当時の英国はBirminghamとLondonに集中しており、この王冠はBirmingam銃器製造協会会員のメーカーで製造された品です。 一方、Londonにあったメーカーで作られた品には通常この王冠はなく、メーカー名が入っていました。
エンフィールド Pattern 1853ライフルから更なる改良が施され、Pattern 1856、Pattern 1858、Pattern 1859、Pattern 1860、Pattern 1861といったモデルが採用されました。 エンフィールド小銃は大きく分けて銃身長が短い2バンドと長い3バンド、そしてカービン・モデルを始め多くのバリエーションが製造されました。
1857年から1859年にかけて発生したインド大反乱 (セポイの乱、シパーヒーの乱) で現地人傭兵による反乱軍が敗北した後、軍部は現地人傭兵に対して英国正規兵と同等のエンフィールド P1853 小銃の代わりに、射程及び威力の劣った小銃を支給するべきであると考えました。 しかしながら、当時の英国の方針により、英国正規兵と現地人傭兵の携行する小銃の外観があからさまに異なるといった状況は避ける必要がありました。 このため、一見しただけでは英国制式小銃であるP1853によく似た小銃であるものの、実際にはライフリングのない.656口径のマスケット銃であるP1858 小銃を導入することが決定されました。 この小銃は、P1853 小銃が500ヤード以上の有効射程を有していたのに対して、僅か50ヤードの有効射程しかありませんでした。 P1858 小銃は、一見するとP1853 小銃に極めて類似していますが、リア・サイトの形状がP1853 小銃とは異なりシンプルなV字型となっており、調整機能は省略されていました。 P1858 小銃の導入後すぐに、P1858の銃身強度がきわめて低く、銃身破裂が発生しやすいという欠陥が明らかとなりました。 このため、翌年の1859年には改良型であるP1859 小銃が導入されました。 P1859 小銃も、外見はP1853 小銃に類似していましたが、リア・サイトはP1858 小銃と同じ単純なV字型であり、フロント・サイトは「kennel=犬小屋」型に変更されました。 また、P1858 小銃の欠点であった銃身の強度については飛躍的に向上しました。 銃身部分に取り付けるP1853 小銃用のP1853 銃剣によく似た銃剣も製造されましたが、銃身の強化に伴い銃身の外径が大きくなったため、銃剣取付部分の内径が広げられました。 P1859 小銃は、約14,000挺がエンフィールド造兵廠で生産されたと考えられており、ロック・プレートにはインド向けである事を示す「大文字のI」及び「ブロード・アロー」の刻印が打刻されました。【本個体の説明】
本品のロック・プレートには、王冠とブロード・アローを組み合わせた刻印に加えて、「1864」及び「ENFIELD」の刻印が入っている事から、1864年に英国のエンフィールド造兵廠で製造された事が判ります。 また、ロック・プレートにはインド向けである事を示す「大文字のI」及び「ブロード・アロー」の刻印も確認出来ます。 その他、ロック・プレート後方には王冠の下に「V.R」の文字を組み合わせた刻印も確認出来ます。 トリガー・ガードに「136」の番号が打刻されています。 本品はエジプトに輸出する為に製造され、英国の倉庫に未使用状態で残った品の1挺です。 薬室後方左側面に英国のプルーフ・マークに加えて、シリアルNo.と思われるアラビア文字もしくはインド数字が打刻されています。
本品は全体に適度な時代が付いた良い雰囲気となっており、銃身や機関部といった鉄部は、やや打ち傷や経年による褪色、若干の表面錆痕が見られるものの、目立った腐食や欠損等は見られず、オリジナルの黒染め仕上げも比較的良好に残っています。 真鍮製のノーズ・キャップ、トリガー・ガード、バット・プレートについても時代が付いた良い色合いとなっており、やや打ち傷は見られるものの、現状目立った腐食等は見られず、各部の取り付けにもがたつきなどは見られません。 木製銃床については、やや打ち傷や線傷が散見される他、さく杖取付部の溝やバット・プレート取付部周辺の木部に僅かな欠けが見受けられます。 また、サイド・プレート後方の銃床右側面に長さ3,5cm程度、銃身後端付近の銃床左側面にも2cm程度のクラックが見受けられますが、全体としてはしっかりとした強度が保たれており、製造された時代を考慮すれば良好なコンディションと言えます。 前後スリング・スイベルについても固着などは見られず、スムーズに動きます。 オリジナルのさく杖が付属いたします。
ハンマーは溶接により固定されています。 トリガーテンションの有る旧加工品です。 (KK)
※本ページに掲載の商品は、日本国内の基準に準じた加工が施された無可動実銃です。
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