RPG-7 "V" (後編)

こんばんは、レナートです。 


既に販売済みとなりましたが、RPG-7Vです。 RPG-7のバリエーションって各媒体で書かれている内容が異なり、正直混乱しています...。 今回は主にRPG-7Vについて、「無印のRPG-7とは何が違うのか」調査していきたいと思います。 


幸い店内資料 (残念ながら非売品です...) にソ連軍が発行したRPG-7マニュアルを英訳した書籍がありましたので、内容を見てみましょう。 


砲本体、および照準器の項にRPG-7Vについて記載がありました。 曰く、
・「仰角が修正された最新型のRPG-7ロケットランチャーには、略称"RPG-7V"が付けられている」
・「照準角度が修正された、より新しい生産ロットの光学照準器は"PGO-7V"という略称で供給されている」

とのこと。 曖昧な表現ですが、仰角というと照準周りが変わったのでしょうか。 そしてRPGにマウントされているスコープのイラストに気になる点が...額当てがない! 


試しに1960~70年代のRPG-7の写真を探してみると、スコープの額当て (アームが伸びていてゴムパッドが付いている部分) が取り付けられていないものがチラホラありました。 巷で見かけるRPGのスコープはPGO-7V シリーズが多いので、無印の「PGO-7」はどんなのか気になります。 


確かに初期のPGO-7には額当てが付いていないようです。 しかし、例の「仰角の修正」という記述の答えにはなってませんね...。 


そしてネットでたまたま見つけたのがこちらのマニュアル。 1969年に発行された「携帯対戦車グレネードランチャー RPG-7 および PG-7V 弾薬」1962年版への補足および変更」です。 RPG-7の登場が1961年とされているので、1962年版の初期マニュアルからの変更点があるんでしょうね。
光学照準器についての項には、
・射撃時の快適さを向上させるため、光学照準器(接眼レンズ部分)に取り付ける額当てを導入した。
とのことで、「額当てはPGO-7V照準器からの仕様」は合っていたようです。 


その他にも、
1.ランチャーの照準角が補正され、それに応じて光学照準器のレティクルスケールと、アイアンサイトの照準尺スケールが変更された。
2. 補正された照準角を持つランチャーと照準器は、省略(モデル)名の後に「V」の文字を追加して生産する。 それぞれ従来のRPG-7とPGO-7に代わり、「RPG-7V」および「PGO-7V」となる。(なお、RPG-7Vとなっても兵器インデックス番号である「6G3」は変更されない)。

との記載もありました。
(1)、(2)からはアイアン、光学照準器ともにスケールが変わった(=従来とは弾道が異なる要因があった)ことが読み取れます。 マニュアル内での言及がないので何とも言えませんが、ちょうど改訂マニュアル発行と同じ1969年には新型の「PG-7VM HEAT弾」が採用された頃です。
PG-7VMは従来弾から弾頭直径、重量、初速が変わっており、スコープの目盛りも新弾薬に合わせる必要があったのではないでしょうか (残念ながら、改良前のPGO-7スコープのレティクル資料は未見です)。 
モデル名の"V"について説明はありませんでしたが、一説には"Vystrel"の頭文字であるとか。 "Vystrel"は直訳すると「発射」になるのですが、軍事用語では弾頭と装薬がセットになった「発射可能な状態の弾薬一式」となるそうです。 改良型弾薬に合わせてスコープなども改良されているので、ソ連軍的には「新型HEAT弾と新型照準器に付随する発射器」、それらをひと纏まりのパッケージとしてモデル名を付けた...のかも知れません。 

読み進めると「追加のフロントサイト(照星)の導入」という驚きの項目が! 
・アイアンサイトの構造に、追加のフロントサイトを導入した。 この追加フロントサイトは「外気温がプラスの際」の射撃に使用され、メインのフロントサイトは「外気温がマイナスの際」に使用する。
完全に盲点でした...ロケット弾の弾道は推進剤の燃焼速度=気温に影響を受けますので、季節や地域に合わせたゼロインの工夫が必要ということですね。
無印RPG-7と異なる、「RPG-7Vの最大の改良点」と言えるかもしれません (超地味だけど)。 


確かに撮影しているとき、フロントサイトに「+」の文字があることには気づいていたんですよ~、でも検査刻印or組み立て時の目印?などとスルーしておりました。 


写真を見返すと、確かにフロントサイト・ポストが二段構えになってますね...!
この状態が「外気温+」、冬季は裏側の板を外して「外気温-」仕様にする必要がある...と。 現物ある時にこの機能を知っていれば...試してみたかったなァ (梱包&集荷済みなので後の祭り)。 
ということで、RPG-7Vでした。 以降も発射器本体、弾薬の進化が続くRPG-7 シリーズですので、機会があったらその辺りをまとめてみようと思います。 それでは~
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