- 国名:ベルギー
種類:連発式拳銃
- 【ベルギー H. Comblain社製 ルフォーショー 6連発 リボルバー について】
ルフォーショー (ル・フォーショウ=Lefaucheux) リボルバーは、フランスのガンスミスであったカジミール ルフォーショー (Casimir Lefaucheux, 1802-1852) によって発明されたピン・ファイア式 (カニ目打ち式) の金属製薬莢を使用するリボルバーです。 ルフォーショー・リボルバーはフランスやベルギーで1850-70年代に多種多数製造された他、英国、ドイツ、スペインでも極少数が製造されました。 また、1858年にはフランス軍が初の金属製薬莢を使用するリボルバーとしてルフォーショー M1854リボルバーとして採用しました。
ルフォーショー リボルバーには、5連発から20連発までの非常に多くのバリエーションが存在し、銃身についても、銃身長3cmほどのラウンド・バレルから15cm以上のオクタゴン・バレルまで様々なタイプが製造されました。 用途についても多岐にわたり、大型で無骨な軍用モデルから全体に彫刻の入った小型の護身用までバリエーションが豊富です。 ピン・ファイア式銃器は、当時のヨーロッパではスタンダードな種類でしたが、パテントの関係によるものか、アメリカではあまり生産されませんでした。 ルフォーショー・リボルバーは、当時ヨーロッパにおいてピン・ファイア拳銃の代名詞となり、リム・ファイア式カートリッジが普及するまで、フランスやベルギー製の品が他のヨーロッパ諸国やアメリカ、日本など世界各国に輸出されました。 特に幕末期には多くの種類のルフォーショー拳銃が日本国内に入っています。
本銃は、ベルギー・リエージュのガンメーカーであったHubert Joseph Comblain (ユベール・ジョセフ・コンブレン) の特許を使用した、ルフォーショー・タイプのピン・ファイア式リボルバーです。 H. Comblainは、ベルギー軍のComblain M1870 歩兵銃やComblain M1871 騎兵銃を設計した発明家としても有名です。 H. Comblainはいくつものルフォーショー・タイプの特許を取得しています。
本品はトリガーを引くとシリンダーが回転しながらハンマーが持ち上がり撃発するダブル・アクションの他、ハンマーを指で起こしてコックしてからトリガーを引いて撃発するシングル・アクションの2つの方式で作動します。 装弾数は6発で、銃身はストレートな形状のオクタゴン・バレルとなっています。 独立したリア・サイトは備えておらず、ハンマー先端にリア・サイトとして用いる為のVノッチを備えています。 口径が11mmと大口径で、グリップ下端には落下/紛失防止のランヤード (吊り紐) を取り付ける為のリングを備えている事から、軍用としての使用を想定していたと考えられます。
ルフォーショー リボルバーはバリエーションが豊富で、アメリカ製リボルバーよりも手頃な価格帯のため、コレクションとしても魅力的な分野です。 ピンファイア式は、日本では「カニ目打ち式」と呼ばれ、最も初期の金属薬莢を使用する発火方式の銃です。 パーカッション (管打ち式) に比べて、装薬や弾頭、雷管が脱落する恐れがないという長所がありました。 シリンダーはセンター・ファイア式のように完全に前から後ろまで貫通した後装式ですが、旧式の金属薬莢を使用し、現代の実包は使用できないため、現代銃に近い構造を持ちながらも、国内では古式銃として合法的に所持が可能です。 弊社では真鍮削り出しの無垢 (弾頭と薬莢が一体型) で作った「ルフォーショー ピンファイア 11mm ダミーカート 【A12248】」を一発2,200円で販売しています。(MM)
【本個体の説明】
本品の銃身基部左側面のヨークに相当する部分には、「COMBLAIN BREVETE」のComblainのパテント刻印が確認出来、その反対面には王冠の下にNの文字を組み合わせたリエージュの検査官刻印が確認出来ます。 また、シリンダーにも同様に王冠の下にNの文字を組み合わせた刻印が入っている他、楕円形の中に「ELG」の文字が打たれたリェージュのプルーフ・ハウス刻印も確認出来ます。 また、シリンダー下部付近のフレーム右側面にはシリアルNo.3490が確認出来ます。
本品の銃身上面には「壬申八五二 磐前縣」の刻印が確認出来ます。 「壬申刻印」とは古式銃の一種の戸籍番号に相当します。 明治4年に明治陸軍は主力小銃の統一化を図る為、旧藩に残る銃砲の種類、挺数の把握が急務となりました。 翌明治5年 (1872年、壬申) 1月から、太政官布告第28号第五則の「銃砲取締規則」によって、私蔵されていた銃砲の「我が国初の管理統制」が始まりました。 廃藩時に旧藩は旧家臣に軍用銃を下付した事例が多く見られ、旧士族の家には一挺の軍用銃があったとも言われています。 それらの銃はその後市中に大量に出回り私蔵されていました。 銃砲取締規則ではこれらの私蔵されていた銃砲について、管轄庁 (東京と大阪は武庫司) に持参して改刻印式によって番号、官印を受ける (これが明治5年度であれば壬申刻印と番号) 事が義務付けられました。 同時に管轄庁は同人名と番号を管轄鎮台に届け出て、鎮台より武庫司にそれらが提出される仕組みになっていました。 この調査は明治20年代頃まで銃砲調査が行われましたが、明治5年 (1872年=壬申) の調査が最も大々的に行われ、今日この種類の刻印の内90-95%が壬申の年に行われた事から、古式銃に打たれた漢字の刻印をまとめて「壬申刻印」と呼ばれています。 磐前県(いわさき)は明治4年11月29日(新暦1872年1月9日)~明治9年(1876年)8月21日まで存在した県で、範囲は現在の福島県の東部太平洋沿岸(浜通り)地域と概ね一致する位置にありました。
本品は古式銃としては非常に良好な状態が保たれており、銃身やフレーム、シリンダーといった金属部は若干の小傷や擦れ、表面錆痕を除いて目立った欠損等は見られません。 オリジナルの木製 (ウォールナット製) グリップについても、若干の打ち傷や擦れを除いて現状目立った割れや欠けなどは見られず、緻密なチェッカリングもほぼ完全に残っています。 銃身とフレームの取り付けについては、現状に目立ったはガタツキは全く見られません。 作動についてはシングル/ダブル・アクションともに完全で、ハンマーのコッキングやシリンダーの回転についても正常です。 尚、シングル・アクション時には、ハンマーを起こした状態でトリガーを軽く引くと、ハンマーが僅かに前進した状態で停止し、この状態でトリガーを完全に引き切るとハンマーが僅かに後退してから落ちる、独特の作動方式となっています。 この機構により、シングル・アクションの際、ハンマーに指を添えながらハンマー・ダウン操作を行うと、ハンマーが正常に落ちない場合がありますが、故障ではありません。 ハンマーが起きた状態で誤ってトリガーを少し引いてしまった際にも、トリガーを完全に引ききらなければハンマーは落ちないため、一種の安全対策と思われます。 銃身は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、銃身内の錆等は殆ど見られず、ライフリングも深くはっきりと確認出来ます。
11mm口径ダミー薬莢対応品 (11mm口径のダミー薬莢がシリンダーに装填出来るのを確認しております)。 シリンダーに6発装填した状態で問題なく作動する事を確認済みです。 近世に作られたものですが、桐箱が付属します。 昭和48年の登録証ですが、発見時からの書類一式が揃った、伝来の判る歴史的価値の高い生 (ウブ) な品です。 (TK)(MM)(KK)
【登録証情報】
(種別: ピン打式銃砲、全長: 29.0cm、銃身長: 18.7m、口径: 1.2cm、銘文: 無銘)
【その他の情報】
昭和48年5月23日に宮城県教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
- 詳細画像










