- 国名:アメリカ合衆国
時代:冷戦期
種類:狙撃銃
- 【M1D 狙撃銃 について】
M1D 狙撃銃は、M1ガーランド ライフルにスコープを取り付けたスナイパー・モデルです。 ベースとなったM1ライフルは1936年にアメリカ軍に採用された自動小銃で、開発者ジョン・ガーランドの名前を取ってガーランド ライフルと呼ばれました。 M1ライフルの生産は1937年より始まりましたが、量産体制が整ったのは1940年頃からでした。 しかしながら、1945年の大戦終了までに400万挺以上作られ、その後朝鮮戦争で生産を再開し更に200万挺作られました。 特殊な装弾子 (クリップ) を使用するため弾の補充が難しいなどの欠点を指摘されますが、他国が主にボルトアクション式小銃を使用していた時代には画期的な自動小銃でした。
M1C狙撃銃はM1ガーランド小銃のレシーバー左側面に直接スコープ・マウントをネジ止めにより固定しており、装着されるスコープはM81/82と呼ばれるその後のM1DのM84スコープとは異なるタイプが使用されました。 M1C狙撃銃は第二次世界大戦中にSpringfield造兵廠だけで7,971挺製造されましたが、終戦までに実戦部隊へ配備されなかった為、大戦中には戦場における試験 (Battle Test) を行う事ができませんでした。 その後勃発した朝鮮戦争ではM1Cは米陸軍の標準狙撃銃として配備され、朝鮮戦争中に追加で4,796挺が生産され、実戦使用により最大有効射程が600ヤード (約550m) で、450ヤード (約400m) から600ヤード (約550m) の距離でもある程度信頼できる性能がある事が証明されました。 しかしながら、2,5倍のスコープでは600ヤード (550m) の最大有効射程を得るには、マッチ・ターゲット弾を使用しなければ難しかったと言われています。 1950年代には、M1Cの後継狙撃銃としてM1Dが開発され、M1Cが抱えていたスコープ・マウントの取り付け方法に関する問題が解決されました。 M1DはM1Cに比べ生産数が多く、21,380挺生産されたと記録されています。 M1C狙撃銃は1960年中頃のベトナム戦争勃発時まで制式狙撃銃として使用されました。 また、米国海兵隊ではM1Cに独自のStith-Kollmorgen社製の4倍スコープであるModel 4XD-USMCスコープを標準装備し、1951年に制式採用しました。 この海兵隊モデルは、USMC 1952狙撃銃もしくはMC52狙撃銃としても知られています。 このMC52狙撃銃は朝鮮戦争 (1951-53年) では極限られた挺数が使用されただけでしたが、ベトナム戦争の初期まで米海兵隊の装備として残されました。 M1CとM1Dはベトナム戦争でその任務を終え、海兵隊ではレミントンM40を採用し、その後陸軍もM14の狙撃銃モデルであるM21狙撃銃を採用しました。 (KK)
【本個体の説明】
本品はスプリングフィールド造兵廠製で、レシーバー後端上面にはシリアルNo.の他、「U.S. RIFLE CAL. .30 M1」のモデル名刻印及び「SPRINGFIELD ARMORY」のメーカー刻印が入っています。 本品はシリアルNo.から1942年7月に製造された個体である事が窺えます。 トリガー・ハウジングは「D28290-12-SA」の刻印が入った大戦中のスプリングフィールド造兵廠製、ボルトは「D28287-12SA」の刻印が入った大戦中のスプリングフィールド社製、オペレーティング・ロッドは「D35382 SA」の刻印が入った戦後のスプリングフィールド造兵廠製で、トリガー・ガードは削り出し製となっています。 ガス・シリンダーはワイド・ベース・タイプ、ガス・シリンダー・ロック・スクリューは溝が十字のポペット・タイプが付いています。 リア・サイトについては、T105と呼ばれる戦後タイプで、エレベーション・ノブは戦後製、ウィンデージ・ノブについても「BME」の刻印が入ったBruce Machine & Engineering Co.製の戦後型となっています。 銃床の銃把前部には米軍の「P」のプルーフ刻印が確認出来る他、銃把下部に「57」の番号が入っています。 本品にはT37 フラッシュ・ハイダーが取り付けられています。
本品の銃身や機関部といった金属部は、やや小傷や擦れ、一部表面錆痕が見られる他、内部に若干の朽ち込み痕が見受けられますが、全体としては大きな欠損等は見られず、比較的良好な状態が保たれています。 木製銃床やハンドガードについても、若干の打ち傷や線傷は散見されるものの、目立った破損等は見られず、概ね良好な状態が保たれています。 尚、銃床はハンドガードに比べてやや明るい色合いとなっています。 バット・プレート部については、若干の打ち傷を除いて目立った変形等は見られず、銃床への取り付けもがたつきもなくしっかりとしています。 ストック内コンパートメントの蓋の開閉やリア・サイトのウィンデージ及びエレベーション調整については問題なく行う事が可能です。 セーフティの切り替えについても問題なく、安全位置でトリガーがロックされます。
付属のM84スコープは、外装にやや小傷や表面錆が見られるものの、視野内は僅かな塵が見られる程度でクリアな視界が保たれており、レティクルもはっきりと確認出来ます。 ラバー・アイ・ピースについても、現状目立った劣化等は見られません。 銃本体のマウントへのスコープの着脱についても問題なく行う事が可能です。 尚、スコープにはモデル名やシリアルNo.の入ったプレートは取り付けられていません。 復刻品の革製チーク・パッドには目立ったダメージ等も見られず、良好な状態が保たれています。
トリガーテンションの有る、ボルトが閉じた状態で固定された旧加工品です。 (KK)
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