- 国名:フランス
種類:連発式拳銃
備考:松本零士先生旧蔵品
- 【ル・マット リボルバー 2nd Model 初期型 について】
ル・マット リボルバー(LeMat Revolver)は、アメリカのニューオーリンズで医師をしていたジャン・アレクサンドル・ル・マット (Jean Alexandre Francois LeMat 1821年-1895年) が発明した回転式拳銃です。 1856年10月21日にはアメリカ合衆国の特許#15925を取得しましたが、米国南部の工業化の遅れの為、米国国内で量産化は出来ず、主にベルギー・リエージュやフランス・パリで生産されました。 1861年-1865年にかけて行われた南北戦争においてアメリカ連合国陸軍 (南軍) が制式採用して約2,500挺が使用されました。
拳銃弾の他に散弾も発射可能な複合弾薬が使えるコンビネーションガンの一種であり、最大の特徴は回転弾倉中央のシリンダー軸が散弾のバレルとなっている点です。
中央のバレルには16番ゲージの散弾が納められており、撃鉄のファイアリングピンを上下に選択 (切替) する事で拳銃弾と散弾を撃ち分けることが可能で、9連発の装弾数と合わせて当時としては破格の火力を発揮できました。
1859年にル・マットの後援者であった当時は米国合衆国陸軍のボウリガード少佐とパートナーシップを結んで合衆国陸軍に本格的にリボルバーの販売を試みましたが、工業の発達した米国北部が本拠地である合衆国陸軍には採用されませんでした。 ボウリガードはルイジアナ州が合衆国を脱退した為、新設されたアメリカ連合国軍 (南軍) に加わりました。 そこで兵器の生産地を合衆国軍に押さえられて兵器不足に悩むアメリカ連合国軍と約5,000挺の契約を結ぶ事に成功しました。 南北戦争が勃発して約900挺が南軍陸軍、600挺が南軍海軍に納品されました。 これらはアメリカで生産されずに、イギリスを経て南部に輸入されました。 しかしながら、1865年の南北戦争終戦とともに量産が中断されました。
尚、管打式のル・マット リボルバーは、製造時期によって大きく下記の3種類に分類されます。
1st モデル
1861~1863年頃にベルギー・リエージュのCharles Girard社で約400~500挺が製造。 銃身前半がラウンド形状、後半がオクタゴン形状となっているのが外観上の特徴です。 トリガー・ガードには指掛け (スパー) が付き、ローディング・レバーは右側に備えられていました。 1st モデルはほぼ全てが南軍との契約に基づき輸出されたと考えられています。
過渡期 (Transition) モデル
1st モデルと同じCharles Girard社製ですが、製造はベルギーではなくフランス・パリで、約500挺が生産されました。 2nd モデルに移行する過程で1st モデルの余剰部品を活用して生産されたため、1st モデルと2nd モデル双方の特徴を併せ持っています。
2nd モデル
1863~1865年頃にパリのCharles Girard社で約2,000挺、ロンドンのAston Brothers社で約1,000挺が製造。 銃身はオクタゴン・バレルで、トリガー・ガードのスパーは廃止。 ローディング・レバーは左側に移されました。 本個体も、この2nd モデルの特徴を備えています。
ル・マットは拳銃以外にもリボルビング・ライフルも少数製造され、その内の1挺が幕末の日本へ輸入され靖国神社に所蔵されており、本品のような拳銃型と合わせて2挺のル・マットが国内で確認されています。 ル・マット拳銃としては国内唯一の品と思われます。 (MM)(KK)
【本個体の説明】
全体的にオリジナル・ブルーが残った上に、新たにプロによるマッチした仕上げが施された新品のような仕上がりです。 国内にある唯一のル・マット拳銃としはそれ以外の個体説明が不要な素晴らしい一挺です。 銃身の上に「Col. Lemat Bte s.g.d.g. Paris」の刻印とフレーム右側面前部に「948」のシリアル No.及び星とLMの文字を組み合わせた刻印が入っています。 木製グリップについても、若干の打ち傷や線傷の他、左側面の取付基部に一部ヘアライン・クラックが見られるものの、現状大きな破損等は見られず、取り付けについても目立ったがたつき等は見られません。
作動については完全で、ハンマーのハーフ/フル・コックはしっかりと掛かり、シリンダーも正常に回転します。 フル・コック位置でトリガーを引くと、ハンマーがスムーズかつ力強く落ちます。 また、特徴的なハンマー先端の切り替えについても問題なく行う事が可能です。 銃身内はいずれも銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、やや表面錆は見られるものの拳銃側の銃身内のライフリングについても概ねはっきりと確認出来ます。 シリンダーの着脱についても問題なく、シリンダーのパーカッション・ニップルについても、現状目立った変形や欠け等は見受けられません。 ローディング・レバーの操作についてもスムーズに行う事が可能です。
本品は漫画家の松本零士先生の旧蔵品です。 日本国内の個人コレクションでル・マット拳銃を所蔵している方はおられないので、松本先生のコレクションにある事を期待していたところ、最後の放出で本品がありました。 「ある所にはあるものだ」と感心させられた一挺です。 松本先生の全コレクションが出たことから恐らく弊社で本品を扱うのは本銃が最初で最後でしょう。 (MM)(KK)
【登録証情報】
(種別: 管打ち式銃砲、全長: 33.2cm、銃身長: 16.8cm、口径: 1.05cm、銘文: Cal Demat B s.g.d.g Paris)
【その他の情報】
令和5年8月10日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 漫画家の松本零士先生の旧蔵品です。 無可動実銃ではありません。古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
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