- 商品番号:9421
国名:スイス
時代:第一次大戦
種類:ボルト・アクション
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【シュミット・ルビン K11 騎兵銃 について】
新型のGP11弾採用に合わせて、シュミット・ルビン IG11 歩兵銃と共に1911年にスイス軍制式となり、ベルン造兵廠で生産された、ストレート・プル式のボルト・アクション・ライフルです。
ベテェーリ小銃の後継として1889年にスイス軍の制式となったシュミット・ルビン小銃は、シュミット大佐 (銃担当) が設計した機関部と、ルビン大佐 (弾薬担当) が開発した専用の弾薬を組み合わせた独自のシステムを採用するストレート・プル式ボルト・アクション・ライフルです。 最大の特徴であるストレート・プル方式は、同じ方式を採用するオーストリアのマンリッヒャー方式とは異なり、ボルト・ハンドルを直線的に前後させるだけで、ボルト・スリーブ内のボルト部分のみが90度回転して閉鎖と開放を行う独特な構造になっています。
最初のモデルである IG89 (M1889) 小銃 では、本体下部から大きく突出した着脱式の箱型弾倉 (マガジン) 内に7,5mm×53,5 GP90弾を12発装填可能でした。 このGP90弾の弾頭は、先端に鉄製被帽を備えた鉛製であり、銃身内への鉛の付着防止やガスの密閉性を高める目的から、弾頭の鉛露出部が保護用の紙パッチで巻かれていました。 弾倉は着脱が可能でしたが、実際の装填操作は主に機関部上部からクリップを使用して行われました。 また、弾倉の右側面には多機能な切り替えレバーが設けられており、レバーを下げた状態では弾倉からの給弾が停止されるマガジン・カットオフ機能として作動しました。 さらに、このレバーを内側に押し込みながら下方に押し下げることで、弾倉自体の取り外しが可能となる構造でした。
その後、IG89 小銃の後継モデルとしてIG89/96 (M1889/96) 小銃が開発されました。 このモデルは、ロッキング・ラグの配置をボルト・スリーブの後部から前部へと移した点が最大の特徴であり、これによりレシーバーの全長が若干短縮されたほか、ボルトおよびレシーバーがより高い圧力に耐えられるようになりました。 この前部ロッキング・ラグへの改良は、当初シュミット大佐によりIG89 小銃をベースに行うことは不可能であるとして却下されましたが、その後フォーゲルスガング大佐および彼の助手であるレブホルツにより研究が進められ、1896年にスイス軍の制式歩兵銃となりました。
1911年にスイス軍が新型のGP11弾を採用したことに伴い、この高圧な新型弾薬の運用に対応できるよう既存のIG89/96 小銃をベースとして開発されたのがIG96/11 (M1896/11) 及びIG11 (M1911) 小銃です。 試験の結果、IG89/96の銃身のままでは薬室が広すぎて、尖頭弾に対する精度が出ない事が判明し、適合する薬室を備えた新しい銃身への交換が改修内容の中心となりました。 新型の高圧弾薬 (のちのGP11) を運用するにあたり、1907年~1908年にかけて、まずは既存のIG89/96に新しい銃身やピストル・グリップを組み込んだ試作銃が開発され、この試作中はModell 1889/1908あるいはOrd. 89/08と呼ばれました。 この試作銃を用いて部隊試験を重ねた結果、弾道特性や戦闘能力の向上が確認され、1911年11月には軍により、既存のIG89/96からの改修型にGewehr 96/11 (IG96/11)、新規製造したモデルにGewehr 11 (IG11) の制式名称が与えられました。 その後、1912年9月にベルン造兵廠にて、「IG89/96からIG96/11への改造」と「IG11の新規製造」が同時に開始されました。 尚、シュミット・ルビン 小銃の最初のモデルであるIG89 (M1889) は、ガス圧の高い新型のGP11弾に耐えられなかったため、IG11仕様への改修は見送られました。
IG96/11及びIG11では、銃身のライフリングが3条から4条へと変更されたほか、リア・サイトもGP11弾の特性に合わせたより近代的なタイプへと変更されました。 外観上の大きな特徴としては、IG89/11では銃床の銃把下部に木材を継ぎ足してピストル・グリップを形成しており、後付けされた木材の継ぎ目が明確に確認できる点が挙げられますが、IG11では銃床が当初からピストル・グリップ付きとして新規に製造されているため、木材の継ぎ目は一切見られません。 バット・プレートについても、IG96/11ではベースとなったIG89/96に装備されていた、やや丸みを帯びた古いタイプがそのまま残されているケースが多く見られますが、IG11ではバット・プレート側面に反りのない、フラットな形状のタイプが当初から採用されています。 また、IG89系小銃の銃床下部から大きく飛び出していた12発用弾倉は6発用の小型なものへと改良され、銃床からの突出量が抑えられたことで操作性が向上しました。 この新型弾倉は、IG89系小銃の物に比べて遥かに容易に着脱が可能となっています。 なお、これらの近代化に伴い、IG89 小銃で装備されていたマガジン・カットオフ機能は完全に廃止されました。
シュミット・ルビン K11 (M1911) 騎兵銃は、IG11 歩兵銃の開発と並行して、不評であったマンリッヒャー M1893など、従来運用されていた雑多な旧式騎兵銃や短小銃を整理・統合する目的で設計されました。 新弾薬であるGP11の採用に伴い、マズル・フラッシュを効果的に低減できる許容最小限の長さとして、銃身長は592mmに設定され、各部隊でバラバラだった兵器の仕様や携行方法が一本化されました。 リア・サイトの目盛は、IG11 歩兵銃では最大2,000mまで設けられていましたが、銃身短縮に伴う弾道の変化に合わせて、K11 騎兵銃では最大1,500mまでに変更されています。
本銃は騎兵部隊だけでなく、歩兵、砲兵、工兵、要塞部隊など幅広い部門で「統一騎兵銃」として共通運用されました。 連邦兵器廠 (W+F) で約18,5万挺が新規製造されたほか、旧型の騎兵銃や短小銃から約2,6万挺がK11仕様へと改修されています。 さらに、その後のK31 小銃の予備試験にあたっては、1924年と1926年に本銃の銃身や銃床を太くした試作型が製造されるなど、次世代小銃の開発において直接的な礎となりました。【本個体の説明】
約100年以上前に制式となり、生産後も一世紀を経た銃と考えれば非常に程度の良い品です。 スイス軍用小銃独特の良質な金属部分は、角の部分等の一部に擦れによって金属の地肌が見えている箇所や若干の打ち傷、経年による褪色は見受けられるものの、オリジナルのブルー仕上げが大部分に残っており、良好な状態が保たれています。 各部に施された刻印についても明瞭に残っています。 本品のシリアルNo.はレシーバー、ボルト、トリガー、フロント・サイト・ベース、マガジンで一致しています。 木部についても若干の打ち傷や擦れは散見されるものの、目立った破損等は見受けられず、艶の有る美しい仕上げが全体に残った良好な状態が保たれています。 ハンドガード後部には、約3cm程のヘアライン・クラックが発生していますが、現状強度に影響は少ないものと思われます。ハンドガードとストックの色味についてもマッチしており、コンディションも揃っています。 ハンドガードの取り付にはがたつき等は見られません。 ボルト・ハンドルに取り付けられている樹脂製のコッキング・ピースに経年によるクラックが見受けられます。 痛み易いバット・プレート部については、若干の打ち傷や表面錆痕は見受けられるものの、目立った朽ち込みや変形等は見られず、銃床への取り付けもがたつきもなくしっかりとしています。
総じてスイス製らしい精緻な造りの大変美しい一挺です。 リア・サイトの調整やマガジンの着脱については問題なく行う事が可能です。 尚、マガジン・スプリングは入っていません。
トリガーテンションの有る、ボルトが閉じた状態で固定された旧加工品です。 (NI)
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