- 国名:日本
種類:中筒/大筒
- 【火縄銃 十二匁肥前中筒 (銃砲刀剣類登録証付古式銃、無銘)について】
本品は口径が十二匁(約21mm)、全長が1,060mm、銃身長662mm、重量6,40kgの大型の中筒の火縄銃で、抱きかかえるようにして射撃をしました。 軍用の中筒は6匁筒 (15,8mm)~10匁筒 (18,7mm) 前後で、それ以上は大筒と呼ばれる事もあります。 大筒の定義は定かではありませんが、抱えて射撃の不可能な50匁筒 (33mm) 以上の品を通常は大筒と呼ぶようです。 本品はその重量から大筒と勘違いする程の立派な品です。名称を「肥前中筒」としましたが、確定できる根拠は少ないです。
本品の筒 (銃身) は後方に向かって緩やかに広がった形状の丸銃身です。 銃身前部の最も細い部分の外径は32mmで、後部の最も太い部分の外径は約42mmになっています。 銃身には銀象嵌と思われる線が二本入っているますが何を意匠化したものか全く解りません。 銃口部には丸柑子が設けられています。 先目当は片富士形、元目当は千切透かしとなっています。 銃身は目釘を使用しない台締金だけにより銃床に固定されています。 台 (銃床) は全体に目立った装飾の見られない、質実剛健な作りとなっています。 台の前方(先台)下部は通常は平に仕上げられていますが、丸みを帯びた形状になっています。 これも西日本、特に九州地方で稀に見る特徴です。台の下の木の合わせ目(背割)は肥前筒ではないものが多く、本品も合わせ目はありません。 カラクリは内カラクリ (蟹目カラクリ) で、カラクリの地板や火挟、胴金、火蓋、雨覆、引金は真鍮製となっています。 雨覆は楔を用いない、上から組み合わせる方法で取り付けてあります。 台尻部分は後方に向かって緩やかに絞り込まれた形状となっています。 引金には用心金は設けられておらず、引金後方の銃床下部には強度を増すためのナマコ金 (力金) と呼ばれる真鍮製の部品が取り付けられています。 台カブには矢倉鋲を含む鋲を差込む穴が一切ありません。カラクリは一般的な火縄銃のような鋲による固定ではなく、鋲が表に出ない特殊な方法で固定される構造となっています。
カラクリの外し方は下記の通りです。
?? 胴金を外してカラクリ地板の前部の固定を解除する。
?? 内部にバネを仕込んだナマコ金を下部に引っ張って外します。
?? ナマコ金で隠れた部分(引金の後部)に鋲を抜く。鋲は先端が引っ掛かるように曲っており、抜き易くなっています。
?? ??で抜いた鋲一本で地板後部が固定されているので、地板を慎重に動かす事によって地板が外れます。
台カブの左右側面には真鍮製の分銅型の飾り金具が配されています。台カブの下部前方に朱文字で比較的大きく「後機左」と読めるの文字がありますが、意味は分かりませんので「後機左」ではないかもしれません。 胴金上部に鏨で「 六」の数字があります。 銃身を外した台の内側に「ム」の刻印があります。(MM)
【本個体の説明】
本品の筒 (銃身) を含む鉄部は黒錆に覆われていますが、これは当時の日本における防錆方法であった錆付けによるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 銃身には一部表面錆や鉄の地肌が表れている箇所が見られますが、柑子部分以外は大きな欠損等は見られず、比較的良好な状態が保たれています。 柑子部分は一時的に地中に埋まっていたのか、他の部分が比較的程度が良いのに対してかなり深い錆に覆われています。 柑子部分だけを見るとかなり状態が悪いと言えます。 また口径については銃口を含む柑子部分 全体が朽込でいますので、口径は実際の大きさより小さい(十匁位)と思われます。
台 (銃床) については、若干の打ち傷や線傷が散見され、胴金周辺の一部にヘアライン・クラックが見られるものの、全体としては大きな欠損等もみられず、概ね良好な状態が保たれています。 カラクリの地板や火挟、胴金、火蓋、雨覆、胴締金、ナマコ金、引金、芝引金などの真鍮部については十分時代が付いたオリジナル状態のままです。 カラクリの作動については完全で、火挟を起こした際のロックはしっかりと掛かり、引金を引くと火挟が力強く落ちます。 火蓋の開閉についても問題なく行う事が可能です。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 尚、尾栓は現状固着しており取り外しは出来なくなっています。 木製のかるか (さく杖) が付属致します。
柑子部分の状態が悪いのが惜しまれますが、表に出る鋲は一切なく、隠された鋲一本だけでカラクリが地板丸ごと外れる特殊な構造は資料的価値の高いものです。 無銘ですので生産地の特定は出来ませんが、台の下の背割は薩摩筒を始め、一部の肥前筒ではないものがありますので九州地域の作ではないでしょうか?(MM)
【その他の情報】
令和5年1月25日に佐賀県教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
- 詳細画像




