- 国名:アメリカ合衆国
時代:冷戦期
種類:自動小銃
- 【M16A1 カービン (モデル653) について】
1970年代初頭から開発が進められたM16A1 自動小銃をベースとしたカービン・モデルの一種です。 本品は銃身を14,5インチまで短縮し、伸縮式のストックを取り付けたモデルで、コルト社内でのモデル・ナンバー653です。 M4 カービン登場以前に製造された本品のようなM16 ベースのカービン・モデルは「CAR-15」と総称されます。
M16A1 カービン (モデル653) のベースとなったM16A1 自動小銃は、米国アーマライト社のユージン・ストーナーが設計し、コルト社が製造を行って1962年に米空軍が採用したM16 (コルト社内モデル名AR-15・M601) の改良型です。
1950年代以降、第一次・第二次世界大戦で蓄積された膨大な戦闘報告書を基にした、戦場における小銃の殺傷能力に関する米英の共同研究により、従来の遠距離からの一撃必中を基本とした戦法よりも、軽量で兵士一人が大量に携行可能な小口径弾を高速で連射した方が効率的であるという理論が確立されました。 この条件を満たす自動小銃の研究開発が各社で開始され、殆どの案が従来型ライフルの域に留まる中、ユージン・ストーナー設計によるアルミ合金や強化樹脂を多用したAR-15自動小銃がその軽量さと連射時の操作性で注目を集めました。 AR-15は1962年に米空軍においてM16として採用されましたが、陸軍でも採用が検討され、M601に改良を加えた仮制式モデルであるXM16E1 (陸軍向けM602) が1965年からベトナムで実戦投入されました。 ベトナムでの実戦経験を踏まえてXM16E1には部分改良が加えられ、1967年2月にM16A1の陸軍制式名が与えられて採用されました。 M16A1 (コルト社内モデル名M603) は、仮制式モデルであるXM16E1 (陸軍向けM602) と同様にボルト・フォワード・アシストを備えており、マガジンから薬室への装填不良が発生した際にもボルトを手動で前進させる事が可能となっています。 M16A1ではマガジン・リリース・ボタンの誤操作を防ぐ為のリブが追加された他、ボルトを始め内部部品が強化されました。 また、薬室内のクロム鍍金処理に加え、銃と一緒にクリーニング・キットと漫画形式の取扱説明書が配給されるようになって、ようやく駄作銃の汚名を払拭するに至り、その後に続くアメリカ軍主力小銃の基本となりました。 M16A1はベトナム戦争拡大に伴う大量の需要に応える為、コルト社以外にもゼネラル・モータースのハイドラ・マチック・ディビジョン及びハーリントン&リチャードソン社でも生産が行われました。 また、輸出向けとしても大量に生産され、これらの輸出向けM16A1にはM613のコルト社内モデル名が与えられました。 M16A1はその後のM16A2やM4カービンといった発展型の開発に繋がる基礎となりました。
M16A1 カービン (モデル653) はボルト・フォワード・アシストの付いたM16A1タイプのレシーバーをベースに、2ポジションの伸縮ストックやXM177と同様の短い円筒型ハンドガードを備えています。 14,5インチの銃身はM16A1 自動小銃と同様にライフリング・ツイスト・レートが1:12の.223レミントン弾に対応した物で、着剣装置とバード・ケージ・タイプのフラッシュ・サプレッサーを備えています。 同時期に開発されたM16A1 カービンとしては他に、ボルト・フォワード・アシストを備えストックが固定式のモデル651、ボルト・フォワード・アシストがなくストックが固定式のモデル652、ボルト・フォワード・アシストがなくストックが伸縮式のモデル654が存在しますが、米軍によりまとまった挺数が調達されたのはモデル653のみでした。 また、マレーシア軍やフィリピン軍も特殊部隊や治安部隊向けとしてモデル653を少数調達しました。
【本ロットの説明】
本ロットはいずれもオリジナルのコルト製で、14,5インチ銃身とボルト・フォワード・アシスト、コーティングが施されたアルミ製の2ポジション伸縮式ストックを備えたM16A1 カービン (モデル653) です。 民間用モデルではないため、セレクターにはフル・オートマチック射撃用のポジションが設けられています。 マガジン・ハウジングにはコルト社のロゴに加えて「COLT M16A1」のモデル名や「CAL. 5.56 MM.」の口径表示刻印が入っています。 また、ロア・レシーバー左側面には[COLT'S FIREARMS DIVISION COLT INDUSTRIES HARTFORD, CONN. U.S.A.」のコルト社のメーカー・アドレス刻印も打刻されています。
本ロットはいずれも適度な使用感が見受けられ、金属部はやや打ち傷や擦れの他、一部に仕上げが落ちて金属の地肌が表れている箇所が見られるものの、目立った欠損等は見られず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 ハンドガードやグリップといった樹脂部についても、やや打ち傷や擦れ、若干の摩耗が見られる場合がございますが、こちらも現状大きな破損等は見られません。 ストックは一部コーティングの剥落が見られる場合がございますが、いずれもそれほど気にならないレベルのものです。 リア・サイトの切り替えやマガジンの着脱、ストックの伸縮操作については問題なく行う事が可能です。 尚、マガジンは一部が固定されています。
ボルトが開いた状態で固定された新加工品です。 (KK)
【その他の情報】
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