国名:日本
種類:中筒/大筒

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火縄銃 尾張十二匁中筒 昇龍図色絵象嵌入 (銃砲刀剣類登録証付古式銃、壬申 八百九十六番 額田縣)(徳)

¥715,000
商品番号
7522
発売日
2021/05/17
取扱店舗
東京店
在庫
1
英名
Japanese Large-caliber Matchlock Gun
国名
日本
全長
975mm
口径
20mm(実測20mm)
【火縄銃 尾張十二匁中筒 (昇龍図象嵌入、壬申 八百九十六番 額田縣) について】
本品は口径が20mm (十二匁)、重量約7,3kgの中筒の中でも大型の重量がある十二匁の軍用中筒です。
軍用の中筒は一般に6匁筒 (15,8mm)~10匁筒 (18,7mm) 前後で、それ以上は大筒と呼ばれる事もあります。 大筒の定義は定かではありませんが、抱えて射撃の不可能な50匁筒 (33mm) 以上の品を通常は大筒と呼ぶようです。
本品の筒 (銃身) は後方に向かって広がった丸銃身で、その上面だけを平らにした「表一角」と呼ばれる形状となっており、銃口部には筋立ての施された八角柑子が設けられています。柑子の後ろに約2cmの化粧鑢の帯が施されているのは初めて見ました。 化粧鑢の帯の後ろに玉縁が施されています。 本品の先目当は杉形、元目当は筋割となっており、筒 (銃身) の上面には精緻な昇龍と宝珠の図が見事な高象嵌で立体的に施されています。 龍本体は真鍮で、爪、髭、目、そして宝珠は銀象嵌、宝珠の炎は銅象嵌を用いた色絵象嵌の技術も使われています。銃身は台 (銃床) に対して3箇所の目釘により固定される構造となっています。 カラクリは蟹の目ナキ内カラクリで、カラクリの地板金や胴金、雨覆、火蓋といった部品は真鍮製となっており、火蓋の前方は丸ではなく角形で仕上げられているのも珍しい凝った作りです。火挟は鉄製となっており、火挟の軸部分(横鋲)に桜花が象られており、基部後方が植物の葉を象った形状となっているなど凝った作りとなっています。これらは全て鉄製です。 引金には用心金は設けられておらず、引金後方の銃床下部の銃把部分にナマコ金と呼ばれる強度を増すための真鍮製の部品が取り付けられています。 (KK)

【本個体の説明】
本品の銃身を含む鉄部は黒錆に覆われていますが、これは当時の日本における防錆方法であった錆付けによるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 非常に鉄味の良い筒 (銃身) には若干の表面錆痕が見受けられ、火皿下部の一部(外からは見えない部分)に鉄部表面の剥落が見受けられますが、それ以外には大きな欠損は見受けられず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 銃身表面の昇龍図象嵌については目立った剥落等は見受けられず、良好に残っています。 銃身下部の目釘金具と銃床の目釘金具の位置は3箇所とも一致しています。 尚、目釘は付属しておりません。 胴金後方の台 (銃床) 側面にはやや薄くなっているものの「壬申 八百九十六番」及び「額田縣」と読める刻印が入っています。
「壬申刻印」とは古式銃の一種の戸籍番号になります。 明治4年に明治陸軍は主力小銃の統一化を図る為、旧藩に残る銃砲の種類、挺数の把握が急務となりました。 翌明治5年 (1872年、壬申) 1月から、太政官布告第28号第五則の「銃砲取締規則」によって、私蔵されていた銃砲の「我が国初の管理統制」が始まりました。 廃藩時に旧藩は旧家臣に軍用銃を下付した事例が多く見られ、旧士族の家には一挺の軍用銃があったとも言われています。 それらの銃はその後市中に大量に出回り私蔵されていました。 銃砲取締規則ではこれらの私蔵されていた銃砲について、管轄庁 (東京と大阪は武庫司) に持参して改刻印式によって番号、官印を受ける (これが明治5年度であれば壬申刻印と番号) 事が義務付けられました。 同時に管轄庁は同人名と番号を管轄鎮台に届け出て、鎮台より武庫司にそれらが提出される仕組みになっていました。 この調査は明治20年代頃まで銃砲調査が行われましたが、明治5年 (1872年=壬申) の調査が最も大々的に行われ、今日この種類の刻印の内90-95%が壬申の年に行われた事から、古式銃に打たれた漢字の刻印をまとめて「壬申刻印」と呼ばれています。
本品の壬申刻印と共に入っている額田縣 (ぬかたけん) とは、明治4年 (1871年) 12月26日から明治5年 (1872年) 12月27日にかけて現在の愛知県東部 (三河国および尾張国南部) を範囲としていた県で、県庁は岡崎城に置かれていました。 本品は額田縣が存在した時期と壬申刻印が打刻された時期との整合性が取れており、明治5年当時に日本国内に現存していた事が証明出来る品です。 尾張地方の特徴がある訳ではありませんが、他にも額田縣刻印がある中筒も同じような形状をしていたので、刻印から尾張中筒と呼んでも良いでしょう。
台 (銃床) については全体にやや打ち傷が見受けられ、銃床前部のかるか取り付け穴周辺及びカラクリの地板金取り付け部後方の木部に若干の欠けが見られるものの、それ以外には大きな破損なども見受けられず、艶のある仕上げも大部分に残っています。 カラクリの地板金や胴金、雨覆、火蓋、ナマコ金といった真鍮部品は適度な時代感が付いた良い雰囲気となっています。 カラクリの作動はやや不安定で、火挟を起こした際のロックは問題なく掛かりますが、引金を引くと火挟が弱く落ちます。 銃身内は銃口から銃身後部まで抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 尚、尾栓は現状固着しており、取り外しはできなくなっています。 竹製のかるか (さく杖) が付属致します。高象嵌の昇龍と宝珠図、化粧鑢の帯、凝った火挟と見どころの多い高級な一品です。(KK)(MM)

【その他の情報】
平成25年6月5日に鳥取県教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。

古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械ものですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めします。 通信販売でのご購入を検討される方は、詳細画像を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
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