- 国名:イギリス
時代:冷戦期
種類:狙撃銃
- 【リー・エンフィールド No.4 Mk I/2 (T) 狙撃銃 について】
リー・エンフィールド No.4 小銃は、SMLE No.1小銃の改良型で、第二次世界大戦中期以降のイギリス軍主力小銃です。 ダンケルク撤退で小銃不足となった1941年から大量生産が開始されました。 リー・エンフィールド小銃はボルトのロッキング・ラグが同時期の他のボルト・アクション・ライフルと比較して後部に配置されていた為、ボルト・ストロークが短くなり、より短時間で連射する事が可能でした。 No.4 小銃のSMLE No.1小銃からの大きな改良点は、リア・サイトが機関部後部に移り、ストックより僅かに突出した銃身先端にスパイク・バヨネットを取り付けるようになった点です。
No.4 Mk 2は1949年より製造が始められたタイプで、トリガーの取り付け基部がトリガー・ガードからバット・ソケット側へと移された他、銃床がブナ材に変更され、バット・プレートが亜鉛製から再び真鍮製に戻されました。 No.4 Mk 2小銃の導入後、英軍は既存のNo.4 小銃をMk 2と同じ仕様に改修し、No.4 Mk Iからの改修型がNo.4 Mk I/2、No.4 Mk I*からの改修型がNo.4 Mk I/3と呼ばれました。 尚、大戦中の「No.4 Mk I」等はモデル名にローマ数字が使用されていましたが、1944年以降は「No.4 Mk 2」とアラビア数字に統一変更されました。
No.4 Mk 1 (T) は1942年に英軍に制式採用された狙撃銃で、No.4 Mk I小銃の中から精度の良い個体を選び、3.5倍率のNo.32スコープ及びその取り付け用ブラケットや木製チーク・ピースを取り付けたモデルです。 No.32スコープは、1942年に採用されたMk 1から1944年のMk 3まで各種バリエーションが存在します。 No.32 Mk 3はMk 1やMk 2と異なり、ウィンデージ・ノブ及びエレベーション・ノブの位置が前後にオフセットされていないのが外観上の特徴です。 尚、元々No.4 Mk I小銃のリア・サイトに設けられていたピープ・サイトは、スコープに干渉しないよう削り落とされています。 No.4 Mk I小銃から本銃への改修は、英国内では主にHolland & Holland社で行われた他、カナダのオンタリオ州ロング・ブランチにあったSmall Arms Limited及びCanadian Arsenals Limitedでも製造が行われ、それらの大半は英軍用として供給されました。 No.4 Mk I (T) 狙撃銃は、その後7,62mm×51 NATO弾を使用出来るように同銃を改修したL42A1狙撃銃が制式となった1970年代初頭まで第一線で使用されました。 約1,080挺のNo.4 Mk I (T) 及びNo. 4 Mk. I* (T) 狙撃銃がL42A1に改修されたと言われています。 (KK)
【本個体の説明】
本品のバット・ソケット左側面には「F.R. 1962 R.F.I」の刻印が見られる事から、英国で製造されたNo.4 MkI (T) 狙撃銃の銃本体を1962年にインド イシャポール造兵廠にてNo.4 MKI/2仕様に改修した事が判ります。 薬室上部にはシリアル#A0408Tとイシャポール造兵廠のプルーフ・マークが打刻されており、機関部左側面にはモデル名を示す「No4 MK.I/2」が打刻されています。 また、ストック基部にはブロード・アロー刻印及び英国のサブ・コントラクターSykes Ltd.を表す「S.L」の刻印が見られます。 シリアルNo.は機関部、ボルト・ハンドルでマッチしています。 付属のNo.32 Mk3サイト (スコープ) には、「TEL. STG. No.32 MK3 OS.2039A No 21168」の刻印及び英国ヨークのCooke, Troughton & Simms社を示す「CTS」のロゴの他、ブロード・アロー刻印が入っています。
本品は狙撃銃に改修されてから殆ど使用されていないものと思われ、黒色焼付塗装仕上げの金属部については、若干の小傷や擦れの他、ボルト・ハンドルなど一部に塗装の剥落が見られるものの、目立った欠損等は見受けられず、概ね良好な状態が保たれています。 木部についても同様にコンディションは良好で、ストック、フォア・エンド、ハンドガードといった各部の色合いもほぼ揃っています。 木部は保管に伴う若干の打ち傷やストックの角などに極小の殆ど気にならない程度の欠けが見られる他は、これ以上は望めない良好な状態が保たれています。 真鍮製のバット・プレートについても打ち傷や腐食等は殆ど見られず、ストック内コンパートメントの蓋の開閉も問題なく行う事が可能です。 付属のNo.32スコープは艶消しの黒色塗装仕上げとなっており、外装は傷なども最小限です。 視野内はやや曇りや塵の混入は見られますが、コンディションは概ね良好です。 銃本体への取り付けもスムーズで、ガタつき無くタイトに固定されます。 リア・サイトの起倒・調整やマガジンの着脱については問題なく行う事が可能です。 付属のマガジンについては若干の小傷や擦れは見られますが、目立った凹みや変形も見られず、比較的しっかりとした状態が保たれています。 尚、マガジン・スプリングは入っています。
トリガー・テンションの有る、ボルトが閉じた状態で固定された旧加工品です。(KK)
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