- 商品番号:618
国名:ロシア
時代:第二次大戦
種類:狙撃銃
取扱店舗:大阪店
-
【モシンナガン M1891/30 狙撃銃 について】
モシンナガン小銃は、ロシアのセルゲイ・イワノビッチ・モシンとベルギーのナガン兄弟が設計したボルト・アクション・ライフルです。 1891年にロシア帝国の制式小銃M1891として採用されて以来、様々な改良を受けながら第二次世界大戦まで使用され続けた大変息の長い小銃でした。 このためバリエーションが多く、また、ライセンス生産や鹵獲によりロシア以外の国々でも多く使用された銃でもあります。
M1891/30はM1891の改良型で、第二次世界大戦時のソビエト連邦軍主力小銃です。 M1891/30ではM1891で問題とされた点が改良されましたが、機関部の構造や使用弾薬など基本的にはM1891と同じです。 第一次世界大戦の経験から、各国では歩兵用小銃の短縮化が図られており、M1891/30はM1891 歩兵銃に比べ銃身が約7cm短縮され、取り回しの良い騎兵向け従来モデルのドラグーン・ライフルと同じ長さに統一されました。 また、兵士の間では不評であったアルシン表記のリア・サイトをメートルに変更すると共に、リア・サイトとフロント・サイトが強化され、フロント・サイトに筒状のカバーが追加されました。 さらに生産工程の簡略化も図られ、機関部前方にある銃身受部が、八角形から円筒形へ変更されました。 モシンナガン M1891/30 小銃には、新規製造された個体の他、既存のM1891からM1891/30相当に改修された個体の2種類が存在します。 初期に新規製造された個体や、既存のM1891から改修された個体は銃身受部が八角形のままですが、1935年から1936年頃を境に生産効率を高めた円筒形へと移行しました。 M1891/30にはM1891からの改修型や新造型などがあり、刻印は各種のバリエーションが存在します。
モシンナガン小銃には、製造時に精選された銃身を使用してスコープを搭載した狙撃銃モデルも製造されました。 狙撃銃型のモシンナガンには、PE、PEM、PUスコープなど、搭載されるスコープの異なるモデルが存在します。 また、狙撃銃モデルではボルト・ハンドルを起こした際にスコープに干渉しないよう、下方に折り曲げられているのも特徴です。
1941年のドイツ軍の侵攻時、ソ連で生産されていた狙撃銃はSVT 1940 狙撃銃の1種類のみで、PEMスコープを搭載したモシンナガン M1891/30 狙撃銃の生産は1940年夏には既に中止されていました。 独ソ戦の初期段階において、ソ連軍は多数の狙撃銃を含む膨大な量の兵器を失い、さらに1941年10月中旬にはSVT 1940 狙撃銃を製造していた第314工場 (NKV) がツーラから疎開したため、ソ連では狙撃銃の生産が完全に停止しました。 このような状況下で、イジェフスク造兵廠及びツーラに新設された第536造兵廠により、PEMスコープを搭載したモシンナガン M1891/30 狙撃銃の生産が一時的に再開されました。 しかしながら、PEMスコープの生産が1940年に停止されていた他、1936年型のPEM用マウントは非常に精密な加工を必要とし、戦時下の量産には適していませんでした。 そのため、1942年春以降、モシンナガン M1891/30 小銃にPUスコープを装着する為のマウントの開発が進められる事となりました。 1942年8月6日、砲兵総局の砲兵委員会は、SVT 1940 狙撃銃の性能が要求を満たしていないとする決議を採択しました。 同委員会はD.M. Kochetovにより開発されたPUスコープ用マウントを備えたM1891/30 狙撃銃を採用し、PUスコープの試験を8月20日までに行うよう指示しました。 これは試験の結果が良好であれば、9月1日までにSVT 1940 狙撃銃の生産を終了するというもので、試験の結果、PUスコープ搭載のM1891/30 狙撃銃は良好な性能を示し、制式に採用される事となり、SVT 1940 狙撃銃の生産は1942年10月をもって終了しました。 PUスコープを搭載した新型のM1891/30 狙撃銃の量産計画をイジェフスク及びツーラの両造兵廠が受領したのは1942年10月でしたが、ツーラでは10月中に量産を開始する事はできず、実際に量産が開始されたのは1942年12月であり、イジェフスク造兵廠でも10月の生産数は数挺のみにとどまりました。 結果として、1942年10月及び11月は、PEMスコープ用マウントとPUスコープ用マウントを使用した2種類のモシンナガン狙撃銃が並行して生産された唯一の時期となりました。 PUスコープを搭載したM1891/30 狙撃銃の生産は、ツーラ造兵廠では1944年5月まで、イジェフスク造兵廠では1944年12月まで続けられ、1944年生産分の最後の1,250挺は1945年1月に納入されました。 また、戦後の1947年にもイジェフスク造兵廠でPUスコープを搭載したM1891/30 狙撃銃が2,483挺生産されました。
第二次世界大戦中、ソ連軍は狙撃兵に力を入れ、女性スナイパーなど多くの英雄が生まれました。 当時のプロパガンダではこの狙撃銃型の写真がよく使用されたため、一般にはM1891/30は狙撃銃として認識されることが多かった程です。 第二次世界大戦中に狙撃兵から高い評価を受けたPUスコープ搭載型のM1891/30 狙撃銃は、1960年代にドラグノフ SVD 狙撃銃が採用されるまで制式採用されており、その後も限定的に使用が続けられました。【本個体の説明】
本品の薬室上面にはシリアルNo.VE195の他、製造年を示す「1944」の刻印やイジェフスク造兵廠を示す三角形に矢の刻印が入っています。 本品は銃身受部が円筒形のタイプで、シリアルNo.は機関部、ボルトでマッチしており、その他の箇所では弾倉底板がPV6672、バット・プレートがRS651となっています。 弾倉前方のネジ留め部付近にもイジェフスク造兵廠を示す三角形に矢の刻印が入っています。
本品はPUスコープ仕様の狙撃モデルの機関部にPEMスコープが取り付けられており、取り付けに関しては銃本体にスコープ・マウントを取り付けるためのレールが付属しておらず、スコープ・マウントを直接レシーバー側面に代用ネジにて固定する方式となっています。 ストック左面に本来はPUスコープ・マウント用の切り込みがありますが、取り付けられているスコープ・マウントとのクリアランスもかなりタイトな為、大きな違和感はありません。 また、マウントを装着した状態では、外観からスコープ・マウント用のレールが付属しないことが分からない程度です。
本品の金属部には全体に使用感が見られ、擦れや経年に伴う表面処理の褪色、表面錆跡などが見られますが、大きな破損や欠損は見られず概ね良好な程度を保っています。 銃身や機関部は仕上げが落ちて地金っぽくなっており、よく使い込まれた燻し銀な雰囲気となっています。 白磨きのボルトについても、若干の打ち傷や時代錆が見られるものの、大きな腐食はありません。 木製銃床については、若干の打ち傷やニスの剥落が見受けられるものの、大きな破損や欠損等は見受けられず、こちらも概ね良好なコンディションが保たれています。 ストック右面のグリップ部分前方に打ち傷が見られますが、強度的な問題はなく、断面に時代が付いているためあまり気にならない程度のものです。 傷み易いバット・プレートについては上面の角部が擦れて地金っぽくなっており、やや擦れや表面錆が見られますが目立った変形等は見られず、銃床への取り付けもがたつきもなくしっかりとしています。 付属のPEMスコープ本体には接眼レンズ側のチューブには星及び鎌とハンマー、レンズの断面を図案化したレニングラード第357工場の刻印が見られます。 エレベーション/ウィンデージ・ノブのあるブロックには右面に「?皈?-38120」のシリアルNo.と左面に「1939」の製造年刻印が見られます。 スコープは1937年から生産が開始された通称PEMと呼ばれる後期のタイプで、視差調整リングは省略されています。 スコープ本体には経年による表面処理の褪色が見られ、全体がやや茶色っぽくなっていますが、スコープ・チューブの一部には薄っすらとブルー仕上げが残っています。 細かな打ち傷や表面錆が見られるものの、全体的には大きな腐食や欠損も見られず概ねしっかりした状態です。 スコープのレンズにはやや曇りが見られますが、80年以上前に生産されたことを考えるとコンディションは良好で、レティクルもはっきりと確認可能です。 ウィンデージ及びエレベーション・ノブの動きに問題はなく、レティクル調整も問題なく行うことが可能です。 スコープ・マウントにはシリアルNo.K557とトゥーラ造兵廠の刻印、数箇所に検印が見られ、マウント・リング部にも557の刻印が打刻されています。 スコープは代用ネジで取り付けられていますが、装着時のがたつきもなくしっかりと固定されます。 リア・サイトの調整や弾倉底板の開閉については問題なく行う事が可能です。 クリーニング・ロッドが付属いたします。
トリガーテンションのない、ボルトの先端と下部が切除され薬室が確認できる状態の新加工品です。 弊社でもPEMスコープが銃本体に付いたセットは入荷数がごく僅かな希少品となっており、海外市場においてもPEMスコープ付きの狙撃仕様は貴重な品となっています。 PEMスコープとマウント単体でも出物が極めて少ない品であり、スコープと銃本体の仕様はマッチしていませんが、十分価値のある品となっています。(AW)
※本ページに掲載の商品は、日本国内の基準に準じた加工が施された無可動実銃です。
- 詳細画像




















































