- 国名:ドイツ
時代:第二次大戦
種類:ボルト・アクション
- 【Kar.98b 小銃 について】
第一次世界大戦で主力として使用されたGew.98 小銃を基に、1923年に制式化された戦後改良型です。
ベースとなったGew.98 小銃は、Gew.88小銃の後継として1898年にドイツ帝国陸軍制式となったボルト・アクション式小銃です。 Gew.98小銃はそれ以前のモーゼル式ボルト・アクション機構と異なり、メインのロッキング・ラグ2箇所に加えて、ボルト後部側面にそれらが破損した際のバックアップとして機能するラグが1箇所追加されており、安全性が高められています。 また、エキストラクターが弾倉内から出た直後の薬莢のリムと噛み合って薬室に装填後、排莢の直前まで保持し続けるコントロールド・フィードと呼ばれる方式で給弾が行われるのも特徴です。 ボルト後端には3ポジションのセーフティ・キャッチ・レバーが装備されており、コッキング状態でレバーを操作する事により、撃針及びボルトの固定/解除を切り替える事が可能です。
Gew.98 小銃は射程と精度に優れる一方、その長大さと重量から塹壕戦のような近接戦闘には不向きでした。 その反省から第一次世界大戦中には、銃身を600mmに短縮したKar.98a 小銃が導入され、突撃部隊や騎兵部隊などで使用されました。 一方、戦後のヴェルサイユ条約下では、新たに長銃身の歩兵銃を製造すれば再軍備の意図を疑われる恐れがあったため、Gew.98 歩兵銃を基にした改良型には形式上「カラビナー (Karabiner)」の名が与えられ、1923年にKar.98bとして制式化されました。 もっとも、Kar.98bは銃身長740mmを維持しており、実際にはGew.98と同等のサイズを持つ小銃でした。
Kar.98b 小銃の技術的改良点としては、Gew.98に装備されていたLange Visierと呼ばれる複雑なリア・サイトを廃止し、より実用性に優れたタンジェント式リア・サイトが採用されました。 また、ボルト・ハンドルは直線型から下方に曲げられた形状に改められ、ストック側面にはスリング用の貫通穴が設けられるなど、携行性や実戦での使いやすさを考慮した改良が加えられました。 これらの特徴は後に登場するKar.98kへと引き継がれていきます。 レシーバーやボルト・アクション機構など、構造面ではモーゼル M98方式のレシーバーとボルト・アクション機構を踏襲し、使用弾薬についても7,92mm×57 IS弾となっていました。
Kar.98b 小銃はワイマール共和国陸軍(Reichsheer) の標準小銃として採用され、ドイツ軍の再軍備期において重要な役割を果たしました。 1935年により短小化されたKar.98kが登場すると主力の座を譲りましたが、Kar.98bはGew.98からKar.98kへの発展をつなぐ橋渡しの存在であり、ドイツ小銃開発史における重要な節目をなすモデルです。
【本個体の説明】
本品の薬室上面にはワイマール共和国財産である事を示す「1920」の刻印が入っています。 また、薬室及び銃身基部の左側面には1918年まで帝政ドイツのプロイセンで使用されていた鷲のプルーフ刻印 (Beschussstempel) が入っている事から、本品が帝政ドイツ時代に製造されたGew.98 歩兵銃を基に改修して製造された事が窺えます。 シリアルNo.は、薬室、銃身基部、ボルト・ハンドル、トリガー・ガード、セーフティ、コッキング・ピース、フロント/リア・バンド、リア・サイト、弾倉底板、銃床、バット・プレートなど確認できる範囲において(20)61でマッチしています。
本品は全体にやや使用感が見受けられ、銃身や機関部といった金属部は、やや打ち傷や擦れ、経年による褪色の他、若干の表面錆痕や一部朽ち込み痕が見られますが、目立った欠損等は見られず、表面仕上げも比較的残っています。 木製銃床についても、やや打ち傷や線傷の他、一部ひびや若干の欠けが散見されるものの、大きな破損等は見られず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 バット・プレートは全体に時代錆や表面錆痕が表れていますが、現状大きな変形等は見られず、銃床への取り付けもがたつきもなくしっかりとしています。 リア・サイトの調整については問題なく行う事が可能です。
ボルトの先端と下半分を切除して、ボルト・ハンドルを閉じた状態で溶接固定した新加工品です。 (KK)
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