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英国 W. Tranter社製 高級ペッパーボックス (銃砲刀剣類登録証付古式銃、南軍将校 H. Wirz 所持品) |
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価格(税込)
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\2,200,000 |
商品番号
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【9691】 |
英 名
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English W. Tranter Bar Hammer Pepperbox owned by H. Wirz |
種 類
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古式銃(登録証付)、東京店在庫品、松本零士先生旧蔵品 |
国 名
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イギリス / アメリカ合衆国 |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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226mm |
口 径
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13mm |
装 弾
数
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5発 |
在 庫
数
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限定1品 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【英国 W. Tranter社製 高級ペッパーボックス (南軍将校 H. Wirz 所持品) について】
英国のウィリアム・トランター (William Tranter) 社が製造した、5連発のペッパーボックスです。
本品のハンマー (撃鉄) はバー・ハンマーと呼ばれるもので、本体中央上部に位置した角棒型の支柱と円柱型の打撃部を組み合わせた独特な形状のハンマーがダブル・アクションによって雷管を叩く構造となっています。
ペッパーボックス ピストル (Pepperbox Pistol) とは、シリンダー (回転式弾倉) とバレル (銃身) が一体化 (銃身と薬室が一体化) になった黎明期のリボルバー拳銃です。 形状が「コショウ挽き」に似ていることから単にペッパーボックスと呼ばれています。 狭義には1837年にイーサン・アレンがパテントを取得した管打ち式ダブル・アクション・オンリーの回転拳銃を指しますが、広義には銃身を3本以上束ねて、それを回転させることによって連射を可能とする銃器 (カービンやライフル等の長物も含む) を指します。 形状が「コショウ挽き」に似ている事からペッパーボックスの名称が付いた、西部開拓時代初期の米国でも大流行した拳銃の一種です。 一般的には、薬室と一体化した銃身を複数本束ねたものを回転させる事で、装填動作を省略し連射を可能とした銃器の事を指しますが、特にサミュエル・コルトが特許を持っていた、引き金を引くだけで回転連射が可能な「ダブル・アクション機構」を持つ護身用の小型拳銃を指していました。 米国では1830年代後半から1850年代に普及しました。
このペッパーボックスは、複数の独立した銃身を束ねるのではなく、レンコンのような穴を銃身とする一つの塊を鋳造したため、頑丈で大量生産が可能でした。 しかしながら、シリンダーと銃身が一体鋳造型であるため、口径を大型化すると重心が前方に偏る欠点がありました。 また、シリンダーと一緒に銃身も回転する事から、固定銃身に比較すると命中精度が劣ってしまう点も有り、1850年代後半にはその殆どが姿を消す事になりました。 その他、一発発射すると装填された弾が全弾暴発して発射されてしまう「チェーン・ファイア」を引き起こすと言った問題もペッパーボックスの欠点と言われていました。 しかしながら、この問題はペッパーボックスに限らず、当時のパーカッション式回転拳銃全般が抱えていた不具合でした。 また前方に銃身のないペッパーボックスでは、万が一「チェーン・ファイア」が発生した場合にも全弾が飛び出すだけで、銃本体にはダメージを引き起こさないといった利点もありました。 通常の固定銃身のリボルバーで「チェーン・ファイア」が発生した場合は致命的なダメージを銃本体と射手に及ぼしましたので、そのような点では優れていました。
本品は全体に高級な作りの品で、フレームやハンマー、トリガー・ガード、グリップ・エンド・キャップ等には緻密なスクロール・エングレービングが施されています。 口径は実測約12,7mm (.50口径) と大口径の品となっており、銃身長は約87mmとなっています。 ハンマー後方にはスライド式のセーフティを備えており、前進させる事によりハンマーがロックされ、安全に携行する事が可能となっています。 また、フレーム前部にはパーカッション・ニップルを覆うニップル・シールド (Nipple Shield) が設けられており、このニップル・シールドは、フレームと一体型となっています。 グリップ下部のエンド・キャップにはヒンジで開閉する蓋を備えたコンパートメントが設けられています。 (KK)
【「H. Wirz C.S.A.」刻印について】
本品のグリップ背面に埋め込まれた銀製と思われる四角いプレートには、「H. Wirz C.S.A.」の刻印が入っています。 C.S.A.とはアメリカ連合国陸軍 (Confederate States Army) を指しており、本品が南軍の将校であったヘンリー・ワーツ (Henry Wirz) の所持品であった可能性が考えられます。
ヘンリー・ワーツ (本名: Hartmann Heinrich Wirz、1823–1865) は、スイス系アメリカ人で、南北戦争が勃発した1861年、当時37歳だったワーツはルイジアナ州のマディソン歩兵隊 (第4大隊) に入隊しました。 彼は1862年5月のセブンパインズの戦いで、ジョセフ・E・ジョンストン将軍の副官として戦い、負傷したと述べていますが、この負傷の経緯については歴史家の間で異論があります。 その後、彼は南軍の捕虜収容所を管轄していたジョン・H・ウィンダー将軍の副官に任命されました。
1864年2月、南軍はジョージア州アンダーソンビルに大規模な捕虜収容所「キャンプ・サムター (Camp Sumter)」を設立しました。 ワーツは同年4月にこの収容所の所長となり、1年以上その職を務めました。 この収容所では深刻な過密状態や劣悪な衛生環境、食糧や医薬品の不足が問題となり、結果として、劣悪な環境のために約13,000人の北軍捕虜が死亡しました。 ワーツはこれらの状況を改善するために上官に支援を求めましたが、受け入れられませんでした。
1865年5月7日、ワーツは北軍に逮捕され、ワシントンD.C.のオールド・キャピトル刑務所に収監されました。 彼は特別軍事法廷で「北軍捕虜の健康を害し、命を奪うことを目的とした共謀および戦争法違反」の罪に問われました。 裁判では多数の証人が召喚され、最終的にワーツは共謀の罪と13件の個別の残虐行為のうち10件で有罪とされました。 ワーツは恩赦を求めましたが、アンドリュー・ジョンソン大統領には拒否されました。 1865年11月10日、ワーツはワシントンD.C.で絞首刑に処され、南軍の士官として唯一、戦争犯罪により死刑を宣告された人物となりました。 ワーツの処刑後、彼の罪に関しては議論が続き、その評価とともに、彼の裁判の公正性についても疑問が呈されています。
【本個体の説明】
本品のフレーム左側面には「W. TRANTER MAKER」の刻印が入っています。 シリンダーの各チャンバー間には、英国のLondon Proof Houseで1637年から使用されている「王冠にGP」の刻印 (Definitive Proof=最終耐久テスト終了刻印) と1670年から1955年まで使用された「王冠にV」の刻印 ((View Mark=目視検査終了刻印) 2つが交互に計5箇所打刻されています。
本品は古式銃としては非常に良好な状態が保たれており、シリンダーやフレームにオリジナルのケース・ハードン仕上げが良好に残っており、トリガー・ガードにも若干の擦れは見られるものの、オリジナルのブルー仕上げが大部分に残っています。 木製グリップについても、打ち傷などは最小限で、繊細なチェッカリングも良好に残っています。 グリップ下部のコンパートメントの蓋の開閉については問題なく行う事が可能です。
作動については完全で、トリガーを引くとハンマーと連動してシリンダーが正常に回転します。 セーフティの機能についても正常で、セーフティを前進させるとハンマーがロックされます。 銃身は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 シリンダーのパーカッション・ニップルについても、現状目立った変形や欠け等は見受けられません。
本品は漫画家の松本零士先生のコレクションの中の一挺です。 希少な南軍将校用の拳銃までお持ちであったとは驚きです。 さらにヘンリー・ワーツの所持品であったとすれば、米国においても歴史的価値の高い品と考えられます。南軍の将兵は北軍に北部の銃器生産地を押さえられており、英国を始めヨーロッパ各国からの銃器を使用しました。 (KK)(MM)
【登録証情報】
(種別: 管打ち式銃砲、全長: 22.6cm、銃身長: 8.7cm、口径: 1.3cm、銘文: W T BANTER MAKER)
【その他の情報】
令和5年8月10日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 漫画家の松本零士先生の旧蔵品です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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