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◉@US ロビンス & ローレンス ペッパーボックス (登録証付古式銃、#4929) |
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価格(税込)
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お客様ご連絡中 \3,520,000 |
商品番号
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【9689】 |
英 名
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US Robbins & Lawrence Pepperbox |
種 類
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古式銃(登録証付)、東京店在庫品、Curio Magazine 記事候補、✕、松本零士先生旧蔵品 |
国 名
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アメリカ合衆国 |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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185mm |
口 径
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7mm |
装 弾
数
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5発 |
在 庫
数
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お客様ご連絡中 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【ロビンス & ローレンス ペッパーボックス について】
米国のロビンス & ローレンス社が1851年から1854年にかけて製造した5連発の管打式で、銃身が回転しない特殊なペッパーボックスです。当時の一般的な銃身回転式のペッパーボックスとは異なり、銃身を固定する事によって多くの利点がありました。 現代のストライカーに近い構造のL字型ハンマーを内部に備えており、トリガーを引く毎にハンマーが72度ずつ回転し、雷管をL字型ハンマーの打撃面が順番に叩く構造となっていました。 この設計の利点としては、雷管が薬室と一直線上に配置されており、外部ハンマーを持たないため、携行時や使用時に引っかかっるリスクが少ない点が挙げられ、銃身前部に照準用のフロント・サイトを取り付ける事も可能でした。 グリップ形状も特徴的で、銃身がグリップに近い低い位置に配されている事から、手の延長のように自然に狙いをつけやすいデザインとなっていました。 加えて本品はリング・トリガー式になっており、リングを引く事でハンマーをコックし、リングの前方に露出するトリガーを引く事により発射を行う構造となっていました。 このシステムにより、通常のダブル・アクションに比べてトリガー・プルが軽い、シングル・アクションのような撃発を可能としていました。 ロビンス & ローレンス社製のペッパーボックスは一定の人気を得て、最も成功を収めていたモデルの一つで約7,000挺が生産されましたが、経営的ミスによりそれ以上は作られなかった不運な銃です。 同社は、1851年のロンドン万博において、銃器部品の互換性システムが評価されて、賞を受賞するなど一定の成功を収めましたが、一つの大きな躓きによって1858年にその歴史に幕を閉じました。(ダイジェスト解説)
米国のロビンス & ローレンス社が1851年から1854年にかけて製造した、5連発の管打式 (パーカッション式) ペッパーボックス ピストルです。
鍛冶屋の息子として1807年にバーモント州ウィンザーで生まれたニカノール・ケンドール (Nicanor Kendall) は、銃器職人アサ・ストーリー (Asa Story) の下で修行を行い、アンダー・ハンマー式のパーカッション・ロック機構の特許を取得しました。 これは他のパーカッション・ロックよりも安全で信頼性が高かったほか、非常にシンプルな作りであったため、生産が容易でした。 1835年頃にケンドールは義父が運営するポンプ工場においてアンダー・ハンマー式のピストルとライフルを製造し始めました。 この工場はウィンザーの州立刑務所に所在しており、ケンドールは州と契約して刑務所の未熟練労働者を使用し、精緻な作業は熟練工に任せる事で銃器の製造を行いました。 1843年までに、ケンドールはリチャード・ローレンス (Richard Lawrenc) と提携し、二人はウィンザーのミルブルック沿いに銃砲店を開店し、地元のダムで生み出される水力を利用しました。 ここで、彼らはアンダー・ハンマー式およびサイド・ハンマー式のパーカッション・ライフル及びショットガンを製造しました。
1844年末、引退した材木商のサミュエル・ロビンス (Samuel Robbins) は、ケンドール及びローレンスとの提携を提案し、米陸軍のM1841 小銃を基にした軍用小銃10,000挺の製造に関する政府の契約に受注し、三人は軍用銃器の製造業に参入する事になりました。 三人は事業を拡大し、イーライ・ホイットニー、アモスケーグ、スプリングフィールド兵器工廠などの工場から熟練工を募りました。 大量生産に対応する為、それまで熟練工によって手作りされていた銃器は、部品が交換可能な量産品へと急速に移行していきました。 全ての部品は精密ゲージ、治具、工具、フライス盤、ボール盤、タッピング・マシン等で作られ、部品の互換性を確保し、水力を用いて銃身加工機やライフリング加工機を作動させました。 彼らは注文を契約より18ヶ月早く完了し、15,000挺の追加契約を獲得した事で、この工場で導入された量産システムは、非常に効率的であることが証明されました。
その後、ケンドールは会社の権益を売却しましたが、ロビンスとローレンスは事業を拡大し、失敗した鉄道車両製造への進出を除き、2人の会社であるロビンス & ローレンス社は引き続き銃器製造に注力する事となりました。
尚、ローレンスはロビンス & ローレンス社の銃器職人で工場長であったベンジャミン・タイラー・ヘンリーと共同で、ジェニングス・ライフルの改良にも関わりました。 このプロジェクトには、ホレース・スミスとダニエル・ウェッソンも参加しています。 また、ローレンスは、後装式連発銃の機能を改善する潤滑弾を発明した他、「ローレンス・ペレット・プライマー・システム」を開発し、これは南北戦争時代にクリスチャン・シャープスの後装式小銃に採用され、成功を収めました。 ローレンスは後にシャープス社 (Sharps Rifle Manufacturing Company) の製造責任者として、ハートフォード工場で勤務する事となります。 一方、ヘンリーはジェニングス・ライフルとボルカニック銃の経験を基に、その後レバー・アクション式のヘンリー銃を開発する事となります。
1851年のロンドン万博において、ロビンス & ローレンス社は、その部品互換性の有るシステムが評価されて、賞を受賞しました。 英国のエンフィールド造兵廠は、ロビンス & ローレンス社から工作機械を購入し、これにより同社は新技術を本格的に輸出した最初のアメリカ企業となりました。 同社はまた、コネチカット州の工場で英軍向けに25,000挺の小銃を製造する契約を受注しました。 しかしながら、同社は契約条件を履行する事が出来ず、最終的に破産に追い込まれる事となりました。 結果として、会社とその資産はイギリス王室の所有となり、これらの施設はサミュエル・ロビンスらに貸し与えられ、未完成分の注文を完了させる為に使用される事となりました。 1858年にロビンズ & ローレンス社の元の建物及び多くの製造機械は、E.G.ラムソンにより購入される事となり、この売却をもって、ロビンス & ローレンス社はその歴史に幕を閉じました。
ロビンス & ローレンス社が1850年代初頭に最も成功を収めていた時期の主力製品の一つが、本銃のようなペッパーボックス ピストルでした。 本銃は当時の一般的なペッパーボックスとは異なり、銃身は回転せずに固定されていました。
このロビンス & ローレンス社のペッパーボックスは、ジョージ・レナード (George Leonard) により1849年に所得されたパテント (#6723) に基づいて改良されたものでした。 レナードの特許では、現代のストライカーに近い構造のL字型ハンマーを備えており、トリガーを引く毎にハンマーが72度ずつ回転し、パーカッション・キャップをL字型ハンマーの打撃面が順番に叩く構造となっていました。 この設計の利点としては、パーカッション・キャップが薬室と一直線上に配置されており、外部ハンマーを持たないため、携行時や使用時に引っかかったり汚れたりするリスクが少ない点が挙げられます。
ロビンス & ローレンス社はレナードの撃発機構を基に改良を行い、装填を容易にする為に二分割式のヒンジ付き銃身を採用しました。 銃身部分はスプリング式のラッチにより固定され、前方へテイクダウンさせる事で後部の薬室が露出し、パーカッション・キャップの装填を容易にしていました。 また、弾頭及び発射薬の装填時には、銃身の前方部分をねじって取り外し、弾頭と発射薬を薬室に挿入した後、再び銃身をねじ込んで固定する構造となっていました。 固定式の5本の銃身はライフリングが施されており、.28口径と.31口径の2種類のモデルが存在した他、銃身の長さも3 1/2インチと4 1/2インチの2種類が存在しました。 トリガーの仕様についても、通常のダブル・アクション式トリガーとオーソドックスなトリガー・ガードを組み合わせたタイプの他、リング・トリガーを採用したタイプが存在します。 リング・トリガー式では、リングを引く事でハンマーをコックし、リングの前方に露出するトリガーを引く事により発射を行う構造となっていました。 このシステムにより、通常のダブル・アクションに比べてトリガー・プルが軽い、シングル・アクションのような撃発を可能としていました。 さらに、ロビンス & ローレンス社のリング・トリガー銃には、独自のデコッキング・システムが搭載されており、ハンマーをコックした状態で、グリップ後部にある小さなボタンを押しながらリング・トリガーをわずかに後方へ引くと、シアが解除され、リングを用いてハンマーを安全に元の位置に戻す事が可能でした。 グリップ形状も特徴的で、銃身がグリップに近い低い位置に配されている事から、手の延長のように自然に狙いをつけやすいデザインとなっていました。 また、銃身が回転しないため、銃身前部に照準用のフロント・サイトを取り付ける事も可能でした。
ロビンス & ローレンス社製ペッパーボックスにはいくつかのバリエーションがあり、.28口径モデル及び.31口径モデルの一部にフルート (溝) 加工された銃身が存在しますが、大半の.31口径モデルはリブ付きの銃身を採用していました。
ロビンス & ローレンス社製のペッパーボックスは一定の人気を得て、1851年から1854年にかけて約7,000挺が生産されましたが、状態の良い個体の現存数は少なくなっています。 (KK)
【本個体の説明】
本品は.28口径の3 1/2インチ銃身を備えたロビンス & ローレンス ペッパーボックスで、トリガーはリング・トリガー・タイプとなっています。 .28口径モデルのため、銃身はフルーテッド・バレルとなっています。 銃身には「ROBBINS & LAWRENCE CO.」のメーカー刻印や「WINDSOR. VT」のアドレス刻印の他、「PATENT. 1849.」のレナードのパテント刻印が確認出来ます。 尚、グリップ下部にはシリアルNo.4929が打刻されています。
本品の銃身やフレームといった金属部は適度な時代が付いた良い雰囲気となっており、銃身を中心にグレイ・パティナと呼ばれる薄い黒錆が表れている他、僅かな表面錆痕が散見されるものの、現状目立った欠損等は見られず、製造された時代を考慮すれば総じて良好な状態が保たれています。 オリジナルのローズウッド製2ピース・グリップについても適度な時代が付いており、やや打ち傷や線傷の他、グリップ左側面下部に一部ヘアライン・クラックが見られるものの、強度的にはしっかりとした状態が保たれており、取り付けについてもがたつき等は見られません。
作動については完全で、リング・トリガーを引いた際のコックはしっかりと掛かり、リング前方のトリガーを引くと内部のL字型ハンマーが力強く前進します。 また、コック状態でリング・トリガーを僅かに引きながらグリップ背面のデコッキング・ボタンを押すと、コッキングが解除され、リング・トリガーを前進させる事が可能です。 本体上部に設けられたラッチ・レバーの後部を押し込むと、ヒンジを介して銃身部分が前方にテイクダウンし、パーカッション・ニップル及び内部のL字型ハンマーが露出します。 銃身内は5本とも銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、若干の表面錆は見られるものの、ライフリングも比較的はっきりと確認出来ます。 ねじ込み式の銃身については、残念ながら現状固着しており取り外しは出来なくなっています。 パーカッション・ニップルにはやや時代錆が表れているものの、現状目立った欠け等は見受けられません。本体(フレーム)と銃身後部にファクトリー・エングレービングが施された高級バージョンです。
本品は漫画家の松本零士先生のコレクションの中の一挺です。 ロビンス & ローレンス ペッパーボックスはアメリカ本国でも程度の良い品は少なく、希少となっています。 他に類を見ない独特の機構を備えたペッパーボックスです。 流石、日本一のコレクターの旧蔵品と言える品です。松本零士先生著「陽炎の紋章」の第一巻「新選組の影」のP.101からP.110に本品を日本製とした設定で登場します。 本場アメリカでも珍しい品が日本の漫画に登場させるほどで、メカ好きな松本先生は特殊な構造の本品に特別な愛着を持っておられたと思います。(KK)(MM)
【登録証情報】
(種別: 管打ち式銃砲、全長: 18.5cm、銃身長: 9.2cm、口径: 0.7cm、銘文: ROBBINS &LAWRENCE.CO. WINDSOR. VT PATENT 1849)
【その他の情報】
令和5年8月10日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 漫画家の松本零士先生の旧蔵品です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
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装填を容易にする為に二分割式のヒンジ付き銃身を採用しました。 銃身部分はスプリング式のラッチにより固定され、前方へテイクダウンさせる事で後部の薬室が露出し、パーカッション・キャップの装填を容易にしていました。(104文字) |
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