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ベルギー ヴィクトル・コレー・パテント グラビティ・フィーディング ピストル (登録証付古式銃、明治二二九四 青森縣) |
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価格(税込)
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\4,400,000 |
商品番号
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【9662】 |
英 名
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Belgian Victor Collette Gravity Feeding Pistol |
種 類
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古式銃(登録証付)、東京店在庫品、✕、松本零士先生旧蔵品 |
国 名
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ベルギー |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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343mm |
口 径
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12mm |
装 弾
数
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20発 |
在 庫
数
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限定1品 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【ヴィクトル・コレー・パテント グラビティ・フィーディング ピストルについて】
本品はベルギー人のヴィクトル・コレー (Victor Collette) が1853年にベルギーでパテントを取ったGravity Feeding Systemを採用した特殊な拳銃です。 銃身上に銃身と並行に筒状弾倉 (チューブ・マガジン) があり、その筒の前部の蓋を開けて弾を装填します。 筒状弾倉の中には20発のボルカニック・ピストルと同じような「ロケット・ボール = Rocket Ball」と呼ばれる、中空の弾頭の中に装薬を詰めたケース・レス (無薬莢) 弾が入ります。 チューブ・マガジンでありながらも、ボルカニック、ヘンリー、ウィンチェスターなどのようにバネの弾力で弾を送り込むシステムではなく、銃身を上に向けた際に重力 (Gravity) によって弾がブリーチに送り込まれる仕組み (Feeding) になっています。 その為、欧米ではGravity Feeding System (= グラビティ・フィーディング・システム) と呼ばれています。 日本では輸入された当時は隠倉銃と呼ばれたようです。 全く同じ品が古式銃のバイブルとも呼ばれる所荘吉先生の「図解古銃事典」(雄山閣出版、各県の教育委員会の登録審査会場でも資料として使用) のP.217に同じ品と見間違えるような、全く同じモデルが「靖国神社蔵」として写真が載っています。 前頁 (P.216) には隠倉銃 (Gravity-feed Repeating Needle Gun、ドイツ)、その使用方法、構造が書かれています。 ただ使用弾薬が「ドライゼ薬莢を使用する針打式」と書かれていますが、それは間違いで「無薬莢のロケット・ボール弾」を使用します。 使用方法は銃身を上に向けてハンマーを起こすとブリーチ・ブロックが上昇して筒状弾倉の後ろに位置します。 弾は重力によってブリーチ・ブロックの手前まで押し下げられ、筒状弾倉の後部に取付けられたツメを用いて一発ずつ薬室に送り込まれます。 それと同時にブリーチ・ブロックが下方に降りて撃発準備が整います。 あとはシングル・アクションの引き金を引き「発射」、その後同じように次弾を送り込む為に銃身を上に向けてハンマーを起こします。 ケース・レス (無薬莢) 弾のため、排莢は行いません。 このように当時の連発銃の主流であった回転式のシリンダーや複数の銃身を持たない外見から弾倉が無いように見えるため隠倉銃 = 隠れた弾倉の銃と呼ばれたのではないでしょうか? この隠倉銃 (Gravity Feeding Pistol) は1855年のパリで開かれたフランス初の第三回国際博覧会 (=パリ万博、初めて万国博覧会と称す) に出品されました。 しかしながら「無薬莢ロケット・ボール弾」は装薬が少ないので、初速が遅く近距離でしか有効ではありませんでした。 またヨーロッパでは管打式 (パーカッション・ファイア) からカニ目打式 (ピン・ファイア) への移行期で、更にアメリカでは1857年にS&Wが貫通式シリンダーと縁打式 (リム・ファイア) の組み合わせた新しい連発銃を発売した時期でもあってGravity Feeding Pistolは全く普及しないで終わりました。 そのような理由で欧米でもGravity Feeding Pistolは非常に珍しく、その特殊な連発方式は当時の試行錯誤の産物と言っても良いでしょう。 「無薬莢ロケット・ボール弾」の供給が難しい日本において一体何挺のGravity Feeding Pistol (隠倉銃) が使用されたのでしょうか? 一説では弘前藩がヨーロッパから10挺を輸入した内の一挺と言われています。「名古屋刀剣博物館」と「靖国神社蔵」の収蔵品と本品を含む2挺が弊社在庫、個人蔵の2挺の合計6挺以外には弊社では存在を知りません。 この銃のパテントを取ったヴィクトル・コレー (Victor Collette) は1857年から1861年までベルギーのリェージュ・プルーフハウスに登録していましたが、欧米に残るGravity Feeding Pistolにはその時期のリェージュ・プルーフが刻印されていないことから、この銃は1857年までに製造を終えていたと考えられます。 あのウィンチェスター社のレバー・アクションの元となったボルカニック社が短命に終わったのも「無薬莢ロケット・ボール弾」が「リム・ファイア弾」より威力が少なかった事と同じでしょう。 ボルカニック社は倒産、分裂しましたが、ヴィクトル・コレーは小さな銃工房であった為、その後細々とピン・ファイア・リボルバーの生産を続けました。
(2021年1月4日 追記)
本銃のグラビティ・フィーディングに関するパテントについて、最新の研究ではヴィクトル・コレー (Victor Collette) によるものではなく、当時ヴィクトル・コレー社でガンスミスとして勤務していたJean Nicolas Hermanによるものであった事が明らかとなっています。 リエージュ地方ヴァンドル (Wandre) 出身で優れた鍵職人でもあったJean Nicolas Hermanは、1850年から1854年にかけて銃器に関する8件のパテントをベルギーで取得しました。 その内、グラビティ・フィードに直接関係するものは、1853年7月23日取得の#7275及び1854年5月5日取得の#7997となっています。 ヴィクトル・コレー社は、従業員であったJean Nicolas Hermanが発明したそれらの機構を基にグラビティ・フィーディング ピストルを販売しましたが、両者の間でパテント利用に関してどのような取り交わしが行われていたかについては資料が存在しておらず、現在では不明となっています。 Jean Nicolas Hermanは1855年のパリ万博にも共同出展者として参加し、自信の発明品を展示していた事が知られています。 (KK Updated)
【本個体の説明】
本品は古式銃としては最高のコンディションの部類に入る約99%オリジナルの仕上げが残った非常に程度の良い品です。 オリジナルの仕上げの上に極僅かな表面錆が出ていますが、目立った朽ち込み等は見受けられません。 八角形銃身の左側面に鏨で「明治二二九四青森縣」と刻まれている以外はメーカー刻印などが一切ありません。 国内での現存品の全ては青森縣の「明治二二九四」連番です。 作りは非常に良く製造所の技術の高さが伺われる作品です。 小傷も含め気になる傷が全くない極上品です。 作動については完全で、ハンマーのハーフ/フル・コックはしっかりと掛かり、ハーフ・コック位置で銃身が上昇して弾倉からブリーチ・ブロックへの弾頭の装填が可能となります。 弾頭をブリーチ内に押し込む為の爪の動きや弾倉前部のカバーの開閉についても問題なく行う事が可能です。 銃身は銃口から薬室まで貫通しています。
本品は漫画家の松本零士先生のコレクションの中の一挺で、松本先生は本モデルをペアでニ挺お持ちでした。 本銃の希少性、程度の良さ、品質の高さが全てトップクラスの、古式銃を収集する中で最も魅力的な銃の一挺ではないでしょうか。 (MM)
【登録証情報】
(種別: 管打ち式銃砲、全長: 34.3cm、銃身長: 21.3cm、口径: 1.2cm、備考: 明治二二九四 青森縣)
【その他の情報】
令和5年8月10日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 漫画家の松本零士先生の旧蔵品です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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