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和製管打式 和洋折衷ゲベール銃 (銃砲刀剣類登録証付古式銃) |
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価格(税込)
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\440,000 |
商品番号
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【9635】 |
英 名
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Unusual Shaped Japanese-made Percussion Musket |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、東京店在庫品、X候補、松本零士先生旧蔵品 |
国 名
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日本 / オランダ |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,096mm |
口 径
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17mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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限定1品 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【和製管打式 和洋折衷ゲベール銃 について】
ゲベール銃とは前装式の単発管打式小銃で、銃身内にライフリング (施条) の無い滑腔銃を指す名称です。
「ゲベール (Geweer)」語源はオランダ語で小銃を意味し、幕末の日本では洋式前装式小銃の一般名詞になっていました。 ゲベール銃は日本でも倣作が行われ、古いものでは火打ち式 (フリント・ロック=燧石式) の撃発装置が付いた品もありましたが、日本で倣作された品の多くは管打ち式 (パーカッション・ロック) でした。 元々はフランス軍が1670年に採用したフリント・ロック式小銃を改良したモデルをオランダ軍が1777年に採用し、そのタイプの銃を天保二年 (1832年) に長崎の高島秋帆が輸入したのが日本におけるゲベール銃運用の始まりです。 しかしながら、当時ヨーロッパ諸国は概ね同じようなタイプの小銃を制式化していたため、日本に輸入された正確なモデル名までは断定できません。 当時欧米諸国で唯一日本と貿易ができたオランダが輸出したため、オランダ語で小銃を意味するゲベールが呼称として一般化しましたが、当時輸入されたゲベール銃は必ずしもオランダ製小銃であったとは言えません。 2013年放送のNHK大河ドラマ「八重の桜 (第1話)」で、幼少の八重が兄の使うフリント・ロック式小銃を見て何かと聞いたときに、兄が「ゲベール (銃) だ」と答えていました。 あくまでもドラマの中でのやり取りですが「洋式小銃=ゲベール銃」というのが当時の一般的な認識だったのではないでしょうか。 弘化年間 (1844-47年) に雷管式が日本に伝わると、従来のフリント・ロックはパーカッションに改造されましたが、日本で倣作された品の殆どがこのパーカッション式です。 尚、同じパーカッション式でも、ライフリングのない前装滑腔銃をゲベールと呼称し、ライフリングのある前装施条銃は使用弾薬によって当時はミニエー銃、またはエンピール銃 (=エンフィールド銃)、鳥羽銃 (鳥羽=タワー、タワー刻印が入ったエンフィールド銃) と一般的に呼ばれました。 これらの銃は文久年間 (1861-64年) 頃に輸入されましたが、形状が良く似ていたので日本では混同されており、はっきりとエンフィールドとミニエーの違いを区別するようになったのは慶応三年 (1867年) 頃と言われています。 日本製のゲベール銃は日本各地の元々火縄銃を製作していた銃工によって作られたため、一挺一挺に小差があります。 尚、和製ゲベール銃の原型となったのは、1840年頃に作られたオランダ製コロニアル マスケットではないかと言われています。 国内で発見される和製ゲベール銃に一定の共通点が見られるので「幕末期にどのような形で同一規格のゲベール銃が作られたか?」が今後の研究課題となるでしょう。
本品は銃床が銃口付近まで伸びたフル・ストックとなっており、サイド・ロックやハンマーの形状は一般的な和製管打式 ゲベール銃と同様となっています。 一方、銃身は後方に向かって広がった丸銃身で、上面のみ平坦となった「表一角」と呼ばれる形状となっています。 また、銃口部分には火縄銃のような丸柑子を備えており、フロント/リア・サイトについても火縄銃の先目当及び元目当てに類似した形状となっているなど、和銃と西洋銃の特徴を兼ね備えた品となっています。 尚、リア・サイト (元目当) については、射距離を2段階に切り替え可能となっています。 バット・ストックの形状も特徴的で、細身の銃把部分が後方に向かって緩やかに湾曲した後、上部が大きく膨らんで肩当て部を形成していますが、ストック後端及び上端部は垂直に切り落とされ、真鍮製のバット・プレートが取り付けられた独特な形状となっています。 サイド・プレートやトリガー・ガードも真鍮製で、これらも西洋銃とは異なる和風のデザインとなっています。
本銃の銃口部は特殊な漏斗型となっており、弾薬を迅速に装填する事が可能となっている他、銃口先端下部には回転式の鉄製かるか (さく杖) が取り付けられています。 かるかは先端を折り曲げてループさせる事により掴みやすい形状となっている他、蝶番によって銃身先端部に固定されており、馬上等で使用する際の紛失を防いでいるものと思われます。 カルカの先端は収納時にテンションがかかってロックされ、銃口を下に向けた際にも抜けない凝った作りとなっています。 本品と同様のかるかは、弊社で多数取り扱っている比較的短寸の傍装雷火銃でも確認されており、馬上での迅速な装填操作を想定して製作されたものと考えられます。 今後の研究が待たれる案件ですが、他の和製銃砲に同じ構造のカルカが見られないため、傍装雷火銃を考案した片井京助のアイデアかも知れないと考えています。 (KK)(MM)
【本個体の説明】
本品は全体に適度な時代が付いた良い雰囲気となっており、銃身やサイド・ロックといった鉄部は、全体にやや時代錆が表面錆が見られるものの、現状目立った欠損等は見受けられません。 木製銃床についても、やや打ち傷や線傷が見られる他、さく杖収納部周辺やバット・プレート周辺の木部に一部欠けが見受けられますが、全体としては概ねしっかりとした状態が保たれています。 尚、さく杖を収納する為に銃床下部に取り付けられたラム・ロッド・パイプの内、最後部のパイプ (Entry Pipe) は外れやすくなっており、取り扱いの際には注意が必要です。 真鍮製のトリガー・ガードやバット・プレートについても、適度な時代が付いた良い雰囲気となっており、銃床への取り付けについてもがたつきもなくしっかりとしています。 前後スリング・スイベルには現状固着等は見られません。 リア・サイトの切り替えについては問題なく行う事が可能です。
本品は和製としては珍しく、ハンマーのハーフ・コック位置を備えています。 作動については完全で、ハンマーのハーフ/フル・コックはしっかりと掛かり、フル・コック位置でトリガーを引くと、ハンマーがスムーズに落ちます。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) いますが、火穴は現状抜けていません。 パーカッション・ニップルには現状目立った欠けや変形等は見られません。 ハンマーの打撃面の縁に僅かに欠けが見られますが、殆ど気にならないレベルのものです。
本品は漫画家の松本零士先生のコレクションの中の一挺で、国内に同じ品は二挺とない珍しい独特な和洋折衷の形状をした品です。 (KK)(MM)
【登録証情報】
(種別: 管打ち式銃砲、全長: 109.6cm、銃身長: 75.0cm、口径: 1.7cm、銘文: 無銘)
【その他の情報】
令和5年8月10日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 漫画家の松本零士先生の旧蔵品です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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