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ベルギー製 水平二連 管打式ショットガン (登録証付古式銃、Lassence-Rongé社製) |
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価格(税込)
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\880,000 |
商品番号
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【9587】 |
英 名
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Belgian Side-by-Side Percussion Shotgun by Lassence-Rongé |
種 類
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古式銃(登録証付)、散弾銃、水平二連&三連銃、東京店在庫品、X候補、松本零士先生旧蔵品 |
国 名
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ベルギー |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,220mm |
口 径
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17mm |
装 弾
数
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2発 |
在 庫
数
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限定1品 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【ベルギー製 水平二連 管打式ショットガン (Lassence-Rongé社製) について】
水平二連ショットガンは、18世紀頃のフリント・ロック式 (燧石式、火打石式) ショットガンに起源を持ち、狩猟用として広く普及した、伝統ある形態の散弾銃です。 二本の銃身を水平に並べた構造は、飛翔する鳥や野生動物を効率的に射撃する為に最適化された形であり、今日に至るまでショットガンの基本形として親しまれています。 技術的な発展においては、まずフリント・ロック式から始まり、より確実な管打式 (パーカッション式) へと進化しました。 さらに19世紀にはピン・ファイア式弾薬の発明によって後装式が一般化し、最終的には安全性と信頼性に優れたセンター・ファイア式弾薬の導入により、現代的なショットガンの基礎が築かれました。 18世紀末から19世紀前半にかけて、水平二連ショットガンには美しい縞模様を持つダマスカス銃身が広く用いられ、特に高級散弾銃の象徴となりました。 しかし、19世紀後半には、より均質で強度に優れた近代的な鋼材が普及し、ダマスカス銃身は次第に姿を消していきました。 1870年代には操作性に優れるハンマー・レス式の機構も確立されました。 このようにフリント・ロックからパーカッション・ロック、その後米国以外のヨーロッパではピン・ファイア、そして最後にセンター・ファイアと撃発機構は発展を遂げましたが、基本的な構造は左右にサイド・ロックを備えた外観となっています。 しかしながら、水平二連は左右に銃身を配置する構造上、照準点が僅かにずれるため、遠距離での精度に制約があり、また銃身の幅が広がる事で視界がやや制限されるといった実用上の弱点が存在しました。 そのため、20世紀初頭に入ると、上下に銃身を配置した上下二連式のショットガンが登場しました。 上下二連ショットガンは視界が広く、照準の自然さや反動の分散に優れるため、射撃精度が向上するといったメリットがあり、クレー射撃など競技射撃の分野では次第に主流となっていきました。 それでもなお、水平二連ショットガンは独特のクラシックな外観と欧州における伝統的な狩猟文化との結びつきにより、現在でも多くの愛好家に支持されています。
本品はベルギー・リエージュのLassence-Rongé (ラセンス-ロンジェ) 社が製造した品で、典型的なヨーロッパ製の管打式水平二連ショットガンのスタイルとなっており、銃身はラウンド形状のダマスカス銃身を左右に並べたものとなっています。 銃身は1本のバレル・ウェッジにより銃床に固定される構造となっています。 銃身下部には鉄製のラム・ロッド・パイプを備えています。 トリガーは左右のハンマー用に1本ずつ設けられており、前方のトリガーで右側、後方のトリガーで左側のハンマーの撃発を行います。 本品の銃把から銃床下部にかけては、大海蛇 (Sea serpent) と思われる生き物の頭が上下逆さまに浮き彫りにより施されており、銃床右側面のチーク・ピースの縁には大海蛇の尻尾と思われる彫刻が施された豪華な造りとなっています。
本品の左右のパーカッション・ロックは、ハンマーがロック・プレート最前部に配置された、「バック・アクション パーカッション ロック (Back-Action Percussion Lock)」と呼ばれる方式となっています。 このバック・アクション式は、ヨーロッパではポピュラーな方式でした。 フリント・ロックからパーカッション・ロックへの移行期 (1800年前期) には、当たり金 (フリズン) の名残から、ハンマーはサイド・ロック・プレートの比較的後方に配置されていました。 バック・アクション・ロックのハンマーは、ロック・プレートの最も前方に配置されており、鉄製のサイド・ロック・プレートが、木部に最も負担のかかるグリップ部分まで覆っている事から、補強の観点からも優れたデザインとなっていました。
Lassence-Rongé社は、19世紀前半から中期にかけてベルギー・リエージュに所在した銃工です。 リエージュは当時ヨーロッパ有数の銃器生産地であり、多くの個人工房や小規模メーカーが集積していましたが、その中でも同社は特に美しい仕上げと高級銃器の製作で知られていました。 同社の活動は1830年代にはすでに確認されており、1842年から1859年にかけてリエージュのプルーフ・ハウスに登録されていた記録が残っています。 さらに、1862年にもリエージュのVinave d'Ile地区での活動が確認されており、少なくとも1860年代初頭までは活動を続けていた事が裏付けられます。 製品の特徴としては、ダマスカス鋼銃身や植物文様を施したパーカッション・ロックなど、装飾性と精巧さを兼ね備えた意匠が挙げられます。 また、同社の製品には豪華な木製ケースや多彩な付属品が添えられる事も多く、それらは貴族階級や上流階級の需要に応じて製作されたと考えられます。 さらに、同社の銘は豪華な騎兵用サーベルやオリエンタル様式の刀剣にも見られ、銃器以外の分野にも関与していたことが分かります。 現存する作品はいずれも美術工芸品としての価値を備えており、同時代のリエージュ銃器工業の水準を示す好例となっています。 (KK)
【本個体の説明】
本品の右側のロック・プレートには「LASSENCE-RONGÉ」のメーカー名が入っており、左側のロック・プレートには「À LIÈGE」の刻印が確認出来ます。
本品は全体に適度な時代が付いた良い雰囲気となっており、銃身や機関部、トリガー・ガードといった鉄部は、大部分がブラウン・パティーナと呼ばれる薄い表面錆に覆われ、やや打ち傷や経年による褪色の他、一部に表面錆痕や朽ち込み痕は見られるものの、目立った欠損等は見られず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 木製銃床については、若干の打ち傷や線傷が見られる他、バット・ストック右側面後部に強度に影響のない程度のひびが見られるものの、全体としては現状大きな破損等は見られず、概ね良好な状態が保たれています。 また、銃床に施された大海蛇の彫刻についても良好に残っています。 傷み易いバット・プレート部については、やや時代錆や若干の表面錆痕は見られるものの、目立った変形等は見られず、銃床への取り付けもがたつきもなくしっかりとしています。
作動については完全で、左右のハンマーともにハーフ/フル・コックはしっかりと掛かり、フル・コック位置でトリガーを引くと、ハンマーがスムーズに落ちます。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 ハンマーやパーカッション・ニップルには現状目立った欠けや変形等は見られません。 木製のさく杖が付属いたします。
本品は漫画家の松本零士先生のコレクションの中の一挺です。 (KK)
【登録証情報】
(種別: 管打ち式銃砲、全長: 122.0cm、銃身長: 81.5cm、口径: 1.7cm、銘文: L.A S SENCE-RONGE LIEGE)
【その他の情報】
令和5年8月10日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 漫画家の松本零士先生の旧蔵品です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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