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英国 バーンズ & ベンジャミン パテント 後装式カービン(試作品、銃砲刀剣類登録証付古式銃、敦賀縣 壬申四四五号) |
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価格(税込)
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\2,750,000 |
商品番号
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【9576】 |
英 名
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English Byrnes & Benjamin Patent Breech-loading Carbine |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、東京店在庫品、松本零士先生旧蔵品 |
国 名
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イギリス |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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957mm |
口 径
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12,5mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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限定1品 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【バーンズ & ベンジャミン パテント 後装式カービン について】
A.バーンズ (A. Byrnes) とH.ベンジャミン (H. Benjamin) のパテントに基づいて1868年頃に英国で製造されたと考えられる、極めて珍しい後装式の単発管打式小銃です。
本銃の設計は、1862年にバーンズが取得した英国特許#1908を改良し、1863年12月にバーンズとベンジャミンが取得した特許#3308に基づいたものとなっています。 本銃はパーカッション・ニップル取り付け部の後方に、開閉するブリーチ・ブロックを備えた後装システムを備えた構造となっています。 ブリーチ・ブロック右側面にはロック・リリース用のレバーを備えており、レバー後部を押し込む事により、ブリーチ・ブロックのロックが解除されます。 この状態でブリーチ・ブロック後部を持ち上げると、ブリーチ・ブロックと蝶番により連結された円筒状の遊底が機関部内で後方にスライドし、薬室内に紙薬包式の弾薬を装填する事が可能となります。 弾薬の装填後は、遊底を前方にスライドさせ、ロック・リリース・レバーを押し込みながらブリーチ・ブロックを閉鎖状態に戻します。 ブリーチ・ブロックを閉鎖すると、ブリーチ・ブロック下部の角形の突起が遊底の後方に配置され、遊底が完全に閉鎖状態となります。 尚、ブリーチ・ブロック後端は、機関部の内壁により保持されます。 この一連のブリーチ・ブロックの開閉操作は、ハンマーがフル・コックされていない状態で行う事が可能です。
バーンズ & ベンジャミン パテントに基づく小銃は、1864年に英軍が実施した次期後装式小銃の選定試験に向けて開発され、トライアルの結果却下されたと推定されますが、現時点では本銃がトライアルに参加したという記録は確認されていません。
本銃と同様の構造を持つ小銃は、ごく少数が試作されたのみと考えられており、英国の王立砲兵博物館 (Royal Artillery Museum) 収蔵個体など、海外でもごく少数しか現存が確認されていません。 尚、バーンズ & ベンジャミン パテントに基づいた同様の後装式システムを備えた小銃は、フランスのサン=テティエンヌ造兵廠でも試作されており、1865年に同造兵廠の管理責任者であったフェリックス・エスコフィエ (Félix Escoffier) の監督下で製造された.577口径の騎兵銃サイズの小銃が1挺確認されています。
本品はロック・プレートに「1868」の刻印が打刻されている事から、1868年に製造された事が窺えますが、製造者を示す刻印は一切確認出来ません。 しかしながら、銃床のフロント・エンド・キャップやバレル・バンドの形状に英国製騎兵銃の特徴が見られる事から、英国で製造されたと考えられます。 口径は他の現存個体が.577口径であるのに対し、本品は実測約12,3mm (.48口径) とやや小口径となっており、銃身内には6条のライフリングが施されています。 また、現存する他の個体では、サイド・ロックがエンフィールド小銃など従来の前装管打式小銃からの流用と思われる形状となっていますが、本銃のサイド・ロックはいずれの個体とも異なるもので、ハンマーがロック・プレートの最前部に取り付けられているバック・アクションと呼ばれる形状が特徴です。 このバック・アクションの軍用銃はフランスやベルギーなどヨーロッパ大陸ではポピュラーですが英国ではブラウンズウィック・ライフル(Brunswick Rifle)など少数にとどまります。本品は典型的なエンフィールド型の銃床にフランス風のバック・アクションが如何にも試作品感を出しています。(KK)(MM)
【本個体の説明】
本品のサイド・ロックには製造年を示すと思われる「1868」の刻印が確認出来ます (理由は不明ですが、「6」の刻印は左右反転して打刻されています)。 また、ブリーチ・ブロック内部、ハンマー、トリガー・ガード、各部のネジ等にアッセンブリー・ナンバーと思われる「1」の数字が確認出来ます。
本品は全体に適度な時代が付いた良い雰囲気となっており、銃身や機関部、トリガー・ガードといった鉄部は、やや打ち傷や時代錆の他、若干の表面錆が見られるものの、目立った欠損等は見られず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 木製銃床についても、やや打ち傷や線傷が見られる他、トリガー・ガードやロック・プレート、バット・プレート周辺の木部に僅かな欠け及びヘアライン・クラックが見られるものの、全体としては大きな破損等は見られず、各部の取り付けもがたつきもなくしっかりとしています。 傷み易いバット・プレートについては、やや時代錆や表面錆痕は見られるものの、現状目立った変形等は見受けられません。 リア・サイトの起倒については問題なく行う事が可能です。 鉄製のさく杖が付属いたします。
作動については完全で、ハンマーを起こした際のハーフ/フル・コックはしっかりと掛かり、トリガーを引くとハンマーがスムーズに落ちます。 特徴的なブリーチ・ブロックの開閉についても問題なく行う事が可能です。 銃身は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 銃身内は錆等も比較的少なく、ライフリングもはっきりと確認出来ます。 パーカッション・ニップルにはやや時代錆は見られるものの、現状目立った欠けや変形等は見られません。
【壬申刻印について】
本品の銃身基部上面には「敦賀縣」の刻印が入っており、銃床の銃把上面には「壬申四四五号」の壬申刻印が入っています。 「壬申刻印」とは古式銃の一種の戸籍番号に相当します。
明治4年に明治陸軍は主力小銃の統一化を図る為、旧藩に残る銃砲の種類、挺数の把握が急務となりました。 翌明治5年 (1872年、壬申) 1月から、太政官布告第28号第五則の「銃砲取締規則」によって、私蔵されていた銃砲の「我が国初の管理統制」が始まりました。 廃藩時に旧藩は旧家臣に軍用銃を下付した事例が多く見られ、旧士族の家には一挺の軍用銃があったとも言われています。 それらの銃はその後市中に大量に出回り私蔵されていました。 銃砲取締規則ではこれらの私蔵されていた銃砲について、管轄庁 (東京と大阪は武庫司) に持参して改刻印式によって番号、官印を受ける (これが明治5年度であれば壬申刻印と番号) 事が義務付けられました。 同時に管轄庁は同人名と番号を管轄鎮台に届け出て、鎮台より武庫司にそれらが提出される仕組みになっていました。 この調査は明治20年代頃まで銃砲調査が行われましたが、明治5年 (1872年=壬申) の調査が最も大々的に行われ、今日この種類の刻印の内90-95%が壬申の年に行われた事から、古式銃に打たれた漢字の刻印をまとめて「壬申刻印」と呼ばれています。 本品は「敦賀縣」及び「壬申四四五号」の刻印が入っている事から、明治5年に敦賀県に届け出が行われた品である事が判ります。 敦賀縣 (敦賀県) とは、明治4年 (1871年) に越前国今立郡・南条郡・敦賀郡および若狭国一円の区域をもって発足した県で、1873年(明治6年)に足羽県が編入され、その範囲はほぼ現在の福井県全域に相当します。
本品は漫画家の松本零士先生のコレクションの中の一挺です。 国外でも殆ど現存していないバーンズ & ベンジャミン パテント 後装式カービンまで所持されていたとは、流石と言うほかありません。 本品は、現存する他の個体とはサイド・ロックの形状が異なり、同一形状の品は世界的にも存在しない可能性が高いと考えられます。 また、英国で少数が試作された後装式小銃が日本国内に現存していたという点も、非常に興味深いものがあります。 (KK)
【登録証情報】
(種別: 管打ち式銃砲、全長: 95.7cm、銃身長: 54.5cm、口径: 1.25cm、銘文: 無銘)
【その他の情報】
令和5年8月10日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 漫画家の松本零士先生の旧蔵品です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
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