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英国 ウィルソン 2バンド 歩兵銃 (銃砲刀剣類登録証付古式銃、#A4768) |
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価格(税込)
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\2,200,000 |
商品番号
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【9569】 |
英 名
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Wilson 2 Band Breech-loading Rifle |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、東京店在庫品、松本零士先生旧蔵品 |
国 名
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イギリス |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,239mm |
口 径
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14mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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限定1品 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【ウィルソン 2バンド 歩兵銃 について】
ウィルソン小銃は、トーマス・ウィルソン (Thomas Wilson) が取得した1859年5月28日付の特許#1318および1860年10月12日付の特許#2488に基づく後装装置を使用した、管打式 (パーカッション式) の施条銃です。 本銃のベースとなったのは.577口径のエンフィールド小銃で、口径は同じ.577口径となっており、銃身内には5条のライフリングが施されています。 撃発装置はエンフィールド小銃に類似したサイド・ロックの雷管外火式となっています。 本銃のような雷管外火式の後装システムは、「Capping Breech-loading System」と呼ばれています。 後装式という構造を除けば、エンフィールド小銃とほぼ同じスペックを有しています。 1850年代後半から1860年代にかけて、前装式を後装式に改造するシステムが数多く発明されましたが、軍用として制式に採用されたものを除き、ほとんどが量産されることはなく、ウィルソン小銃もその一つでした。 さらに、前装式から後装式に改造された軍用銃であっても、当初から後装式として設計・開発された小銃が登場するにつれ徐々に取って代わられ、最終的には姿を消していきました。 このような装填方式の転換期に登場した銃を研究することは、その後登場した(手動)連発銃や現代の自動小銃へ至る銃砲史を理解する上で非常に重要です。
ウィルソン小銃のような後装式銃は、古くは直動鎖せん式と分類されていました。 この構造は、円柱状の遊底が銃身に対して直線的に前後に動いて、薬室を開閉するものです。 遊底は閉じた際には完全密閉にはならず、横から楔 (くさび=Wedge) 状の部品により固定される事から、「横栓銃」とも呼ばれました。 この楔は、ハンマーが落ちた状態でのみ右方向に引き抜く事が出来ます。 また、本銃は円柱状の遊底の把手が海老の尻尾に似ていることから「海老尻尾 (英語では 'Fish tail bolt end')」とも呼ばれました。 この海老尻尾部分にはチェッカリングが施されており、握りやすいデザインになっています。 遊底の把手は、遊底が閉じている間はスプリングのテンションによって下方に押し下げられる構造となっています。
ウィルソン小銃は、前装式エンフィールド小銃の後継主力小銃として、英軍のトライアルに提出されました。 1864年10月12日付の英軍兵器選定委員会の報告によると、ウィルソン小銃は提出された47種類の中から最終トライアルに進んだ9挺に選出されました。 最終トライアルには、ウィルソン以外にモント・ストーム、グリーン、ウエストリー・リチャーズ (モンキー・テイル)、ジョスリン、シェパード、スナイドル (スナイダー) が選ばれました。 しかし最終的に、エンフィールド小銃からの改造コストが低く、操作が容易で堅牢性に優れたスナイドル小銃が次期英国主力小銃として採用されました。 その結果、ウィルソン小銃は採用されず、少数の製造に留まり、世界的にも非常に希少な銃となっています。 尚、ウィルソン小銃は日本にも輸入され、西南戦争で使用された記録が残っています。
弊社に入荷したウィルソン小銃は、全て銃身長33インチ (84cm) の2バンド・モデルで、海外の現存個体を確認しても2バンド・モデルが多く見られます。
トーマス・ウィルソンはその後、T. Wilson & Co.を設立し、.50口径のストレート・プル ボルトアクション ライフルを開発しましたが、量産には至りませんでした。 本銃の特許が、彼の唯一の成功例であると言えるでしょう。 ウィルソン小銃は、後装式への移行期における重要な技術的進化を象徴するものとなっています。 (MM)(KK Updated)
【本個体の説明】
本品の銃身上面には「T. WILSON'S PATENT」のパテント刻印が打刻されており、遊底上部のカバーの上面にもこれを略した「T.W P」の文字が逆三角形の中に入ったパテント刻印が入っています。 銃身基部上面には小さな王冠とトーマス・ウィルソンの頭文字である「T W」の文字を組み合わせた刻印の他、シリアルNo.A4768が打刻されています。 このシリアルNo.は遊底及び遊底上部のカバーとまっちしています。 ロック・プレートには王冠刻印及び製造年を示す「1867」の刻印の他、ヤシの木と「R B」の文字を組み合わせた刻印が確認出来ます。 このヤシの木の刻印については現時点では詳細は不明ですが、弊社で取り扱った別個体のウィルソン小銃でも同様の刻印が確認されています。 銃身左側面後方には英国のバーミンガム (Birmingam) のプルーフ刻印が打刻されています。 銃口側から最終検査刻印 (Definitive Proof Mark)、ゲージ刻印 (25は.577口径を表します)、製造所検査刻印 (View Mark)、ゲージ・テスト刻印 (25は.577口径を表します)、暫定検査刻印 (Provisonal Proof Mark: 1855-1904年の間にバーミンガム・プルーフ・ハウスで実施された、ライフリングを切る前の銃身の検査刻印) で、典型的なバーミンガム銃器製造協会会員のメーカー製である事を示す刻印です。
本品は古式銃としては比較的良好な状態が保たれており、銃身や機関部といった鉄部は、やや打ち傷や経年による褪色、若干の表面錆は見られるものの、目立った欠損等は見受けられません。 真鍮製のフロント・エンド・キャップやトリガー・ガード、バット・プレートについては、適度な時代が付いた良い雰囲気となっており、若干の打ち傷を除いて目立った腐食等は見受けられません。 木製銃床については、やや打ち傷や線傷は見られるものの、現状目立った割れや欠け等は見られず、概ね良好な状態が保たれています。 前後のスリング・スイベルには現状固着等は見られません。 リア・サイトの起倒・調整については問題なく行う事が可能です。
作動については完全で、ハンマーのハーフ/フル・コックについてはしっかりと掛かり、フル・コック位置でトリガーを引くと、ハンマーが力強く落ちます。 遊底の開閉についてもスムーズに行う事が可能で、特徴的な把手のスプリングのテンションもしっかりと掛かっています。 銃身は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 銃身内は錆等も比較的少なく、ライフリングが深くはっきりと確認出来ます。 パーカッション・ニップルについても、現状目立った欠けや変形等は見られません。 ニップル・ガード及びチェーンが付属しています。 ニップル・ガードは革製のパッド部分に欠損が見られます。 オリジナルの鉄製さく杖が付属いたします。
【壬申刻印について】
本品の銃身上面には「壬申二千八百八十五番 岡山縣」の壬申刻印が入っています。 「壬申刻印」とは古式銃の一種の戸籍番号に相当します。
明治4年に明治陸軍は主力小銃の統一化を図る為、旧藩に残る銃砲の種類、挺数の把握が急務となりました。 翌明治5年 (1872年、壬申) 1月から、太政官布告第28号第五則の「銃砲取締規則」によって、私蔵されていた銃砲の「我が国初の管理統制」が始まりました。 廃藩時に旧藩は旧家臣に軍用銃を下付した事例が多く見られ、旧士族の家には一挺の軍用銃があったとも言われています。 それらの銃はその後市中に大量に出回り私蔵されていました。 銃砲取締規則ではこれらの私蔵されていた銃砲について、管轄庁 (東京と大阪は武庫司) に持参して改刻印式によって番号、官印を受ける (これが明治5年度であれば壬申刻印と番号) 事が義務付けられました。 同時に管轄庁は同人名と番号を管轄鎮台に届け出て、鎮台より武庫司にそれらが提出される仕組みになっていました。 この調査は明治20年代頃まで銃砲調査が行われましたが、明治5年 (1872年=壬申) の調査が最も大々的に行われ、今日この種類の刻印の内90-95%が壬申の年に行われた事から、古式銃に打たれた漢字の刻印をまとめて「壬申刻印」と呼ばれています。 本品は「壬申二千八百八十五番 岡山縣」の刻印が入っている事から、明治5年に岡山県に届け出が行われた品である事が判ります。
本品は漫画家の松本零士先生のコレクションの中の一挺です。 オリジナルの状態が良好に保たれ、機能的にも完全な品です。 (KK)
【登録証情報】
(種別: 管打ち式銃砲、全長: 123.9cm、銃身長: 80.7cm、口径: 1.4cm、銘文: R B)
【その他の情報】
令和5年8月10日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 漫画家の松本零士先生の旧蔵品です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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