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エンフィールド 2バンド ライフル (銃砲刀剣類登録証付古式銃、R. T. Pritchett, London製) |
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価格(税込)
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\385,000 |
商品番号
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【9560】 |
英 名
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Enfield 2 Band Rifle mfd. by R. T. Pritchett, London |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、東京店在庫品、松本零士先生旧蔵品 |
国 名
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イギリス |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,222mm |
口 径
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14mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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限定1品 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【エンフィールド 2バンド 小銃 について】
原型はエンフィールド Pattern 1853 ライフルで、イギリスのエンフィールド造兵廠で開発されたライフリングのある前装式の小銃(施条銃、Rifled Musket)です。 フランスで開発・実用化されたミニエー弾のパテント1851年に英軍需省が取得し、これに改良を加えたエンフィールド弾を使用します。 ミニエー弾の原型は、1836年にロンドンの有名なガンスミスであったウィリアム・グリーナー (William Greener) が開発したドングリ型鉛製の弾頭で、底部に窪みがあり木片で埋められていました。 ミニエーはこの弾頭の周囲に凸型の溝をつけ、底部の木片をコルクに変更しました。 ミニエー弾は、16世紀には既に開発されていたライフリングを銃身内に施した銃と組み合わせて使用されました。 ミニエー弾は発射時の圧力で押し込まれたコルクが鉛弾の底部を外側に膨張させ、弾頭周囲の溝の凸部がライフリングに食い込んで密着して圧力の漏れを防ぎ、ライフリングによる回転を弾頭に与える事に成功しました。 これにより滑腔式小銃では有効射程が50から100ヤードほどしかなかったのに対し、ミニエー弾を使用する小銃では300ヤード (約270m)、最大射程は1000ヤード (約914m) にまで延びました。 尚、実際にエンフィールド 3バンド歩兵銃のリア・サイトの目盛りは1,000ヤードまで設定されていました。 弾頭と装薬 (黒色火薬) は紙製薬筒に包まれており、表面が蜜蝋と動物性油脂の混合物でコーティングされていました。 この弾薬は命中性能が向上しただけではなく、高速で回転した弾頭が体内で変形し致命的な銃創となりました。 また、汚れた動物性油脂にまみれた弾頭が感染症を引き起こし、負傷兵にさらなるダメージを与えました。
日本でも幕末に大量のエンフィールド銃が輸入され、滑腔式であったゲベール銃に対して圧倒的な威力を発揮しました。 日本ではエンフィールドが訛ってエンピロール銃とも呼ばれた他、サイド・プレートにTOWERの刻印が入っている事から、通称タワー・ライフルや漢字で鳥羽 (トバ=タワー) ライフルと呼ばれる事もありました。
Tower軍用刻印はロンドン塔にあった英国政府の銃砲検査機関で軍用として耐えうる品質検査された証です。 同じエンフィールド小銃でもTOWERの刻印の代わりに民間メーカー刻印だけが入っている品もあります。 通常は王冠刻印のみのBirminghamで製造された品の多くが米国に送られ南北戦争に於いて両軍で使用されました。 英国国営造兵廠製か国営造兵廠コントラクト製の品には王冠の下に「V.R」の刻印が入っています。 当時の英国はBirminghamとLondonに集中しており、この王冠はBirmingam銃器製造協会会員のメーカーで製造された品です。 一方、Londonにあったメーカーで作られた品には通常この王冠はなく、メーカー名が入っていました。
エンフィールド Pattern 1853ライフルから更なる改良が施され、Pattern 1856、Pattern 1858、Pattern 1859、Pattern 1860、Pattern 1861といったモデルが採用されました。 エンフィールド小銃は大きく分けて銃身長が短い2バンドと長い3バンド、そしてカービン・モデルを始め多くのバリエーションが製造されました。
Pattern 1856は.577口径のエンフィールド小銃としては初の短小銃 (2バンド) モデルで、33インチ (84cm) の銃身が装備されていましたが、登場時期が遅かったため当時英国が参加していたクリミア戦争に投入される事はありませんでした。 Pattern 1856短小銃は戦列歩兵連隊や小銃旅団、第60連隊、ケープ植民地軍、王立カナダ小銃連隊といった部隊のあらゆる下士官に支給されました。 Pattern 1856小銃のライフリングや弾薬はPattern 1853小銃の物と同様でしたが、銃身がより肉薄となっており、重いヤタガン銃剣を装着すると銃身が曲がってしまう恐れがあった他、連続射撃後に銃身周囲に陽炎が発生するといった欠点が有りました。 Pattern 1856 Type II (No.2) とも呼ばれるPattern 1858はPattern 1856の改良型で、銃身自体はP1856と同じ物が使用されていましたが、ストックがより長い物へと変更された他、P1856では銃身に設けられていた着剣ラグがフロント・バンドへと移される等の強化が行われています。 英国海軍は1858年にPattern 1856小銃と同様のモデルを採用しましたが、この海軍モデルでは銃身がPattern 1856小銃に比べて肉厚となった他、ライフリング条数が3条から5条となり、ライフリング・ピッチも1:48インチとより転度の大きなものに変更されており、命中精度が向上していました。 その後、英国陸軍でもこの海軍モデルと同様のモデルを1860年に採用しました。 この陸軍モデルは海軍モデルと異なり、トリガー・ガードやバット・プレート、ノーズ・キャップ等が真鍮製ではなくケースハードン仕上げの鉄製となっていました。 また、海軍モデルではリア・スリング・スイベルがトリガー・ガード前方に設けられていたのに対し、陸軍モデルではトリガー・ガードよりも後方に取り付けられている点も異なります。 尚、1858年以降に製造された全てのエンフィールド小銃及び短小銃では、銃身内のライフリングの深さが薬室から銃口に向かって浅くなる方式 (Progressive Depth Rifling) へと変更されました。 (MM)(KK)
【本個体の説明】
本品は英国ロンドンのR. T. Pritchett社により製造された、エンフィールド 2バンド ライフルです。本銃を製造したロバート・テイラー・プリチェット (Robert Taylor Pritchett, 1828-1907) は、銃器製造者であり画家でもあった多彩な人物で、彼の父リチャード・エリス・プリチェット (Richard Ellis Pritchet) はエンフィールド造兵廠の責任者でした。 ロバート・プリチェットは、キングス・カレッジ・スクール卒業後、家業の銃器製造に関わるようになりました。 彼の功績の一つとしてよく知られているのが、1853年に銃器設計者ウィリアム・エリス・メトフォードと共同で開発した、プリチェット弾と呼ばれる新型の弾丸です。 プリチェット弾は中空の弾底部にプラグが挿入されておらず、発射ガスの圧力で弾底部が拡張してライフリングと嵌合する革新的な設計で、政府から1000ポンドの賞金を受け、エンフィールド小銃用の弾薬として制式採用されました。 しかしながら、プリチェット弾の製造には高い精度が必要とされ、さらに銃身と弾丸の隙間が小さかった事から、過酷な環境でプリチェット弾を使用した際に装填不良となる等のトラブルが多発しました。 そのため、その後弾底部に木片を挿入したエンフィールド弾に置き換えられる事となりました。 本品のロック・プレートには、やや表面錆により判読が難しいものの、「R. T. PRITCHETT LONDON」のメーカー刻印が確認出来ます。 また、銃身基部左側面には、英国のLondon Proof Houseで1637年から使用されている「王冠にGP」の刻印 (Definitive Proof=最終耐久テスト終了刻印) 及び1670年から1955年まで使用された「王冠にV」の刻印 ((View Mark=目視検査終了刻印) が確認出来ます。 本品の全長は2バンド ライフルに準じたもので、銃床先端のノーズ・キャップやトリガー・ガード、バット・プレートは真鍮製となっており、リア・スリング・スイベルはバット・ストック下部に設けられています。
本品は全体に適度な時代が付いており、銃身や機関部といった鉄部は、打ち傷や時代錆が見られる他、銃身やリア・バンド、スリング・スイベル等にやや朽ち込み痕や痩せが見受けられます。 木製銃床については、やや打ち傷や線傷、若干の欠けの他、バット・ストック後部右側面に一部補修痕が見られるものの、現状大きな破損等は見られず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 真鍮製のノーズ・キャップやトリガー・ガード、バット・プレートについては適度な時代が付いた良い雰囲気となっており、やや打ち傷は見られますが、現状目立った腐食や変形等は見られません。
作動については完全で、ハンマーのハーフ/フル・コックはしっかりと掛かり、フル・コック位置でトリガーを引くと、ハンマーが力強く落ちます。 銃身は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 銃身内はやや表面錆は見られますが、3条のライフリングは比較的はっきりと確認出来ます。 パーカッション・ニップルについても、やや打ち傷は見られるものの、現状大きな欠け等は見受けられません。 リア・サイトの起倒・調整についても問題なく行う事が可能です。 鉄製のさく杖が付属致します。 ニップル・ガード及びチェーンも付属していますが、ニップル・ガードは革製のパッド部分が欠品しています。
本品は漫画家の松本零士先生のコレクションの中の一挺です。 (KK)
【登録証情報】
(種別: 管打ち式銃砲、全長: 122.2cm、銃身長: 83.5cm、口径: 1.4cm、銘文: □□□□□ LONDON)
【その他の情報】
令和5年8月10日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 漫画家の松本零士先生の旧蔵品です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
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