 |
|
|
|
 |
【TKS/D】和製 六連発 ペッパーボックス (砲金製「焼手腐らかし」文様) (登録証付古式銃、壬申二百六十八) |
|
 |
 |
|
 |
|
|
▲クリックで拡大画像をご覧いただけます。 Copyright© Chicago Regimentals Co. , Ltd. All Rights Reserved. |
価格(税込)
|
SOLD OUT |
商品番号
|
【9414】 |
英 名
|
Japanese made Gunmetal Pepperbox |
種 類
|
古式銃(登録証付)、【TK】、Curio Magazine 記事候補、松本零士先生旧蔵品 |
国 名
|
日本 |
時 代
|
第一次大戦前(〜1914) |
全 長
|
231mm |
口 径
|
11mm |
装 弾
数
|
6発 |
在 庫
数
|
SOLD OUT |
画像について
|
画像は現物です。 |
コメント
|
【和製 六連発 ペッパーボックス (砲金製「焼手腐らかし」文様、壬申二百六十八)について】
本品は日本製で、撃鉄と引金そして内部部品を除く金属部分が全て砲金製の珍しいペッパーボックス・ピストルです。 幕末に雷管式銃砲が欧米から輸入されるようになってから、国内でも様々な構造の短銃が作られました。 本品は砲金製で6本の銃身を連結させて作ってあり、欧米のペッパーボックスのように鋳造の円柱型のブロックからの削り出しではありません。 本体全体(銃身を除く全て)は「焼手腐らかし」という日本の伝統的な技法で斑(まだら)仕上げになっています。「焼手腐らかし」とは、真鍮などの地に模様を耐腐性の塗料で描き、その周囲を酸で腐蝕させることにより文様を浮彫り状とする技法です。 腐食により荒れた地肌や微妙な凹凸が独特の風合いを醸し出します。150年余の時を経た砲金地の風合いと相まって、腐らかし手法によって表れた文様は見事です。 日本刀の鍔など小道具(刀装具)作成で培われた技法を銃に施した逸品です。この様な仕上げは鍔や鐙では扱ったことはありますが、銃に施された品は弊社でも初めて見ました。 象嵌などを用いて華美に仕上った品より侘び寂びを感じさせる作りです。
和製のペッパーボックス自体が非常に少ないですが、通常は一発目を発射した後は手で銃身を回転させて次弾を発射する構造になっています。 日本製の単発銃や双連銃身銃は構造的に単純で比較的現存数が多くありますが、本品のような回転式は複雑で、当時の優秀な銃工でもこの構造を理解できる者は少なかったと思われます。
本品の内部構造は欧米のメカニズムではなく、歯車を用いた日本独自(鉄砲鍛冶が独自に考えた)のアイデアで作られており、欧米のペッパーボックスには必ずあるシリンダー・ストップが当初から組み込まれていない構造になっています。(MM)
【ペッパーボックスについて】
ペッパーボックス ピストル(Pepper box pistol)とは、シリンダー(回転式弾倉)とバレル(銃身)が一体化(銃身と薬室が一体化)になった黎明期のリボルバー拳銃です。 形状が「コショウ挽き」に似ていることから単にペッパーボックスと呼ばれています。 西部開拓時代初期の米国やヨーロッパ(米国より長い期間)で流行した拳銃の一種です。 一般的には、薬室と一体化した銃身を複数本束ねたものを回転させる事で、装填動作を省略し連射を可能とした銃器の事を指しますが、特に引き金を引くだけで回転連射が可能な「ダブル・アクション機構」を持つ護身用の小型拳銃を指していました。
このペッパーボックスは、複数の独立した銃身を束ねるのではなく、レンコンのような穴を銃身とする一つの塊を鋳造したので頑丈で大量生産が可能でした。 シリンダーとバレルが一体鋳造型である為、口径を大型化すると重心が前方に偏る欠点がありました。 また、シリンダーと一緒に銃身も回転する事から、固定銃身に比較すると命中精度が劣ってしまう点も有り、1850年代後半にはそのほとんどがその姿を消す事になりました。 その他、一発発射すると装填された弾が全弾暴発して発射されてしまう「チェーン・ファイア」を引き起こすと言った問題もペッパーボックスの欠点と言われていました。 しかしながら、この問題はペッパーボックスに限らず、当時のパーカッション式回転拳銃全般が抱えていた不具合でした。 また前方に銃身のないペッパーボックスでは、「チェーン・ファイア」が発生した場合にも全弾が飛び出すだけで、銃本体にはダメージを引き起こさないといった利点もありました。 固定銃身の拳銃で「チェーン・ファイア」を起こすと致命的なダメージを銃本体と射手に及ぼしました。
【本個体の説明】
鋳造砲金製の本体は程良い時代色が出ており、品質も丁寧な手作りであることが判ります。 時代的にはメカニズムの技術やネジなどの小部品の出来の良さから、かなり熟練した洋式銃製造の経験が豊かな銃工によって作られた品でしょう。 シングル・アクションのみの構造で、作動は完全です。 木製グリップは良質な材質で傷も殆ど見られず、当時の艶も完全に残っています。 グリップは取り付けのガタつきも見られない完全な品です。
【壬申刻印について】
本品の鉄製のハンマー(撃鉄)の根元に「壬申二百六十八」の刻印が入っています。 「壬申刻印」とは古式銃の一種の戸籍番号になります。 明治4年に明治陸軍は主力小銃の統一化を図る為、旧藩に残る銃砲の種類、挺数の把握が急務となりました。 翌明治5年 (1872年、壬申) 1月から、太政官布告第28号第五則の「銃砲取締規則」によって、私蔵されていた銃砲の「我が国初の管理統制」が始まりました。 廃藩時に旧藩は旧家臣に軍用銃を下付した事例が多く見られ、旧士族の家には一挺の軍用銃があったとも言われています。 それらの銃はその後市中に大量に出回り私蔵されていました。 銃砲取締規則ではこれらの私蔵されていた銃砲について、管轄庁 (東京と大阪は武庫司) に持参して改刻印式によって番号、官印を受ける (これが明治5年度であれば壬申刻印と番号) 事が義務付けられました。 同時に管轄庁は同人名と番号を管轄鎮台に届け出て、鎮台より武庫司にそれらが提出される仕組みになっていました。 この調査は明治20年代頃まで銃砲調査が行われましたが、明治5年 (1872年=壬申) の調査が最も大々的に行われ、今日この種類の刻印の内90-95%が壬申の年に行われた事から、古式銃に打たれた漢字の刻印をまとめて「壬申刻印」と呼ばれています。
澤田平氏著「日本の古銃」のP.184に「砲金製国産管打式ペッパーボックス」として掲載されている書載品です。
弊社では100挺以上の和製の洋式古式拳銃を扱っていますが、本品のように凝った品は初めてです。幕末の一時期、十数年の間にしか作られなかった和製洋式拳銃は研究分野としては非常に興味深いカテゴリーです。 本品は漫画家の松本零士先生のコレクションの中の一挺で、さすが日本一の洋式銃コレクターの旧蔵品と言える和製の品も一級品です。 東京店在庫品 (MM)
【登録証情報】
(種別: 管打式銃砲、全長: 23.1cm、銃身長:9.1cm、口径:1.1cm、銘文: 無銘)
【その他の情報】
昭和63年4月21日に東京都教育委員会で交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。漫画家の松本零士先生の旧蔵品です。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
|
|
|
 |
|
|
 |
|
 |
|
 |
|  |