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【TKS/D】火縄銃 出雲一匁射的筒 鯉ノ滝昇色絵象嵌 丸ニ九枚笹紋(古式銃、雲州母里住六代目藤原信友作) (戸)53 |
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価格(税込)
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SOLD OUT |
商品番号
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【9099】 |
英 名
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Japanese Matchlock Musket, made in IZUMO |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、東京店在庫品、火縄銃地方鉄砲鍛冶、【TK】 |
国 名
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日本 |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,323mm |
口 径
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実測9mm強 |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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SOLD OUT |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【火縄銃 出雲一匁細筒 鯉ノ滝昇色絵象嵌 「丸ニ九枚笹紋」金象嵌家紋(在銘: 雲州母里住六代目藤原信友作) 「鳥取縣改印」について】
本品の口径は実測9mm強で、一匁玉を使い、全長1,323mmに対して銃身長が1,060mmと長い火縄銃の中でも射的筒と呼ばれる特殊な品です。また非常に珍しい出雲国(現在の島根県東部)の鉄砲鍛治が作った最高傑作でもあります。
山陰地方は江戸時代最も鉄砲鍛冶が少ない地方で、全国鉄砲鍛冶地域別分類(P.248-P.255)によると但州(但馬國[たじまのくに] =現在の兵庫県北部)に9人(内8人が国友系の鍛治)、因州(因幡國 [いなばのくに]=現在の鳥取県東部)に17人(内7人が榎並系の堺鍛治)、伯州(伯耆国[ほうきのくに]=現在の鳥取県中部・西部)に僅か2人、雲州(出雲國[いずものくに]=現在の島根県東部)12人、石州(石見國[いわみのくに]=現在の島根県西部)11人の合計51人となっています。
本品の銃身下面には「雲州母里住六代目藤原信友作」の銘が刀鍛治銘の様に大きく堂々と、それは見事に切られています。「藤原信友」は「全国鉄砲鍛冶銘鑑」のP.262、及び「全国鉄砲鍛冶銘地域別分類」のP.253に掲載されています。
「藤原信友」の銘がある現存品の中に「安政六年(1859年)」の年記が入った品が確認されていますので、江戸時代末期の安政年間(1855-1860年)の幕末の鉄砲鍛治と考えられます。 本作品には大きく「六代目藤原」と銘に切ってあり、他に藤原姓の鉄砲鍛冶は一人しかいないので、刀工雲州住藤原冬廣(室町-江戸初期)の系統ではないかと推測されます。 なお母里藩(能義郡)は鉄の産地で 有名です。
雲州母里(もり)は出雲国の母里藩で、松平家時代初期から置かれた松江藩の支藩です。 江戸時代中期までは神戸藩(かんべはん)と呼ばれ、伯耆国(ほうきのくに)との国境(くにさかい)に近い出雲国東部の地、現在の島根県安来市伯太町西母里に位置します。能義郡母里の母里陣屋に藩庁が置かれました。 母里藩は 元治元年八月の長州征伐では戦略上の要衡となり、江戸表から多くの藩士が下り国元守衛の任につきました。 幕末の母里藩は財政的に厳しく洋式装備に後れをとっており火縄銃などの旧式装備で動乱期を迎えたと言われています。 本品は江戸時代末期、幕末維新の動乱期に高位の出雲武士によって使用されたかと思うと想像が膨らみます。
銃身の元目当の後ろには金象嵌の「丸に九枚笹紋」(まるにきゅうまいざさもん) の家紋が入っています。 戦国武将の竹中半兵衛の家紋として有名です。
銃身の元目当の前から銃口近くまで「下が笹が描かれた滝壺、上が紅葉」の「鯉ノ滝昇リ」図が銀象嵌を主に使い、金と色絵象嵌が施されています。「鯉ノ滝昇リ」は立身出世の意味を持っていることから、この文様は古くから縁起のよいものと考えられています。 鯉が流れの激しい滝を登る=滝を逆流するほど勢いがある様子を表しています。 また人の出世する様子を表す諺としても使われます。「栄達」や「立身出世」という意味で、滝の流れに立ち向かう鯉は障害を乗り越える忍耐強さの象徴とされ、古くから武家に人気のある文様です。
本品の形状は銃口部が僅かに広がった柑子の無い八角銃身。 先目当は上部に銀の刃が付いた台形で後部の角を斜めに落としてあります。 元目当は前部が斜めに落ちた凝った「片袖の一種」で両方とも比較的小振りです。台 (銃床) の前部分の先台の角は落として丸みがあり、銃身に対して台の高さは浅くもなく深くもありません。 銃身は三ヵ所の目釘により台と固定される構造となっています。 その各目釘穴の飾金具は六ヵ所が桜花で、台カブ左側面の三ヵ所、下部の一ヵ所をが全て同じサイズの桜花で統一されています。 台木は木目が美しい玉杢と呼ばれる上質の赤樫材のようで、艶のある仕上げが施されています。台カブの庵はアールは滑らかに緩く下がっており、台カブは小型ではですがやや張っており、握りの部分が絞ってあり握り易い独特の形状になっています。幅が約26mmの広い胴金が付き、その後ろの銃尾まで約24.5cmしかない、銃身長に比べ遥かに小型の台カブになっています。 シルエットだけを見るとどこの筒か全く想像がつかない、他にはない形状をしています。 もし無銘であれば国友の特注品と思ってしまいます。 地域的に近い長州筒、備前筒、中国瀬戸内地方の筒(弊社では讃岐筒と呼ぶ) とは全く異なりほぼ共通点はありません。
胴金の後ろ台カブ上部前方や左側面の真鍮製飾板、背割金具や背割端金具はなくシンプルなイメージですが、やや大きめの矢袋金具はあって真鍮板に雲の毛彫りが施されています。台カブの左側面に菊花を意匠化した上品な火縄消の穴があります。 真鍮管で作られた実用的な火縄通しもあります。火皿の反対側の木部左側面に「鳥取縣改印」と読める焼き印が入っています。 部分的な特徴は芝引金が一枚の真鍮板を使った大きな剣先形で、上部はシンプルな帯状になっています。後方の一角が撫肩の正方形の引金で、用心金は真鍮製で太く小型(指を入れる部分が狭い)なので指が太いと使い難いサイズです。 カラクリは外カラクリ (蟹目カラクリ) で、カラクリの地板金や火挟、胴金、雨覆、火蓋、引金といった部品は真鍮製となっています。 蟹目隠しは立派な半花菱形になっています。引金は一見正方形にも見えますが、後部の角が少しアールの付いた形になっています。 雨覆はかなり小さく分厚くなった珍しい形で、それを留める楔に斜めの線が入った縄形で凝った作りです。 火蓋は立派な「袋火蓋」でツマミ部分が長い台形になった非常に珍しい形です。 一見すると個性が強い形状ではありませんが、どこの地方にも似ておらず、砲術流派も特定出来ません。 これらは注文主の好みと思われるので、出雲地方の特徴ではないと思われます。台(銃床)の左側面にお隣の県の「鳥取縣改印」の焼印(最後の「印」の漢字は確かではありません)が入っているので、山陰地方で作られて山陰地方で使用された銃である事が判ります。(MM)
【本個体の説明】
本品の筒 (銃身) を含む鉄部は落ち着いた色合いの黒錆に覆われていますが、これは当時の日本における防錆方法であった錆付けによるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 傷み易い銃床に隠れる銃床下面についても、やや錆は見受けられますが、大きな欠損等は見受けられず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 銃身下部の三ヵ所の目釘金具と銃床の目釘穴の位置は合っており、銃身と銃床はピッタリと合っています。台カブの下面の駒形に古傷がありますが時代感があって全く目立ちません。
銃身内は銃口から銃身後端まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 尾栓についてもスムーズに取り外す事が可能となっています。 銃身内部は目立った朽ち込み等も見受けられず良好な状態が保たれています。 カラクリの作動については完全で、火挟を起こした状態で引金を引く事により火挟がスムーズに落ちます。 火蓋の開閉についても問題なく行う事が可能です。代用のかるか (さく杖) が付属致します。
本品は時代と使用感は多少ありますが非常に健全で真面目な品です。家紋とは別に象嵌入りで焼印も入り、堂々とした銘が素晴らしく、非常に保存状態も良い品です。 本品の一番の値打ちは珍しい出雲鉄砲鍛冶である事。 資料的な希少価値も高く2024年度後半最高の細筒です。(MM)
【登録証情報】
(種別: 火なわ銃式火器、全長: 三尺五寸/分/厘(=106.0cm)、反り: /分/厘(=0.0cm)、目くぎ穴三個、銘文: 雲州母里住六代目藤原信友作)
【その他の情報】
昭32年4月9日に大分教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 銃口から薬室まで通っている事を確認済みです。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約160年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
本品各部データ
目釘座: 桜花合計6個
矢袋金具: 真鍮製雲図
背割金具: 無
胴金: 真鍮製幅広約25mm
火挟: 真鍮製
雨覆: 真鍮製 分厚く非常に小さい
楔: 真鍮製 大型で縄目文様
火蓋: 大きな袋火蓋でツマミが長い台形
芝引金: 真鍮製 大きな剣先で上部はシンプルな帯(長方形)
台カブ飾金具(右): 無
台カブ飾金具(左): 無なれど火消しの穴あり
火消しの穴: 菊花文
鋲座金: 真鍮製 桜花左側面3個
地板: 真鍮製
カラクリ: 外からくリ(蟹目カラクリ)
疣隠し: 半花角紋
背割端金具: 無
矢倉鋲裏痤: 真鍮製 桜花
火縄通しの穴: 真鍮製管
火縄下げの輪: 無、基部は桜花
胴金後部金具: 無
矢倉鋲痤: 蛇目
用心金: 真鍮製で太く小さい
用心金座: 前は楕円形、後ろは嵌め込み
引金: 大きな一角が撫肩の正方形
引金座: 長方形
駒型金物: 無
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