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火縄銃 阿波十匁中筒 梅樹色絵象嵌(銃砲刀剣類登録証付古式銃、在銘: 惣巻張 阿州石川喜代藏守照) (愛) |
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価格(税込)
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\1,430,000 |
商品番号
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【8962】 |
英 名
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Japanese Large-caliber Matchlock Gun, AWA Style |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、東京店在庫品、Curio Magazine 広告掲載品、✕ |
国 名
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日本 |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,002mm |
口 径
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19mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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限定1品 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【火縄銃 阿波十匁中筒 (在銘: 惣巻張 阿州石川喜代藏守照) について】
口径が19mm、全長が1,002mm、銃身長699mm、重量が9.9kgのかなり大型の十匁中筒で、抱きかかえるようにして射撃をしました。
本品は珍しい阿波筒の中筒です。 阿波筒は細筒であればかなり特徴的なので、一見して阿波の鉄砲であることが判りますが、中筒〜大筒に関しては現存品も少なく研究があまり進んでいません。 しかしながら阿波の中筒/大筒も特徴があります。 細筒と同じですが銃身が肉厚で銃身の太さに比べ口径が小さいことです。 更に他国の中筒では丸銃身の上部一面だけが平らな「表一角」が圧倒的に多いのに比べ、八角銃身であり八角柑子を持つ品が多いこと、照準器に特徴があり、元目当ての形状は阿波中筒定型の凝った「透かし袖型」であること、銃床後部 (台かぶ) 部分が大きく短いこと、台 (銃床) は明るい色合いが多く、中筒であっても虎柄の縞目がある品もあることなどが上げられます。
本品は誠に立派な中筒で、重量が約10kgもあります。 特筆すべき点は台かぶの形状が特異でかなり太く、通常の中筒とはかなり形状が異なります。 阿波中筒/大筒の特徴でもありますが、本品は際立っており他では見ない立派なものです。 実用を考えるとかなり構え難く特別な射撃法 (流派) があったと思われます。
引金の後方にはナマコ金が設けられています。 火挟は鉄製です。 徳島城博物館の企画展「阿波の鉄砲〜鉄砲からみた阿波史」の図録にも同様の形状の中筒が掲載されていました。 徳島藩の砲術、流派が他国と違うのでしょう。 この特殊な形状の中筒が使われていたようです。 筒 (銃身) は八角銃身で、柑子も八角となっており、また銃身は肉厚で一見二十匁以上の大きさがあるように見えますが、実際の口径は19mmで十匁です。 阿波中筒の掟通りです。 元目当ても阿波中筒で見られる典型的な「片透かし」です。 目釘穴の飾り金具は阿波の特徴でもある六星で合計8カ所揃っています。 当然作者は阿波の鉄砲鍛冶です。 本品は阿波中筒の掟を全て押さえており、更にこれからの研究が必要な特殊な台かぶを備えた興味ある一挺です。
銃身上面には梅樹を高彫に見事に描いており、金銀銅を巧みに使った色絵象嵌で仕上げています。 銃身の上部前方には「丸ニ立ち葵紋」が施されています。
本品は在銘で、銃身下面には「惣巻張 阿州石川喜代藏守照)」の銘が切られています。 石川喜代藏守照は「全国鉄砲鍛冶銘鑑」P.17及び「全国鉄砲鍛冶銘地域別分類」P.300にも阿州住として掲載されている銃工です。 堂々と切られた銘は鏨(タガネ)の運び、勢いから真正の品です。(MM)
【本個体の説明】
本品の筒 (銃身) は、全体にやや経年による褪色や小傷、若干の表面錆等は見受けられるものの、大きな欠損等は見受けられず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 銃身上面の象嵌や銃身下面の銘についてははっきりと確認出来ます。 銃身下面の目釘金具と台 (銃床) の目釘穴の位置は3箇所とも一致しています。 尚、目釘は付属しています。
台 (銃床) は下面に「壬申 千九百二十番 名東縣」の刻印が入っています。 「壬申刻印」とは古式銃の一種の戸籍番号になります。 明治4年に明治陸軍は主力小銃の統一化を図る為、旧藩に残る銃砲の種類、挺数の把握が急務となりました。 翌明治5年 (1872年、壬申) 1月から、太政官布告第28号第五則の「銃砲取締規則」によって、私蔵されていた銃砲の「我が国初の管理統制」が始まりました。 廃藩時に旧藩は旧家臣に軍用銃を下付した事例が多く見られ、旧士族の家には一挺の軍用銃があったとも言われています。 それらの銃はその後市中に大量に出回り私蔵されていました。 銃砲取締規則ではこれらの私蔵されていた銃砲について、管轄庁 (東京と大阪は武庫司) に持参して改刻印式によって番号、官印を受ける (これが明治5年度であれば壬申刻印と番号) 事が義務付けられました。 同時に管轄庁は同人名と番号を管轄鎮台に届け出て、鎮台より武庫司にそれらが提出される仕組みになっていました。 この調査は明治20年代頃まで銃砲調査が行われましたが、明治5年 (1872年=壬申) の調査が最も大々的に行われ、今日この種類の刻印の内90-95%が壬申の年に行われた事から、古式銃に打たれた漢字の刻印をまとめて「壬申刻印」と呼ばれています。
本品の壬申刻印と共に入っている名東縣 (みょうどうけん) とは、1871年12月26日から1876年8月21日にかけて阿波国・讃岐国・淡路国を範囲としていた県で、県庁所在地は徳島でした。 本品には愛媛県教育委員会交付の銃砲刀剣類登録証が付いている事から、本品が壬申刻印の打刻された明治5年から登録証が交付された平成25年までの間に隣県の愛媛県に移動した事が窺えます。
台 (銃床) についても、全体に艶の有る仕上げが良好に残っておいます。 カラクリの地板や胴金、ナマコ金といった真鍮部品については適度な時代感が付いた良い雰囲気となっています。 カラクリの作動については完全で、火挟を起こした状態で引金を引くと火挟がスムーズに落ちます。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 火蓋の開閉についても問題なく行う事が可能です。 尾栓もスムーズに取り外しが可能です。 木製のかるか (さく杖) が付属致します。
弊社では日本唯一の古式銃専門店として数多くの火縄銃を扱っておりますが、本品はその中でも「阿波の中筒」の特徴を備え、美しい象嵌と相まって名品中の名品とまで言える品は多くはありません。(MM)
【その他の情報】
平成25年5月17日に愛媛県教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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