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火縄銃 肥後一匁目細筒 雲龍文「隅立テ角ニ平釘抜紋」銀象嵌 (銃砲刀剣類登録証付古式銃、在銘なれど不明)(西)㊲ |
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価格(税込)
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SOLD OUT |
商品番号
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【8874】 |
英 名
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Japanese Matchlock Musket |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発 |
国 名
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日本 |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,347mm |
口 径
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8mm (実測9mm) |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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SOLD OUT |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【火縄銃 肥後一匁目細筒 雲龍文「隅立テ角ニ平釘抜紋」銀象嵌 (銘不明)について】
本品は「在銘なれど不明」のため、銘文だけからはどの地方の鉄砲鍛冶によって製造されたかは定かではありませんが、形状から肥後國(現在の熊本県)で作られた肥後筒と特定できます。肥後筒は外見上の特徴が著実であるため、無銘の品であっても容易に見分けがつきます。
本品は口径が一匁目(約9mm)の細筒、または小筒です。 細筒の中には銃身や台木など全体に豪華な装飾が施された物が多く見られますが、実用に徹した細筒も少なくありません。 これらの火縄銃は主に武道の一つとして砲術を修めた武士が使う射的用(標的射撃)や武士が嗜みで行った狩猟用として製造されました。 本品は銃身に立派な雲龍文が施されていることから、上級武士の持ち物であったのではないでしょうか。
本品は全長134.7cm、銃身長105.8cm、口径8mm (実測9mm)、重量約○○kg の標準的な細筒(小筒)の長さですが口径が小さく細りとしています。
銃身はすらっと伸びた八角銃身で、寸の詰まった八角柑子が先台から僅かに飛び出しているのが肥後筒の大きな特徴で、銃口から約2cmと銃口から直ぐに玉縁があります。寸の詰まった狭い八角柑子の上に小さな先目当は正方形の台の上に銀製の点状(ポスト・サイト)になっています。元目当は前部が小振りの筋割で、後部が前部が透かしの様に降り曲がっており肥後筒い多い形です。 銃身上面の元目当の前後に本歌の上手な「雲龍宝珠ノ図」が銀象嵌により施されています。また銃身後端から約15cmほどは波頭の中に「隅立テ角ニ平釘抜紋」の銀象嵌が施されています。銃身は銃床に対して4箇所の目釘で固定される構造となっています。
【龍図について】
龍は水に潜み、空を飛んで雲を起こし雨を呼ぶ霊力があるとされる想像上の動物です。 古代中国では龍は皇帝の象徴とされ、日本でも縁起の良さや長寿を表すものとして昇龍・降龍図が描かれました。 不動明王が龍の姿になって襲いかかってきた異教徒の剣を飲み込もうとした逸話から龍や龍が巻きつく倶利伽羅剣(くりからけん)は破邪の象徴として武士に好まれ、武具や刀装具の題材に用いられていますが、火縄銃で出来の昇龍図は中々ありません。 加えて、仏教においては龍は如意宝珠(にょいほうじゅ)を手にしていることによりどんな願いでも叶えることができる神通力を持っていて、それ故に煩悩があり解脱することができませんが宝珠の玉を離せば悟りを開くことができるとされました。 本品は「降龍図」の名の通り、天から地上へ降りていく龍が描かれております。 龍は宝珠の玉を手にしておらず、龍の後方、銃口側に描かれた宝珠の玉を振り返って見ているようです。日本における龍は、中国伝来の仏教における龍が日本古来からあった蛇神信仰を基に、民間の龍神・龍王・龍宮の信仰と混交したために様々なイメージを内包しており「降龍図」に関しても解釈は多岐に渡ります。 本品の降龍図は一風変わっており、解釈の余地がございます。 視点を変えと銃口側に宝珠の玉を配しているところから、鉄砲の玉と宝珠の玉を掛けた洒落も感じられる味わい深い意匠です。
本品の銀象嵌で龍の爪や歯、鱗、そして雲が描かれています。肥後象嵌で有名なお国柄だけあり、象嵌細工には素晴らしいものがあります。
銃身は豪華で台(銃床)には飾りが少ない装飾を控えた作りとなっています。台には桜花の座金で飾られています。台(銃床)は虎杢がでた材料を使っているのも肥後筒の特徴です。 カラクリは外カラクリ(蟹目カラクリ)となっており、火挟の軸部分はシンプルな小さな丸型で、肥後筒に多い極小の孔があいた水滴型の疣隠し(蟹目)隠しが取り付けられています。 幅が狭い(約8mm)胴金で雲形板がは当初からありません。 地板の幅が狭く後端の下部がなぜか小さくカットされており、他の地域では見ない肥後筒の特徴です。 肥後筒の大きな特徴は一見堺筒や長州筒の様に角の張った比較的大きな台カブですが、厚みがなく全体的に面取りされています。 駒型は台カブの厚みがない分幅が狭く、横から見ると水平にスパッと切れており、その断面が長いのも特徴です。 庵の上部後端には比較的小さめの剣先形の芝引金が付いています。 引金は水滴形で、比較的小さな用心金 (トリガー・ガード) の前部が垂直に下に降りてカーブを描いているものの90°曲がってストレートに台カブ前部に嵌め込みされているのも肥後筒の特徴です。 矢倉鋲の上下の飾り金も桜花で、地金鋲裏と4ヶ所と、目釘周りの6ヶ所の合計14ヶ所が揃いの桜花になっています。引金穴周りの飾り金具は真鍮製の長方形です。火縄消しの穴はシンプルな円形の真鍮製の窪み型で、火縄通しの穴や台カブ側面の飾り金具が無いのも掟通りで、堺筒や長州筒とは大きく異なります。 木部全体的に角を落とした(面取りされた)丸みを帯びた作りです。特に先台の9割が大きく角を落としてあります。(MM)
【本個体の説明】
本品の筒(銃身)は薄い黒錆に覆われていますが、これは当時の日本における防錆方法であった錆付けによるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 筒の状態は比較的健全な状態が保たれています。 銃身下部の目釘金具と銃床の目釘穴の位置は4箇所とも一致しています。 台カブ下方に一ヵ所当たり傷がある他は、全く気にならない小傷とスレがあるだけで、時代感はありますが非常に健全で、真鍮の時代色も良いです。
尾栓は現状では固着していますが、ねじ込み部分の基部には大きな錆は出ておらず、外れそうに見えます。 カラクリの作動については良好で、火挟を起こした際のロックは掛かり、火挟が起きた状態で引金を引くと、火挟が落ちます。 木製のカルカ (さく杖) が付属致します。 銘が判読でいませんが、肥後筒は外見上の特徴が著実に現れた掟を全てクリアした「ザ・肥後筒」と呼ぶに相応しい品です。 象嵌も美しくお勧めの一挺です。(MM)
【登録証情報】
(種別: 火なわ式銃砲、全長: 134.7cm、銃身長105.8cm、口径0.8cm、銘文: 不明)
【その他の情報】
令和6年9月19日に東京都教育委員会で交付されたばかりの銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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