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火縄銃 土佐十二匁中筒 風雷神銀象嵌 (天保十五歳辰七月吉日同国 土州住三渓猿吉正弘所持 畠山平吉郎重金作) |
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価格(税込)
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\1,100,000 |
商品番号
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【8716】 |
英 名
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Japanese Large-caliber Matchlock Gun, TOSA Style |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、東京店在庫品、Curio Magazine 広告掲載品、✕ |
国 名
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日本 |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,075mm |
口 径
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20mm (実測◯◯mm) |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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限定1品 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【火縄銃 土佐十二匁中筒 風雷神銀象嵌 (在銘: 天保十五歳辰七月吉日 同国 土州住三渓猿吉正弘所持 畠山平吉郎重金作)について】
銃砲刀剣研究会「入念作」の鑑定書付です。 銃身の上に大きく銀象嵌により入っている「風雷神」の三文字が見事です。 「風雷神」とは「人間が怖れを抱くほどの偉大な力を見せる天然現象のうち、最も身近に起こり最も代表的な強風と雷鳴とをそれぞれ神格化したもの」を表し、火縄銃の象嵌としては相応しい三文字です。
本品は口径が20mm (十二匁五分程度)、重量約6,95kgの中筒と呼ばれるクラスの軍用火縄銃で、全長は1,075mm、銃身長は710mmとなっています。 軍用の中筒は一般に6匁筒(15,8mm)〜10匁筒(18,7mm) 前後で、それ以上は大筒と呼ばれる事もあります。 大筒の定義は定かではありませんが、抱えて射撃の不可能な50匁筒(33mm)以上の品を通常は大筒と呼ぶようです。
本品は在銘で、銃身下面には「畠山平吉郎重金作」の銘が切られています。 全国鉄砲鍛冶名鑑 P.246及び「全国鉄砲鍛冶銘地域別分類」P.281にその銘が土州 (=土佐国、現在の高知県) 住の鉄砲鍛冶として掲載されています。
また、「天保十五歳辰七月吉日」の年記も入っています。 天保十五年(1844年)は辰年に当たりますので、「天保十五年(辰年)七月吉日」で合っています。
銃身後部下方に「同国 土州住三渓猿吉正弘所持」と所持人銘も刻まれている入念作です。 江戸時代後期に土佐國に住んだ士族でもある「猿吉正弘」の経歴を調べるのも興味深いでしょう。 更に銃身を外した台木の中には、現時点では全文の判読は出来ていないものの、「嘉永七宝春三谷□□□□□」で始まる墨書きがあります。 また、次の行には「田村楠次郎所持」の墨書きも入っています。 嘉永七(年)は1854年で、銃身の天保十五年(1844年)の10年後になります。
本品の筒(銃身)は後方に向かって広がった丸銃身で、その上面だけを平らにした「表一角」と呼ばれる形状となっており、銃口部周りには筋立ての施された見事な八角柑子が設けられています。 本品の先目当は「三角形の杉形」で後部はなだらかにカーブして低くなっています。 元目当は「千切透し」となっており、同じく二回りほど小さい「千切透し」の中目当ても付いています。 先目当後部の狙点には銀と思われる別金属が点状に埋め込まれています。 銃身は台(銃床)に対して3箇所の目釘により固定される構造となっています。 カラクリは内カラクリ (蟹目カラクリ) で、カラクリの地板金や胴金、雨覆、火蓋、節のある楔、引金、芝引金、ナマコ金といった部品は真鍮製となっており、火挟本体は鎬が施された鉄製で火縄の保持部分のみ真鍮製となっています。 これも土佐の中筒に比較的多くみられる特徴です。 引金には用心金は設けられておらず、引金後方の銃床下部の銃把部分にナマコ金と呼ばれる強度を増す為の真鍮製の部品が取り付けられています。 引金とナマコ金は完全に独立した配置ではなく、引金を引いた際にナマコ金前部の空洞部分に引金後部が入り込む構造となっています。 これも土佐の中筒に多くみられる特徴です。 台カブは小さく後部が垂直にすっぱり切れ、そこに真鍮製の芝引金が銃尾の全てを覆う床尾板になっているおり、象ノ鼻と呼ばれる台カブ後部に輪束穴があるこれらの点も土佐中筒の共通点です。
特に土佐で製作された土佐筒と呼ばれる火縄銃の最大の特徴として、カラクリ地板の固定方法が挙げられます。 土佐筒では一般的な火縄銃のようにカラクリの地板が表側から鋲で固定される構造ではなく、地板の裏面に設けられた2箇所の固定金具に対して、銃床上面 (庵背) から2本の矢倉鋲を用いて固定する独特の構造を有しています。 本品の地板についても上記のような土佐筒特有の固定方法が採られています。 (MM)
【本個体の説明】
本品の銃身は鉄味も良く若干の表面錆等は見受けられるものの、大きな欠損等は見受けられず、銃床に隠れる銃身下部等の傷み易い部分も含めて良好な状態が保たれています。 銃身下部の目釘金具と銃床の目釘穴の位置は3ヵ所とも一致しています。 真鍮製の目釘が3本付属しています。 銃床は上質な赤樫材と思われる、どちらかと言えば濃い色合いになっており縄目の木目も出ており、高級品に相応しい作りになっています。 時代感はありますが漆仕上げも全体に残っています。 銃床に小傷やスレが若干見られますが、それほど気になりません。 銃床両側のシノギ目 (目釘穴) の穴の周りは真鍮製の小さな蛇目で飾られています。 台カブ上面にある二ヵ所の矢倉鋲穴の周りと台カブ下面にある一ヵ所金具についても、シノギ目と同じ真鍮製の蛇目になっています。 いずれもほぼ同じ大きさの蛇目合計10個で統一されています。 カラクリの地板金や胴金、雨覆、火蓋といった真鍮部分についても、良い時代感がついています。 銃身内は銃口から銃身後部まで綺麗に整備され抜けて (通って) おり、火穴も完全に通っています。 尾栓はかなり朽ち込んで変形しており現状では固着しています。 しかし、ネジ込み部分の基部には大きな錆は出ておらず、外れそうに見えますが現時点で無理な力を加えて外そうとは試みていません。 カラクリの作動については至極完全で、火挟を起こした際のロックはしっかりと掛かり、火挟が起きた状態で引金を引くと、火挟が力強く落ちます。 木製のかるか (さく杖) が付属致しますが、取り外しは非常に固くなっています。
「天保十五歳辰七月吉日 同国 土州住三渓猿吉正弘所持 畠山平吉郎重金作」の銘は大きく堂々と切られており、かなりの長銘ですが完全に判読ができ、銘振りから真正品である事は間違いありません。 銀象嵌の剥離もありません。
本品は典型的な土佐中筒の特徴を備え、長銘(年記、所持人銘)、台の墨書き、銀象嵌、鑑定書が付いた弊社一押しの品です。 (MM)
【その他の情報】
昭和39年8月4日 [平成27年2月26日再交付] 大阪府教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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