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火縄銃 堺十匁中筒 松平日向守飾之・三葉葵金象嵌/左二ツ巴銀象嵌「如撃石火似閃電光」銀象嵌(在銘:榎並屋勝三郎作)栗㉕ |
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価格(税込)
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表示製作中 \1,540,000 |
商品番号
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【8715】 |
英 名
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Japanese Large-caliber Matchlock Gun, SAKAI style |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、東京店在庫品、Curio Magazine 広告掲載品 |
国 名
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日本 |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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873mm |
口 径
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19mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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表示製作中 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【火縄銃 堺馬上中筒 松平日向守飾之 丸に三葉葵金象嵌、左二つ巴銀象嵌 「如撃石火似閃電光」銀象嵌 (在銘: 榎並屋勝三郎作)について】
本品は口径が約19mm (十匁)、全長が873mmm、銃身長が583mmmと口径の割には細っりとした中筒ですが、実用と言うよりは儀式用ではないかと思います。
本銃に施された象嵌各種
金布目象嵌 三葉葵紋
銀平象嵌 左二ツ巴紋
銀平象嵌「如撃石火似閃電光(金銀象嵌陰陽勾玉巴紋)」
銀平象嵌 「雷紋」「鋸歯(ぎょし)文」「唐草文」
金布目象嵌師銘: 松平日向守飾之
銀布目象嵌 桜花文様(火鋏)
(在銘: 榎並屋勝三郎作)
本品は在銘品で、筒 (銃身) 下面に「榎並屋勝三郎(えなみや かつさぶろう)[花押]」の銘が切られています。 榎並屋勝三郎は摂州・堺の鉄砲鍛冶で、「全国鉄砲鍛冶銘鑑」P.48及び「全国鉄砲鍛冶銘地域別分類」P.201に「摂州住」と掲載されています。
先目当と元目当ての間に約45cm長(長方形)雷紋枠の中にぎっしりと「如撃石火似閃電光(金銀象嵌陰陽勾玉巴紋)」の文字が銀象嵌で入っています。
「如撃石火」は「碧巌録(へきがんろく)」という中国の禅書に出てくる文章の一部です。日本語では「げきせっかのごとく」と読み「石をたたいて火花がぱっと散るが如く」と訳します。
後半はおそらく先述の碧巌録の「如撃石火似閃電光」をもじったものではないでしょうか。 元の文が「石をたたいて火花がぱっと散るが如く、稲妻が走るかのようだ」という意味で、「如撃石火砲閃電炎」は「石をたたいて火花がぱっと散るが如く、瞬く間に炎を撃つ」といった意味合いだと推測されます。火縄銃に相応しい言葉です。また「如撃石火似閃電光」の文字の下に金銀象嵌で「陰陽勾玉巴紋」も入っています。 「陰陽勾玉巴紋」とは二つの巴の隙間のない家紋ですが、道教のシンボルとしても有名で、その方面では(陰陽魚)太極図と呼ばれています。
本品の銃身は後方に向かって緩やかに広がった太く短い丸銃身で、上面のみ平坦となった「表一角」と呼ばれる形状となっています。 銃身上面前後には二ケ所、銃身の太さに合わせて大きさが異なった「三ツ葉葵紋」が金布目象嵌で施されています。 そして「*右二ツ巴紋」が薬室上部前方に銀平象嵌で施されています。 更に薬室上部には「松平日向守」と、その左側面に「飾之」金布目象嵌で象嵌師銘が入っています。 また元目当から後ろの両側面井と 銃身上面と柑子周りなど外部から見える部分全体に「シルクロード経由で日本に伝来した蔓 (つる) が四方に延びていく様子」から「長寿や繁栄」の意味合いのある縁起柄である「唐草模様」が真鍮象嵌がびっしりと施されています。 全ての金象嵌は布目象嵌で、実射をする火縄銃には「布目象嵌」は向いていないと言われていますが、本品の前所有者の方が許可を取って本銃を前装式射撃で長年使用されていたにも拘わらず、象嵌の剥離はあまりありませんので、「布目象嵌」は江戸時代でも使用されたのは間違いありません。銃口部の周りに前後が筋立てが施された寸の詰まった丸柑子が設けられています。柑子の後ろ約2cmの丸銃身部分に*「鋸歯文」が施されています。
*「右二ツ巴紋」について巴紋は筆で丸い部分から書き始めて、尻尾を払う方向が右なら右巴、左なら巴と名付けられます。一般的な「右二ツ巴紋」より細いので「痩二ツ巴紋」の右巴バージョンだと思います。 しかしながら「右痩二つ巴紋」で検索しても見つからないので「右二ツ巴紋」としました。
「右二ツ巴紋」は信濃国市岡家が使用しているようですが珍しい家紋のようです。巴の文様は古来から世界中に見られる普遍的な文様の一つで日本の家紋としても最古のものと言われています。また、神社に用いられる神紋としても有名で、神紋の半数以上に巴紋が使用されています。また前述の「陰陽勾玉巴紋」と「右二つ巴紋」の両方を家紋に持つ家は現時点では見つけられませんでした。「陰陽勾玉巴紋」の周りに「太極図」同様中国由来の文様で、左巻・右巻で陰陽を表すとも言われている「雷紋」が描かれているので、「陰陽勾玉巴紋」は家紋ではなく「太極図」を示している可能性が高いのではないかとも思われます。
*「鋸歯文」は日本では弥生時代から古墳時代にかけての土器などに多く見られる古い文様ですが、漢代の中国でも使用されているので「如撃石火似閃電光」や「雷紋」と共に装飾を中国由来の文様で揃えているのかもしれません。
銃床両側のシノギ目 (目釘穴) の穴の周りは真鍮製の小さな桜花で飾られています。 台カブ左側面にある三ヶ所の地板鋲裏穴の周りの金具についても、シノギ目と同じ桜花になっています。 いずれもほぼ同じ大きさの桜花合計9個で統一されており、一見台カブの装飾が少ないかとも見える中にも統一性を持たせ、派手な銃身の装飾が引き立ちます。 台カブ後方に「輪束穴」があり、穴の周りは真鍮の管が嵌められています。 巣口 (銃口) は銃身の太さ (約35mm) に比べ大きく、約19mmとなっています。 先目当と元目当は他では例のない凝った作りで、側面から小穴が開いた波型になっています。 銃床の中央部には台カブと同じような円形の真鍮管で「輪束穴」が左右に貫通しています。 本品のカラクリは内カラクリとなっており、カラクリの地板金や火蓋、雨覆、楔、胴金、引金等の部品は真鍮製となっています。 火挟は鎬を施した鉄味の良い鉄製で立体感のある凝った横軸で火挟が固定されています。 これに薄く布目銀象嵌で桜花を散らしてあり、これも上手です。 引金は小孔の開いた変形三角形 (一種の舌形) で、用心金は元々設けられていません。 銃床の後部 (バットプレートに相当する部分) は真鍮製の芝引金で飾られています。 献上品によく見られる黒漆仕上げの銃床にびっしりと入った各種象嵌が映える逸品です。 (MM)
【本個体の説明】
本品の筒(銃身)は全体的に黒錆に覆われていますが、これは当時の日本における防錆方法であった「日本刀の茎 (なかご)」の錆付けと同じ処理方法によるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 銃身上面の「如撃石火似閃電光」の文字や唐草模様などの銀平象嵌大部分にしっかりと残っています。 良好な状態が保たれた非常に良い鉄味が出ています。 「榎並屋勝三郎(えなみや かつさぶろう)[花押]」の銘は若干薄くなっていますが花押まで完全に判読ができ、銘振りから真正品である事は間違いありません。銃身下部の目釘金具の位置は銃床の目釘穴の位置と3ヶ所とも完全に一致しています。 尚、目釘は2本付属しています。 台 (銃床) は極僅かな打ち傷や擦れ等は見受けられるものの、大きな割れや欠け等は見受けられず、全体に当時の黒漆仕上げが残った大変良好な状態が保たれています。 しかしながら胴金後部、台カブ前部情報にヘアライン・クラックが入っていますが、強度的には問題のない状態です。 これは丈量のある中筒や大筒の宿命的な傷です。 反対に若い太い筒にはこの傷は見られないので、古い品と時代の下がった品と時代の若い品の材木の部位の取り方が違たかも知れません。カラクリの作動については完全で、火挟を起こした状態で引金を引くと火挟がスムーズかつ力強く落ちます。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 火蓋の開閉についても問題なく行う事が可能です。 尾栓もスムーズに取り外しが可能です。 木製のかるか(さく杖)が付属致します。
弊社は日本唯一の古式銃専門店として数多くの火縄銃を扱っておりますが、本品はその中でも「扱った事のない各種の沢山の象嵌が施された中筒」です。 このような火縄銃の象嵌や象嵌の文様の研究があまり進んでいませんので、これからの研究が期待される分野の品です。 銃身に施された多くの象嵌を始め黒漆塗りの銃床と見所の多い品です。 本品を使用した武家は特定できておりませんが、これ程の品を使用したのは相当な家柄であったのではないでしょうか? 実戦用ではなく装飾に重点を置いた飾太刀の様に家格を誇示するために作られた逸品と思います。 (MM)
【その他の情報】
昭和54年2月22日に東京都教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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