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【TKS/D】火縄銃 堺細筒 (銃砲刀剣類登録証付古式銃、摂州住山田佐七作) (西)㉞ |
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価格(税込)
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SOLD OUT |
商品番号
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【8697】 |
英 名
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Japanese Matchlock Musket, SANUKI Style |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発 |
国 名
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日本 |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,160mm |
口 径
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13mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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SOLD OUT |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【火縄銃 讃岐細筒 波濤ニ双龍図真鍮銀象嵌 (摂州住山田佐七作)について】
澤田平氏著「日本の古銃」P.83後半に "「摂州堺」とあるから堺筒であり、「江州國友」と刻銘されているために國友筒であると説明するのであれば、何も研究などする必要がなく、無銘の作品に対して寄与するところがない。" と断言されています。 これは大変的を射た言葉として、生産地ではなく注文地が特定されていない品についての弊社商品解説の軸にもなっています。
本品は全体的に短い作りで、薬室付近には波濤を配し、上手な昇龍と下り龍が向き合った波濤ニ双龍図真鍮銀象嵌が入った讃岐国の細筒の逸品です。
本品は在銘で、筒(銃身)下部にはハッキリと「摂州住山田佐七作」の銘が切られています。 摂州住山田佐七は「全国鉄砲鍛冶銘鑑」P.294及び「全国鉄砲鍛冶銘地域別分類」P.234に掲載されている摂州堺の鉄砲鍛冶です。 四国の注文筒の中で、摂州鉄砲鍛冶として山田系の鍛冶は比較的多く見られます。 これは井上関右衛門家が伊予藩と強い繋がりがあったのと同じように、山田系の鍛冶が伊予国を除く四国地方からの注文が多くあったのではないでしょうか。
本品は正に「摂州住」とありながら規格品の「堺筒」とは明らかに異なり、「讃岐筒」と弊社では考えている品です。 形状的 (特にシルエット) には阿波筒に似てはいますが、阿波筒の掟と一致している個所は少なく、阿波筒に似て非なるものです。 阿波筒の亜種 (特別仕様) とは弊社では考えていませんので阿波筒との違いをベースに解説します。
本品は全長が1,160mmで銃身長が862mm、口径13mmの短めの細筒となっています。 銃身は後方に向かってやや広がった形状の筋立が施された八角銃身で、銃口部には芥子柑子が設けられています。 全体的なサイズから見ると阿波筒には殆どないサイズです。 堺筒の特徴でもある膨らんだ芥子柑子には美しく筋立された部分に銀象嵌を施されています。 柑子の後方に真鍮製と思われる縄状の玉縁が施されていますが、阿波筒では帯状で縄状ではありません。 先目当は筋割の上に銀の刃が埋め込まれています。元目当は阿波筒で良くみられる前部が千切透しで後部が筋割を併せた形となっています。 銃身は銃床に4ヶ所の目釘により固定される構造となっています。
台カブ上部のラインが堺筒より緩やかにカーブを描いた阿波国で好まれる形状です。 しかしながら、側面から見れば良く似ていますが、台カブの厚みが阿波筒より比較的薄く仕上げられています。 銘から堺で作られた筒である事は間違いなく、堺筒と同じように装飾性に富んだ作りとなっていますが、一般的な堺筒とは明らかに違う意匠の装飾です。 また、四国東部 (讃岐) 地方の注文品と思われるシルエットと金具の形状は、明らかに通常の堺筒とは異なっています。
阿波筒の最も大きな特徴として人工的な虎目模様が入っていますが、本品も人工的に付けられた虎目模様が確認されます。 銃床の材質 (仕上げ) は阿波筒よりも堺筒に多く見られるものです。 阿波筒と同じく台木 (先台) 下方には金具は無いものの、台締金具後方下部には銀杏形の飾金具に猪目透しが入っています。 阿波筒はシンプルな猪目透しです。 矢袋と呼ばれるカルカを入れる台木 (先台) の先端の部分は、矢袋金具が付かない阿波筒と全く同じ形です。
阿波筒の平均的な幅 (17mm) より幅広 (24mm) の胴金の後ろの台金具後方の銃床上面には、台金から続く兜武者の飾り板が取り付けてあり、高級な阿波筒にしかない装飾が施されています。 台カブ右側面に獅子図の金具、台カブ左側面の火消し穴の飾金物は大きな牡丹図を模した装飾が施されています。 銃床の目釘座やカラクリの鋲裏座金には桜花と小鳥 (二ヵ所のみ) を意匠化した金具が用いられています。 火縄通しの穴の金具は二重十六葉菊図を象った飾りが見られます。 これらの装飾は阿波筒には見られません。 真鍮製のカラクリの地板は、比較的長く幅が狭く、アールは阿波筒より緩いので、台カブ下部のアールとは離れた形状になっています。 芝引金は阿波筒とは全く異なる形状の大き目の真鍮金具になっており、雲の文様が入っています。 引金は舌形の真鍮製でお洒落な透かしが入っており、六角にカットされた真鍮製の用心金が取り付けられています。 用心金の取り付け方法は阿波筒と同じです。 阿波筒と同じ外カラクリです。 横鋲 (よこびょう) と弾金との合わせ目は角が立った角で合わせてあります。 疣 (蟹目) 隠しは、変わった桜紋を半分にした凝った作りで、シンプルな阿波筒とは全く違います。 用心金前部の「火縄の鐶」の基部は「竹」文様で、鐶を通す金具は凝った「節のある竹」となっており、このような形状は「雨覆の楔」ではありますが、「火縄の鐶」の基部に使われているのは高級な讃岐筒にのみ見られます。 引金は真鍮製の舌形の透かしが入っており、真鍮製の断面が角の紀州筒のような用心金が取り付けられています。 用心金の取り付け方法は阿波筒と同じで、用心金基部の飾金具は一対の「竹」と「梅」です。 引金の穴の飾金具は「蓑亀 (みのがめ)」で、これらの飾金具は阿波筒では見られない仕様です。 当初は堺の鉄砲鍛冶に注文した阿波筒の凝った特注品とも思いましたが、別の地方 (讃岐) の特徴としました。 装飾的な部分に特徴が強いため、砲術流派の仕法とは異なると思われます。 (MM)
【本個体の説明】
本品の筒 (銃身) は全体に時代錆が表れており、やや表面錆が散見されるものの、大きな欠損は見受けられず、比較的しっかりとした状態が保たれています。 銃身上面に施された波濤ニ双龍図の真鍮銀象嵌についても、目立った剥落等は見られず、良好に残っています。 銃身下面に切られた「摂州住山田佐七作」の銘についても、やや表面錆は見られるものの、比較的はっきりと確認出来ます。 銃身下部の目釘金具と銃床の目釘穴の位置は4ヶ所とも一致しています。 尚、目釘は付属しておりません。
台 (銃床) についても、若干の打ち傷や線傷は散見されるものの、目立った欠損等は見られず、艶のある仕上げも良好に残っています。 目釘座や鋲裏座金、各部の飾り板についても、現状欠品等は見受けられません。 カラクリの地板や火挟、弾金、胴金、雨覆、火蓋、引金、用心金といった真鍮製の部品についても、やや磨かれてはいるものの違和感は感じられず、現状腐食なども見受けられません。 カラクリの作動については完全で、火挟を起こした際のロックはしっかりと掛かり、引金を引くと火挟がスムーズに落ちます。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 火蓋の開閉についても問題なく行う事が可能です。 時代感はありますが使用感はあまりありません、大事に保管されていたのでしょうか、全体としてはとてもしっかりとした状態が保たれています。
木製のカルカ(さく杖) が付属致します。 (MM)
【その他の情報】
平成7年9月28日に大阪府教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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