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【TKS/D栄】火縄銃 堺細筒 (登録証付古式銃、摂州住芝辻傳左衛門作) (西)㉝ |
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価格(税込)
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SOLD OUT |
商品番号
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【8675】 |
英 名
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Japanese Matchlock Musket, SAKAI Style |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、登録証付古式銃買取品、東京店在庫品 |
国 名
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日本 |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,310mm |
口 径
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13mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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SOLD OUT |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【火縄銃 堺細筒 (登録証付古式銃、摂州住芝辻傳左衛門作) について】
本品は銘から摂州堺で作られたことが判る特注の細筒です。 堺筒でありながら注文主の好みに合わせて作られています。 堺筒に良くみられる「ザ・堺筒」のような既製品ではなく、全く同じ品は存在しないと思われます。 全長1,310mm、銃身長1,010mmの細筒としては標準的な長さの火縄銃です。 口径も13mm (約三匁半) と細筒として標準的な口径となっています。 本品は間違いなく士分の持ち物で、主に武芸の一つとして標的射撃などに使用されました。 派手ではありませんが丁寧に作られた一挺です。
本品は在銘で、筒 (銃身) の下面には「摂州住 芝辻傳左衛門」の銘が切られています。 「芝辻傳左衛門」は「全国鉄砲鍛冶銘鑑」P.188に掲載されている鉄砲鍛冶の一門で、居住地は名古屋、尾州、播州、阿州、摂州といった記載が見られます。 本品は「摂州住」と切られており、摂州堺の鉄砲鍛冶の作品です。
鉄砲鍛冶「芝辻傳左衛門」について
堺五(鉄砲)鍛冶として一番は「榎並屋勘左衛門家」で、江戸幕府の御用鉄砲鍛冶として重用されていました。 二番手は「芝辻理右衛門家」、こちらも「榎並屋勘左衛門家」共に鉄砲年寄として堺の鉄砲鍛冶の中心的地位にありました。 この両家に分家の「榎並屋九兵衛(次右衛門)」、「榎並屋勘七(忠兵衛)」、「芝辻長左衛門」を加えた「年寄」と呼ばれた五鍛冶が平鍛冶と呼ばれた他の鉄砲鍛冶を統制しました(後に榎並屋勘七家と榎並屋九兵衛家が脱落し三鍛冶となる)。 この「年寄」制度は海外のギルド制度と似ており「職業別組合」であり「年寄」は「組合役員」、「平鍛冶」は下請けなどを行う「組合員」でした。 しかしながら、この五鍛冶 (五人衆とも呼ばれた) は幕府御用鍛冶の代表格ではありましたが、国友の「鉄砲年寄」ほどの特権は持っていませんでした。 「芝辻傳左衛門」は「芝辻家」の数ある分家の一つであったと考えられますが、これほどの技量を持った鉄砲鍛冶であるため、さらなる情報が欲しいところです。 平鍛冶の運命でしょうか、後世に残っているのは出来の良い作品だけです。
徳川美術館の収蔵品の中に「火縄銃 三匁五分筒 在銘: 鋼藤巻張 嘉永五年子十一月吉日 芝辻伝左衛門清定(花押)」と 嘉永五年(1859年)の年記と花押を含む長銘が切られた細筒の逸品があります。
また、同美術館の収蔵品の中に「火縄銃 十匁筒 在銘: 地鉄鍛巻張 享保十八年 癸丑九月吉日 国友勝左衛門重当 芝辻伝左衛門清定」と 享保十八年(1733年)の年記と「国友勝左衛門重当」との共打の長銘が切られた中筒の逸品があります。 *全長107.6cm、筒長76.2cm、口径1.9cm
同じ「清定」の作品で享保十八年(1733年)の年記が正しければ、嘉永五年(1859年)の126年の差があるので年記が正しければ「清定」はニ名いたと考えられます。
本品の筒 (銃身) は鉄味の良い八角銃身で、銃口部には筋立ての施された芥子柑子が設けられています。 芥子柑子とは、ケシの花が開花する前にプックリと膨らんだ形状から名付けられました。 柑子の筋立て部分はしっかりと作られています。 玉縁も銅の二重縄が施され、銃口部分は比較的装飾性の高い作りとなっています。 先目当は上部に真鍮製の粒を付けた後部が滑らかに下がった片富士、元目当は富士形となっており、八角銃身の各面は中央が極僅かに盛り上げられています。 中々上手な柑子と相俟って真面目な堺筒の銃身となっています。 台木 (銃床) に人工的に付けられた虎目模様と木本来の藤巻きの鮮やかな杢 (もく) が見られます。 台カブは小さめで用心金の後ろ部分が細くなって握り易い形状をしています。 堺筒の平均的な幅と同じ位 (21mm) の胴金とその後方の銃床上面には胴金に彫られた兜緒まで緻密に再現した兜の続きの飾り板が取り付けてあります。 銃床下面の真鍮金具による装飾は控えめで、小さな千鳥図の飾り板が三枚配されています。
台カブ下部と栓差し穴 (目釘穴)・裏の座には、桜花紋金具が用いられています。 芝引金具には松図のような文様が入っています。 火縄消しの飾り金具は二重菊花図です。 台カブ右側面には、獅子図が彫り込まれた飾り板が取り付けられています。 火縄通しの穴には菊の花弁を意匠化した飾りが取り付けられています。 用心金基部の飾金具は一対の「竹」と「松」です。 引金の穴の飾金具は「蓑亀 (みのがめ)」で、用心金前部の「火縄の鐶」の基部は「鳥」文様で火縄の「鐶」も付いています。 台カブ下部の将棋駒形の部分には「竹の文様」の丸型真鍮金具が付いています。 矢倉鋲裏座金は引金は桜花紋です。 カラクリは外カラクリ (平カラクリ) で、蟹の目隠しには半分の菊花を象った金具が用いられています。 カラクリの地板や弾金、火挟、胴金、雨覆、火蓋といった部品は真鍮製となっています。 引き金は丸 (水滴形) 引金で、真鍮製の用心金が取り付けられています。 造りの丁寧な注文筒と思われますが、どの地方からの注文かは分かりません。 (MM)
【本個体の説明】
本品の筒 (銃身) を含む鉄部は時代の経過による黒錆に覆われています。 これは当時の日本における防錆方法であった漆・動物性蛋白質等の焼き付け処理の剥離によるもので、欧米のように乾燥した気候でない日本では止む得ない事と思われます。 銃身には経年による僅かな褪色、極僅かな表面錆痕を除いて目立った欠損等は見受けられず、総じて良好な状態が保たれています。 銃身下面の銘については、比較的はっきりと判読可能です。 銃身下部の栓差し (目釘金具) と銃床の栓差し (目釘穴) の位置は4箇所とも一致しています。 尚、時代の栓 (目釘) は付属しておりません。 金具は全体的に見て彫が薄くなっている部分がありますので、長く大事に使われてきた品と思われます。
台木 (銃床) については、火皿前方から筒先に向かって約20cmの箇所に修復が施されています、全体としては大きな破損等は見受けられず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 銃床各部の飾り板や座金についても欠品等は見受けられません。 カラクリの地板や弾金、火挟、胴金、雨覆、火蓋、用心金といった真鍮部品は一度研磨されていますが、良い時代感も付き始めています。 カラクリの作動については完全で、火挟を起こした状態でのロックはしっかりと掛かります。 銃身内は銃口から銃身後部まで抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 尾栓についてもスムーズに取り外す事が可能です。 火蓋の開閉についても問題ありません。 竹製のカルカ (さく杖) が付属致します。 (MM)
【その他の情報】
昭和47年7月18日(平成5年10月22日再交付)に京都府教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。 登録証には「芝辻傳左衛門」ではなく「芝辻伝左衛門」と記載されています。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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