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英国製 バー・ハンマー ペッパーボックス (銃砲刀剣類登録証付古式銃、Witton, Daw & Co. London) |
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価格(税込)
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SOLD OUT |
商品番号
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【8236】 |
英 名
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English Bar Hammer Pepperbox by Witton, Daw & Co., London |
種 類
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古式銃(登録証付)、登録証付古式銃買取品、東京店在庫品、Curio Magazine |
国 名
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イギリス |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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202mm |
口 径
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9.5mm |
装 弾
数
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6発 |
在 庫
数
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SOLD OUT |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【英国製 バー・ハンマー ペッパーボックス (Witton, Daw & Co. London製) について】
本品は1850年代に英国で製造されたと考えられる、ペッパーボックスと呼ばれるダブル・アクションの管打ち式 (Percussion) 拳銃です。 本品のハンマー (撃鉄) はバー・ハンマーと呼ばれるもので、本体中央上部に位置した角棒型の支柱と円錐台型の打撃部を組み合わせた独特な形状のハンマーがダブル・アクションによって雷管を叩く構造となっています。
ペッパーボックス ピストル (Pepperbox Pistol) とは、シリンダー (回転式弾倉) とバレル (銃身) が一体化 (銃身と薬室が一体化) になった黎明期のリボルバー拳銃です。 形状が「コショウ挽き」に似ていることから単にペッパーボックスと呼ばれています。 狭義には1837年にイーサン・アレンがパテントを取得した管打ち式ダブル・アクション・オンリーの回転拳銃を指しますが、広義には銃身を3本以上束ねて、それを回転させることによって連射を可能とする銃器 (カービンやライフル等の長物も含む) を指します。 形状が「コショウ挽き」に似ている事からペッパーボックスの名称が付いた、西部開拓時代初期の米国でも大流行した拳銃の一種です。 一般的には、薬室と一体化した銃身を複数本束ねたものを回転させる事で、装填動作を省略し連射を可能とした銃器の事を指しますが、特にサミュエル・コルトが特許を持っていた、引き金を引くだけで回転連射が可能な「ダブル・アクション機構」を持つ護身用の小型拳銃を指していました。 米国では1830年代後半から1850年代に普及しました。
このペッパーボックスは、複数の独立した銃身を束ねるのではなく、レンコンのような穴を銃身とする一つの塊を鋳造したため、頑丈で大量生産が可能でした。 しかしながら、シリンダーと銃身が一体鋳造型であるため、口径を大型化すると重心が前方に偏る欠点がありました。 また、シリンダーと一緒に銃身も回転する事から、固定銃身に比較すると命中精度が劣ってしまう点も有り、1850年代後半にはその殆どが姿を消す事になりました。 その他、一発発射すると装填された弾が全弾暴発して発射されてしまう「チェーン・ファイア」を引き起こすと言った問題もペッパーボックスの欠点と言われていました。 しかしながら、この問題はペッパーボックスに限らず、当時のパーカッション式回転拳銃全般が抱えていた不具合でした。 また前方に銃身のないペッパーボックスでは、万が一「チェーン・ファイア」が発生した場合にも全弾が飛び出すだけで、銃本体にはダメージを引き起こさないといった利点もありました。 通常の固定銃身のリボルバーで「チェーン・ファイア」が発生した場合は致命的なダメージを銃本体と射手に及ぼしましたので、そのような点では優れていました。
バー・ハンマー・タイプのペッパーボックスは、米国では1837年のEthan Allenのバー・ハンマーに関するパテントが失効した1860年代初頭頃から様々なメーカーが製造を始めましたが、英国では1835年頃にバー・ハンマー・タイプのペッパーボックスが開発された事を皮切りに、1860年頃までの約25年間に多くのメーカーがバー・ハンマー ペッパーボックスの製造を行いました。
英国製のバー・ハンマー ペッパーボックスは、製造年代によってグループIII (1835〜1840)、グループII (1840年代)、グループI (1850〜1860) の3つのグループに大別する事が可能です。 グループIIIは英国製バー・ハンマーの中でも最も初期の試行錯誤が行われていた時代の製品で、銃本体には入念な彫刻が施されており、グリップ形状も様々なタイプの物が製造されました。 グループIIは中期に製造された品で、バグ・タイプ・グリップと呼ばれるグリップ下端が丸みを帯びた形状の物が主流となりました。 この グループIIは多くの英国のガンスミスによって生産されましたが、構造的にはほぼ同一規格になっており、1845年頃に生産された品はメーカー名を確認しない限りは製造所を特定が出来ませんでした。 また、金属部に彫刻は施されたものの、コストを下げるために全体的には浅い彫刻になっており、セーフティ等のオプションもあまり用いられませんでした。 グループIは英国製バー・ハンマー ペッパーボックスの中でも最も後期に製造された品で、この頃から多くの新興メーカーがペッパーボックス市場に参入しました。 グループIの新興メーカー製の品は製造コストを下げる為、グリップ形状は下端がフラットとなった品が主流となり、グリップ表面には荒いチェッカーが施された物が大半となっていますが、稀にチェッカーのないスムース・タイプの品も存在します。 銃本体に施される彫刻についても従来の製品よりも省力化されており、メーカー名が入っていない製品も数多く存在します。 しかしながら、一部の高級銃器メーカーではよりクオリティを上げ高級品として差別化を図った品も見受けられる事から、グループIは低コストな廉価モデルと高級品の二極化が進んだ時代と言えます。
本品は各部の入念に作り込みやセーフティ付きであることから1850年代に生産されたグループIの廉価モデルと高級品の二極化の中の高級モデルと考えられます。 本品を製造したメーカーは、本体左側面のサイド・プレートの刻印からロンドンのWitton, Daw & Co.製である事が判ります。 Witton, Daw社はペッパーボックスの専門書Jack Dunlap氏著「PEPPERBOX FIREARMS」のP.106に記載されています。 研究家の間では100社を超えるメーカー(または小売り業者)名が確認されており、同書にはその中から英国の品だけでもでも60社ほど写真が掲載されていますが、本品と同じWitton, Daw & Co.の写真が載っています。 1840年代にロンドンの銃工(ガンスミス)として名を上げたJohn Wittonは1841年から1851年まではロンドンのOld Broad Street 82番地で営業していました。 1780年創業のGeorge Henry Dawがパートナーとなって 1849年(1851年の説もあり)に「Witton, Daw & Co.」と会社組織としてロンドンで創業しました。 George Henry Daw社はWitton, Daw & Co.社の創設後も同じ住所で営業しており、現在も「George Henry Daw Ltd.」として営業しています。 Witton, Daw & Co.が1850年代に製作したガンケースの内側に貼られたラベルが現存しており、多くの明確な情報が得られます。このラベルから1783年の創業と明記されている事から「Witton, Daw & Co.」のパートナーである事Dawが18世紀末に創業した事が判ります。 「Witton, Daw & Co.」は、1853年にはThreadneedl Street 57番地に移り1875年まで営業していました。 この住所はロンドンの中心部シティ・オブ・ロンドンのコーンヒル地区で英国王立取引所向かいに位置する一等地で、同社が創業年数が短くてもどれほど力があったか伺われます。 このことから本品は1853年以降の品と判り、明確にグループIである事、それも二極化された高級品であることが判ります。 「Witton, Daw & Co.」は1860年初頭にはペッパーボックスにコルト型の楔で固定する銃身を付けたリボルバーを製造している事から1850年後期にはペッパーボックスの生産は終えていると思われますので、本品の製造期間は1853年から1850年後期と特定される、ペッパーボックスとしては非常に珍しい製造期間が判明している品です。
ハンマーはバー・ハンマー型で、フレーム前部にはパーカッション・ニップルに不意に衝撃が加わって暴発が発生しないようニップル・シールドと呼ばれるガードが円周に沿って設けられています。 尚、引金はオーソドックスなトリガーとトリガー・ガードを組み合わせた形状となっています。 本品はペッパーボックスとしては初期に生産された高級品らしく、フレームやハンマー、トリガー・ガード、グリップ・エンドといった金属部には、緻密な唐草文様が彫り込まれています。 グリップは繊細なチェッカリングが施されたウォールナット製で、グリップ背面には銀製と思われる楕円形のプレートが嵌め込まれています。 グリップ下面はその後に表れた廉価品のようなバグ・タイプ・グリップやグリップ・エンドがフラットなタイプではなく、丸みを帯びた別部品のエンド・キャップを組み合わせた初期の高級品に見られる構造となっています。 グループIIIの高級なペッパーボックスの特徴でもあるハンマー後方のフレーム上部にスライド式のセーフティも備えています。 (MM)
【本個体の説明】
本品は英国ロンドンのWitton Daw社で製造されたペッパーボックスで、本体左側面のサイド・プレートには「WITTON, DAW & CO. ,LONDON.」のメーカー刻印が入っています。シリンダー表面の各銃身の間に設けられたフルート (溝) には王冠の下の判読が難しいですがロンドン・プルーフ・ハウスの最終プルーフ刻印 (王冠にCP、Definitive Black Powder Proof) 及びビュー・マーク (王冠にV、View Mark) と呼ばれる検査刻印が交互に打刻されています。
本品は古式銃としては良好な状態が保たれており、シリンダーやハンマー、トリガー・ガードといった鉄製部については、若干の時代錆や擦れ、経年による褪色などを除いて目立った表面錆や朽ち込み等も見受けられません。 また、ジャーマン・シルバー製のフレームは多少後年の磨きによる輝きはあるものの、非常にタイトな作りになっています。 各部の唐草文様の彫刻についても全体にはっきりと残っています。 高級なウォールナット製グリップについても、若干の打ち傷こそ見られるものの、大きな傷や割れ等は見受けられず、繊細なチェッカリングがほぼ完全に残っています。
作動については完全で、引金を引くとシリンダーが正常に回転し、ダブル・アクションのハンマーも問題なく機能します。 パーカッション・ニップルについても目立った欠け等も見受けられません。 各銃身内は銃口から銃身後部まで抜けて (通って) おり、パーカッション・ニップルの火穴も抜けています。 また、グリップ・エンドに設けられた花の彫刻も素晴らしいです。
本品はペッパーボックス ピストルの中でも1850年代に生産されたグループIの品と考えられ、各部が入念に作り込まれて丁寧に仕上げられた高級品です。 全体のコンディションについても、過去入荷したペッパーボックスの中でも上位になります。 セーフティ付のペッパーボックスは、現存数が少なくコレクターズ・アイテムとなっており、弊社でも過去入荷した事が殆どない希少品です。 ぜひこの機会にコレクションに加えていただきたい品です。 また英国製のペッパーボックスの製造メーカーの詳細が本品ほどまで明確な品は少ないです。(MM)
【その他の情報】
令和3年11月1日に埼玉教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 登録証が交付されたばかりの生(うぶ)な品です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願い致します。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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