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スナイドル-エンフィールド Mk II 紙薬莢後装式小銃 (「桜」「兵三号一」刻印」、銃砲刀剣類登録証付古式銃) |
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価格(税込)
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SOLD OUT |
商品番号
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【7832】 |
英 名
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Snider-Enfield Mk II Breech-loading Rifle |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、登録証付古式銃買取品 |
国 名
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イギリス / 日本 |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,246mm |
口 径
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14mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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SOLD OUT |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【スナイドル-エンフィールド Mk II 紙薬莢後装式小銃 について】
スナイドルまたはスナイダーと呼ばれる、ボクサー式紙薬莢を使用する後装式小銃です。 スナイドルはスナイダーのオランダ語読みで、英語圏ではスナイダーと呼ばれています。
1864年にイギリス陸軍は前装式のエンフィールド小銃の後装式への改造を公募し、米国人のヤコブ・スナイダー (Jacob Snider) の開発した蝶番式銃尾装置が採用されました。 銃身後部 (薬室) の上半分を削り取り、その部分に右側に開く蝶番式ブリーチを付いた機構で、可動式ブリーチの中に撃針が組み込まれており、エンフィールド小銃の撃鉄で叩く構造となっていました。 その為、撃鉄等の撃発装置はエンフィールド小銃既存の構造をそのまま使用できる点が長所となっています。 このスナイドル式への改造は、エンフィールド小銃からだけではなく、他の同様の構造を持つ前装式小銃にも施されました。
英国軍用銃の例に漏れず、量産されたスナイドル銃には大きく分けてMk I、Mk II、Mk IIIの3タイプが存在し、さらにその中に細かなバリエーションが存在します。 この内、Mk I及びMk IIは既存のエンフィールド銃を改造してスナイドル銃にしたものですが、Mk IIIは元々スナイドル銃として新規に製造されたタイプです。
Mk Iは1866年に制式となったスナイドル銃の最初の量産型で、スナイドル式のブリーチ機構が追加された他、ベースであるエンフィールド銃からハンマー形状が変更されました。 その他、メイン・スプリングのテンションを弱くする等、細かな改良が加えられています。
Mk I*はMk Iタイプのスナイドル銃に使用されていた初期のMk I弾薬使用時に事故が発生した為、改良型のMk II弾薬に対応できるよう薬室後部の弾薬のリムが収まる部分の形状を改造したモデルです。 Mk I*は薬室形状以外は基本的にMk Iと同一となっています。
Mk II*はMk I*と同時期に登場したタイプで、Mk Iの改造品ではなく新規にエンフィールドから改修されたモデルです。 薬室の形状はMk I*と同じですが、次のMk II**に見られるような小改良は行われていません。
Mk II**はMk I*やMk II*と同時期に登場したタイプで、スナイドル銃の中でも最も一般的なタイプです。 薬室後部の形状はMk I*やMk II*と同様ですが、エキストラクター形状が改良された他、ブリーチ・ブロック下面がより円形に近い形状に変更されました。 また、ブリーチ・ブロックの大型化に伴い、ブリーチ収納部の形状も変更されています。 この他、ファイアリング・ピン・ニップルが僅かに短縮され、ハンマー先端も窪んだ形状に変更されました。
Mk IIIは1869年に登場したタイプで、従来の様なエンフィールド銃からの改造品ではなく、当初からスナイドル銃として製造されたモデルです。 ブリーチ・ブロックの左側面にバネを内蔵したロック機が追加された他、ブリーチ収納部の下部が強化されています。 ハンマー先端はMk II**の窪みのある形状から、平坦な形状に変更されています。 また、銃身の材質が通常の鉄から鋼鉄製に変更されました。
日本でスナイドル小銃を最初に使用したのは薩摩藩と言われていますが、他にも多くの倒幕派諸藩で使用されました。 戊辰戦争ではスナイドル小銃が国内で初めて実戦に投入されました。 また、会津戦争では僅か10挺のスナイドル小銃が、前装銃を装備した白虎隊の部隊を打ち破るなどの活躍を見せました。 その他、長岡藩や仙台藩などの幕府諸軍によっても使用されました。 信頼性の高いスナイドル小銃は新生日本陸軍の誕生と共にその主力装備となり、十三年式村田銃が採用されるまで使用され、その後も1894年の日清戦争まで二線級兵器として残されました。 本品には「(桜刻印)兵三号一」の漢字の入った刻印が確認出来る事から、本品が幕末前後に日本に輸入されて使用された事が窺えます。(KK)(MM)
【本個体の説明】
本品は銃身長が30.5in.(約775mm)のショート・ライフル(短小銃)、または長小銃が3バンド(銃身長が36.5in.=約927mm、バレル・バンドが三個)に対して2バンドと呼ばれるモデルです。 当時の日本人の体格から全長が長い3バンドよりも2バンドが主に国内に輸入されました。
本品は機関部側面のサイド・プレート部分に「TOWER」の軍用刻印や製造年号の「1868」の他、英国Birminghamで製造された事を示す王冠刻印が入っています。 「TOWER」軍用刻印はロンドン塔にあった英国政府の銃砲検査機関で軍用として耐えうる品質検査を受けた証で、同じスナイドル小銃でも「TOWER」の刻印の代わりに民間メーカー刻印だけが入っている品も存在します。 また、当時の英国の銃器製造者はBirminghamとLondonに集中しており、王冠刻印はBirmingam銃器製造協会会員の会社で製造された品である事を示す物です。 通常は王冠刻印のみの品は輸出用と言われており、英国国営造兵廠製もしくは国営造兵廠コントラクト製の品には王冠の下にヴィクトリア女王 (Victoria Regina) を意味する「V.R」の刻印が入っています。 本品の王冠刻印の下には「V.R」の刻印が入っておらず、本品が輸出用として製造された事が窺えます。 一方、Londonにあったメーカーで作られた品には通常この王冠はなく、メーカー名の刻印が入っていました。
銃身長778mm(登録証表記値)の銃身の後部左側面には.577口径を表す「25」のゲージ刻印と判読が難しいものの「25」の前後に英国のBirminghamのプルーフ刻印が確認出来ます。 銃床(バットストック)下部に小さな王冠の刻印も入っています。 「TOWER」刻印を含めこれらの刻印は、英国で製造された際のオリジナル刻印です。
銃身後部(薬室部)右側面に陸軍砲兵工廠刻印と極似した比較的大きめの「桜刻印」に続き「兵三号一」の刻印がはっきりと打たれてあります。 壬申(1872年)刻印が打たれてある品はよく見かけますが、このような刻印は初めて見ました。 壬申刻印ではないのでいつ国内に入ったか明確な確証はありませんが、明治陸軍創設期には本銃は日本国内にあったと思われます。 これらの刻印は本銃の歴史を物語る上で非常に重要です。
明治5年(1872年)に明治新政府の命令で国内にあった銃砲調査が行われました。 明治4年に6鎮台に分けられた明治陸軍は主力小銃の統一化をはかるため、旧藩の銃砲の種類、丁数の把握が急務となり明治5年(1872年=壬申)に始まり、明治20年頃まで行われました。 明治5年(1872年=壬申)の検査が最も大々的に行われ、今日この種類の刻印の内90-95%が「壬申刻印」で、本品の「桜刻印」は全体の1%にも及ばないでしょう。
本品は全体に適度な時代感が付いており、銃身や機関部といった金属部は全体に時代錆が表れており、銃身前方には表面錆痕が他の部分よりも多く見受けられます。 Receiver Ringと呼ばれるブリーチ・ブロック基部(ブリーチ・ブロック前方)に金属で打ったような小さな当たり傷が数ヵ所あります。 銃床先端部のエンド・キャップ、トリガー・ガード、サイド・プレートを留めるネジ穴の補強金具(=lock plate screw washer)、バット・プレートは真鍮製で、バット・プレートだけに僅かな打ち傷等が散見されますが、目立った腐食等は見受けられません。 全ての真鍮部分は150年以上一度も磨かれていない歴史を感じさせる時代色が付いています。 この時代色が数ある本銃の値打ちの一つとも言えます。 銃床については全く仕上げ直しが施されていない生の(うぶ)の状態で発見されたのを弊社で若干タッチアップ的な補修を加えただけの非常にオリジナル性の高い品です。 サイド・プレート周り、その反対側のサイド・プレートを留めるネジ穴の補強金具(二個の内、前方の一個のみ)周り、リア・スリング・スイベル取り付け穴周り、バット・プレート取り付け部周辺に小さな欠けが見受けられるものの、大きな破損等は見られず、概ねしっかりとした状態が保たれています。 バットストック後方両面に木部の荒れがあります。 傷み易い真鍮製バット・プレートについては、全体に小さな打ち傷が見られますが、大きな変形等も見られず、取り付けもガタつき等は見られませんが、バット・ストック後端下部は少し痩せており、バット・プレートより僅かに小さくなっています。 前部スリング・スイベルについては表面錆が表れていますが、現状固着等は見られません。 後部スリング・スイベルについては表面錆が表れ、現状固着して動きません。 また、前後バンドの取り付けについてもガタつき等は殆ど見られません。 サイド・ロックの作動については完全で、ハーフ/フル・コックともにしっかりと掛かり、フル・コック状態でトリガーを引くとハンマーが力強く落ちます。 ハンマー先端の窪んだ部分の縁が僅かに欠けていますが気にならない程度です。 ブリーチ・ブロックの開閉については問題なく行う事が可能で、エキストラクターの作動についても問題なく行う事が可能です。 ブリーチ・ブロック開閉時のロックはしっかりと機能しています。 リア・サイトについては距離表示の数字刻印が表面錆により見え難くなっていますが、拡大すると判読可能です。 ラダー・サイトの起倒やスライダー調整については可能です。 銃身内は銃口から薬室まで抜けて(通って)います。 銃身内には表面錆によりやや分かり難いものの、5条のライフリングが確認出来ます。 オリジナルの鉄製さく杖は付属しています。 また当時からチェーンで付いていたニップル・プロテクターが付属しています。 スナイドル銃の多くがニップル・プロテクターが失われている事を考えると、本品が如何にオリジナルの状態を多く残しているか判ります。 弊社が元持ち主(発見者)から直接譲り受けた収集家の手に一切触れられていない品で、バットストックに荒れと痩せがある以外はオリジナル性の非常に高い品で大変お値打ちな品となっています。(MM)
【その他の情報】
本年1月に登録証が取れたばかりの生(うぶ)な品で、登録が取れた一週間後に弊社が購入しました。 「1868」の製造年刻印から登録対象年代の最後期の品です。
令和4年1月24日に大阪教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。種別欄には「紙薬包式銃砲」と記載されています。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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銃身先端の右側面に着剣ラグが付いています。 |
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非常に珍しい「桜刻印」と「兵三号一」の刻印 |
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