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火縄銃 陽流五十匁大筒 (銃砲刀剣類登録証付古式銃、在銘: 賞之子 昌基 製 致仕正順) |
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価格(税込)
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SOLD OUT |
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商品番号
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【7822】 |
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英 名
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Japanese Large-caliber Matchlock Gun, YORYU Style |
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種 類
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古式銃(登録証付)、単発、登録証付古式銃買取品 |
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国 名
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日本 |
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時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
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全 長
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936mm |
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口 径
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32mm |
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装 弾
数
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単発 |
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在 庫
数
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SOLD OUT |
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画像について
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画像は現物です。 |
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コメント
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【火縄銃 陽流五十匁大筒 について】
陽流 (ようりゅう) とは九州筑前国 (福岡藩、秋月藩) に伝流した日本古来の砲術の流派の一つです。 福岡藩主黒田氏の家臣の高野安を流祖とします。 陽流は抱大筒と呼ばれる大口径の火縄銃を扱うことで知られています。 藩老林家の一系に世襲され、林文右衛門、林五太夫の名で襲名されています。 明治以降はその親類の尾上家に伝えられたと言われています。
本品は全長93,6cm、銃身長62�僉⊇杜面�19kgの火縄銃で、抱きかかえるようにして射撃をしました。 軍用の火縄銃としては、中筒と呼ばれる品が6匁(もんめ)筒 (15,8mm)〜10匁筒 (18,7mm) 前後で、それ以上は大筒と呼ばれる事もあります。 本品の口径は実測32mmの五十匁大筒です。 中筒クラスの火縄銃に比べると、大筒の本歌品の現存数は百挺に一挺とも言われています。 抱えて射撃の不可能な50匁筒 (32mm) 以上の品だけを大筒と呼ぶようですが、外国では銃と言うより大砲に分類されています。
本品は在銘品で、登録証には「賞之子 昌基 製 致仕正順」の記載があり、銃身下部に銘が切られています。 致仕 (ちし) とは官職を辞して隠居することを意味します。 「昌基」の名は名鑑にはありませんが、同じ陽流五十匁大筒に「児島利助昌和」の作品が現存しており、それに極似していることから「昌基」は「昌和」の弟子で「児島利助昌基」でないかと推定されます。
陽流の特徴でもある筒 (銃身) は後方に向かって広がった丸銃身で、その上面だけを平らにした「表一角」と呼ばれる形状となっており、銃口部には大きな玉縁を付けた八角柑子が設けられています。 火皿と火蓋共に大きく、雨覆いに穴があるのも特徴です。 目当は前後2箇所で、先目当と元目当ともに筋割となっています。 銃身は台(銃床)に対して2箇所の目釘により固定される構造となっています。 台 (銃床) は大口径の発射に耐えられるよう、銃床の前半分まで角ばった幅広な作りとなっていますが、台カブは細く短くなっており握り易い形状になっています。 カラクリは真鍮製の内カラクリ (蟹目カラクリ) で、陽流の特徴を全て押さえている品です。 また、火蓋は閉じた状態でも火皿が見えるのが通常ですが、本品は火蓋が火皿のほぼ全体 (約8割) を覆う特殊な形状で、幾つかある本銃の特殊さの一つとなっています。 (MM)
【本個体の説明】
本品の筒(銃身)を含む鉄部は黒錆に覆われていますが、これは当時の日本における防錆方法であった錆付けによるもので、欧米のようにブルー仕上げがなかった日本では一般的なものでした。 銃床に隠れる銃身下面にはやや表面錆や若干の朽ち込みが見受けられるものの、目立った欠損等は見受けられず、登録証に記載されている「賞之子 昌基 製 致仕正順」の銘についてもはっきりと確認できます。 銃身上部に真鍮または青銅象嵌により「宜威」の漢字が入っています。 「宜威」とは「力を宣言する」意味があり、本品のような大威力の五十匁大筒に相応しい言葉と言えます。 「表一角」の銃身には、先目当ての後方に約7,5cm、銃身中間部に約6cm、元目当ての後方に約8,5cmほどの化粧鑢が入っているのが本個体の大きな特徴で、この鑢目は装飾目的で付けられたのか、若しくは先目当及び目当後部に入っている事から、照準に関係する何かの意味があったのではないかと推測されます。 「陽流抱筒尺寸法圖之巻」の図に本品と全く同じ化粧鑢が入れられています。 上記の図は本品を見て描かれたかと思われるほどそっくりであり、特徴を捉えています。 銃身下部の目釘金具の欠損も見られず、台 (銃床) の目釘穴の位置と3箇所とも一致しています。 尚、目釘は付属しておりません。
本品の台木 (銃床) の後部下面 (胴金の後方) には「明廿西第二五四番」の刻印が入っており、更に胴金の前方の銃床下面中央には「明九改 三百九十番 福岡縣」の刻印が入っています。 この刻印が壬申の刻印かどうかは断定できません。 壬申 (じんしん) とは干支の一つで、明治5年 (1872年) を表します。 明治5年 (1872年) 一月に太政官布告第28号第五則の「銃砲取締規則」によって私蔵されていた銃砲の「我が国初の管理統制」が始まりました。 廃藩時において旧藩は旧家臣に軍用銃を下付けする事が多く、旧士族の家には一挺の軍用銃があったとも言われています。 それらが大量に市中に出回り私蔵されていました。 それらの銃砲は管轄庁 (東京と大阪は武庫司) に持参して改刻印式によって番号、官印を受ける (これが明治5年度であれば壬申刻印と番号) 事を義務付けました。 同時に管轄庁は同人名と番号を管轄鎮台に届け出て、鎮台より武庫司にそれらが提出される仕組みになっていました。 その際の刻印が「壬申刻印」です。 火縄銃は基本的に「壬申刻印」は打たれていませんが、中筒以上の口径は「壬申刻印」の対象になりました。 本品は大口径の大筒なので刻印が打たれたと思われます。
本品に入っている「福岡縣」とは1871年 (明治4年) 7月14日の廃藩置県によって生まれた筑前国の福岡藩が福岡縣になり、その支藩であった秋月藩は秋月縣として発足しました。 その後編出入を繰り返し現在の福岡県となりました。 本品は筑前国 (福岡藩、秋月藩) に伝流した陽流であることから打刻された「福岡縣」とも整合性が取れています。
台 (銃床) は若干の打ち傷や線傷を除いて、大きな破損等も見受けられず、製造された時代を考慮すると概ね良好な状態が保たれています。 胴金前方の銃床左側面及び台カブ左側面に一部ひびを補修した痕跡が見られますが、強度的にはしっかりとしており、丁寧に仕上げられているため殆ど気になりません。 台の先端や内部についても、一部ヘアライン・クラックが見られますが、強度的には概ねしっかりとした状態が保たれています。 地板金は銃床の後部 (細く括れている部分) まで長く伸びています。 傷み易い台尻部分についても、やや打ち傷や僅かな摩耗、若干のヘアライン・クラックは見られますが、目立った欠け等は見受けられません。 カラクリの地板金や胴金、火挟、雨覆、楔といった真鍮部分についても、適度な時代が付いた良い雰囲気となっています。 銃身内は銃口から銃身後部まで完全に抜けて (通って) おり、火穴も抜けています。 尚、尾栓は現状固着しており取り外しは出来なくなっています。 カラクリの作動については完全で、火挟を起こした際のロックはしっかりと掛かり、火挟が起きた状態で引金を引くと、火挟が力強く落ちます。 火蓋の開閉についても問題ありません。
銃本体に合わせて作られた、しっかりとした作りの専用木製台座が付属致します。財団法人にしむら博物館 昭和６２年発行の
「戦国浪漫 火縄銃は語る 鉄砲伝来４４４年展」という冊子の中で
数挺掲載している大筒の中の１挺として、
掲載（銘不明・銃身に「宣威」の二字真鍮象嵌）がありました。
このにしむら博物館（山口県岩国市）は、
現在、柏原美術館という名前に変更し運営しており、
火縄銃も展示しているようです。
(MM)(KK)
【その他の情報】
昭和62年7月29日山口県教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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