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英国製ブレット・クロスボウ 弩 (いしゆみ) 【合法品】 |
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価格(税込)
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\1,100,000 |
商品番号
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【7545】 |
英 名
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English Bullet Crossbow, Early 19th Century |
種 類
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単発、東京店在庫品 |
国 名
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イギリス |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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740mm |
口 径
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.35in.-.67in. |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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限定1品 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【英国製 ブレット・クロスボウ 弩について】
矢を射るクロスボウ (Crossbow) はヨーロッパで古代から知られていましたが、英国では18世紀中期から19世紀初頭 (1760-1820年頃)に「球形の弾丸」を発射する特殊な弩 (いしゆみ) が製造されました。 これらは英国の狩場で小型の獲物の狩猟用として特別注文で製作された品で、商業狩猟用ではなく娯楽の一環で使用されました。 横幅があって嵩張り、銃砲に比べて遥かに高価であった事から、付き人を従えて狩りをする極一部の富裕層の間で流行しました。 後に開発された空気銃よりも威力は強く、銃砲の発射音を好まれない人々にも支持されたと言われています。 当時 (1760-1820年頃) は既に銃砲が一般人でも所持できる環境の中、敢えて高額で嵩張る道具を使って狩りを楽しむ一部の紳士の為の品であったので「Gentleman's Crossbow」とも呼ばれました。 また、矢を用いない事から英語での名称は「ペレット・クロスボウ (Pellet Crossbow)」「ストーン・ボウ (Stone Bow)」「ブレット・クロスボウ (Bullet Crossbow)」などと呼ばれています。 本品にはメーカー名が入っていませんが、英国のトップクラスの銃砲職人によって作られたと考えられます。
当時ブレット・クロスボウを英国で製造していたのは「Thomas Conway of Manchester (1803-1852)」「Thomas Jackson of London」「 R. Braggs, London」「Gameson and Co., London」「Parker」「Edmunds」「Green Prescot」「Bolton of Wigan near Manchester」などが知られており、本品はこれらのメーカーの一つの作品と思われます。
本品は英国製高級小銃と同じようなトリガー、トリガー・ガード、バット・ストック、バット・プレート、左側面のS字型サイド・プレートを備えています。 グリップ部分にチェッカリングが施されたライフル型銃床は高級なウォールナット製で、銃砲職人による手作りで出来ています。 銃よりも強度を要したため、金具の多くは全て丈夫な鍛鉄で製作されました。 銃床は小銃と同様ですが、クロスボウの発射機能上、その他の部分は小銃とは全く異なります。 細いながらも見事に鍛え上げられた鉄製のボウ (Bow=弓) には、蝋引きした亜麻の繊維を捻って編む事により頑丈に作られたオリジナルの弓弦 (ゆみづる) が上下二段構造で張られており、その中間部には鉛製の球形弾丸を載せる (装填する) 革製のポケットが取り付けられています。 弾丸は革製ポケットに載せただけの状態では容易に落ちてしまいますが、弓弦が後方に引かれると2本の弓弦の間が狭まりポケットがくの字型に折り曲げられる事で、弾丸が保持される構造となっています。 二段構造の弓弦の間には鹿角で作られたと思われるスペーサーが入っています。 銃床上部中央部には特殊なロック (Lock=機関部) を有しており、オボイド・プレート (Ovoid Plate) と呼ばれる卵型の折り畳み式プレートにはリア・サイトとして使用するピープ・ホールが開けられています。 このピープ・サイトは既倒時にバネのテンションが掛かる構造となっています。 また、本体の前方にも同様に折り畳み可能な特殊なフロント・サイトが付いています。 バット・ストック上面の内部には、弓を張る為のガフル (Gaffle) と呼ばれるレバーが内蔵されており、バット・ストック後部上方にあるキャッチによりレバーが固定されています。 これらはビルトイン構造なので外見からは中々想像が出来ない、とても興味深い構造になっています。
発射時の操作としては、最初に弓を張る為のレバーの固定用キャッチを解除してからレバーを前方に引き起こし、機関部 (ロック) 前部の爪に弓弦中央のループを引っ掛けて固定します。 弾丸を革製ポケットに載せた後、レバーを後部に戻してキャッチをロックすれば発射準備が完了します。 この状態で引金を引くと、弓弦のループを固定していた機関部の爪が前方に倒れて弓弦が解放され、弾丸が前方に発射されます。 尚、本体の先端にはレバーを用いて弓弦を引く際に地面に押し付けられるよう丈夫な突起 (石突) が設けられています。
日本には1700年代に西洋からクロスボウが伝来しましたが、火縄銃の伝来と同時期でありながら威力では火縄銃に劣り、速射性では弓に劣るクロスボウは中途半端な存在であり、揺れる馬上では装填に更に時間がかかる事もあって日本では普及しませんでした。 本品は幕末に献上品として国内に入った品と考えられます。 (MM)(KK)
【本個体の説明】
本品のボウ (弓) やトリガー・メカニズムといった鉄部は、全体に適度な時代が付いた良い雰囲気となっており、やや時代錆や若干の表面錆痕が散見されるものの、大きな欠損等は見受けられず、製造された時代を考えると総じて良好な状態が保たれています。 高級なウォールナット製の銃床についても、若干の打ち傷を除いて大きな欠損等は見られず、オリジナルの仕上げが大部分の残った良好なコンディションが保たれています。 銃床右側面のサイド・プレート後方に一部ヘアライン・クラックが見られますが、強度的には影響の無いレベルのものです。 傷み易いバット・プレート部についても、若干の表面錆痕を除いて大きな変形等は見られず、銃床への取り付けについてもがたつきもなくしっかりとしています。
弓を張る為のレバーの操作についても問題なく行う事が可能で、バット・ストック上面の後部に設けられたレバー固定用のキャッチの機能についても完全です。 また、前後のサイトの既倒操作についても問題なく、フロント・サイト側の針金により固定された青いビーズについても残っています。 オリジナルの蝋引きされた亜麻製の弓弦についても、現状目立った劣化は見受けられずしっかりとしたテンションが保たれています。 弾丸を載せる革製のポケット部分は経年による革の硬化が見受けられ、一部ひび割れを補修した痕が見受けられます。 古い品ですので、実際に弓弦を引くと弓弦や革製弾丸ポケットが破損する恐れがあるため、作動はお控えください。
全長約74cm、幅約68,5cm、重量約2,6kgの非常に飾り映えのする作りです。 専用ではありませんが飾り台も付属しています。 矢を射るクロスボウはヨーロッパ製を始め古い時代の品が高額ではあるものの海外のコレクター市場で散見されますが、本品のような英国だけで短い期間に流行したブレット・クロスボウの現存数は少なく、ましてオリジナルの弓弦が残った品は海外でもあまり現存していません。 日本では唯一の品ではないでしょうか。 (MM)(KK)
【その他の情報】
・矢を発射するクロスボウ(ボウガン)につきまして、令和3年6月16日に銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律が公布され、所持が原則禁止・許可制となります。(警察庁Webサイトより) しかしながら、本品は矢を発射するものではなく、石を発射するものですので、銃刀法の規制には該当しません。 ご安心の上ご検討くださいませ。
・本品には文章では表現の難しい傷がある場合がございます。 通信販売でご購入される際は、下記の詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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