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オーストリア=ハンガリー二重帝国 M1862 騎兵拳銃 (銃砲刀剣類登録証付古式銃) |
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価格(税込)
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SOLD OUT |
商品番号
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【7411】 |
英 名
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Austrian Model 1862 Cavalry Pistol |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、登録証付古式銃買取品、東京店在庫品、Curio Magazine 掲載品、Curio Magazine |
国 名
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オーストリア / ハンガリー |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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400mm |
口 径
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13.6mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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SOLD OUT |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【オーストリア軍 M1862 騎兵拳銃について】
オーストリア=ハンガリー二重帝国陸軍が1862年に正式採用したM1862 騎兵拳銃 (独語: Kavalleriepistole M1862)です。
当時の精鋭部隊であった騎兵隊は銃身の短い騎兵銃(カービン)と二挺の騎兵拳銃、そして反りの強い(強くカーブした) サーベルを装備していました。 馬上からまず騎兵銃で射撃し、サーベルを振りかざして騎馬突撃を行いました。 機関銃が登場するまでは、騎兵は戦場の花形で敵の陣営を崩し、突破口を作る重要かつ勇敢な兵科でした。 そのシンボルとも言えるサーベルと騎兵拳銃は一般兵には持てない特別な装備でした。 歩兵と違い発射後の再装填は戦闘中ではほぼ不可能だったので、サドル(鞍)前方のホルスターにこの騎兵拳銃を左右各一挺を収めて一発必中の覚悟で戦闘を行いました。 その為に信頼性が高く威力のある軍用拳銃が必要で、英語では“horse pistol”と特別な意味合いで呼ばれました。
外見は当時欧米列強で使用された一般的な前装式の軍用管打式単発拳銃ですが、ハンマー(撃鉄)の前(パーカッション・ニップルの下)に回転式のセーフティが付いているのが最大の特徴です。 オーストリア軍用銃は製造年の下三桁の数字がサイド・ロックに打たれており、本品は1863年製であることが判ります。 オーストリア軍の管打式軍用銃は小銃、拳銃共にハンマーの「スパー」と呼ばれる親指を掛ける部分が丸みを帯びているので他国の銃器よりは判別が容易で、本品もその特徴が備わっています。 銃身の裏面とサイド・ロックにはオーストリア=ハンガリー二重帝国の「双頭の鷲」の紋章刻印が打たれています。
M1862 騎兵拳銃はオーストリア陸軍主力軍用拳銃のM1860 騎兵拳銃の改良型です。19世紀に入ってもオーストリア陸軍は他の列強と同じく大型の火打石式(フリント・ロック)の単発銃を装備していましたが、1832年に最初の管打式(パーカッション)撃発装置を採用し、M1838シリーズとして配備を始めました。 しかしながら当時のオーストリアでは約80万挺もの火打石式小火器が配備されており、それら全てを新規設計の雷管式銃へと更新する事は、軍事予算や兵士の訓練にかかる時間・コストの関係上不可能であった事から既存の火打石式を基に雷管式へ改修する事が求められました。
列強の多くは管打式銃を新たに生産すると同時に旧式になった火打石式を管打式に改修しました。 オーストリア軍では管打式よりもコストと手間がかからない「アウグスティン・システム」と呼ばれるチューブ・ロック方式への改修を行いました。
チューブ・ロック方式は、従来の火打石式(フリント・ロック)を基に、点火薬を載せる火皿 (パン) をチューブ型雷管に適合する物へと交換した他、パンに載せた雷管を撃発できるようフリズンの形状が変更されていました。 1835年からチューブ・ロック方式へと改修されたアウグスティン・システムを全軍で採用しました。 アウグスティン・システムはウィーンの造兵廠で小火器・大砲類の主任検査官を務めていたヴィンセンツ・フォン・アウグスティン(Vincenz von Augustin) とミラノ出身の税関職員ジュゼッペ・コンゾーレ (Giuseppe Console)より開発されました。 このシステムはオーストリア軍独自のシステムでした。
1850年代に入るとオーストリア軍の主要軍用拳銃は16.9mm口径の滑腔銃身を持つM1851 管打式単発拳銃を配備し始めましたが、列強の主要拳銃のコピーに過ぎませんでした。 1854年にオーストリア軍は最新の管打式であるローレンツ(Lorenz)システムを採用しました。 当時のオーストリア軍用拳銃の標準口径はこの16.9mm から18.1mmで、尚且つ滑腔銃身だった為に列強に遅れを取っていました。 ローレンツ・ステムは信頼性が高く ライフリングを切った施条銃身で13.9mmまでの小口径化に成功し、M1860 騎兵拳銃でその完成形をみました。 世界的に見れば南北戦争による小火器の画期的進歩に伴い連発拳銃であるリボルバーが一般的になりつつあり、特に米国や英国ではその傾向が顕著でした。 ヨーロッパ大陸列強は大きな兵力を全く新しいリボルバーに置き換えるのは容易ではなく、多くの欧州大陸列強は1870年代まで騎兵用主要拳銃として管打式の単発拳銃を装備していました。
1862年に回転式のセーフティが付いた改良型のM1862 騎兵拳銃が採用され、オーストリア陸軍最後の単発拳銃となりました。 単発管打式騎兵拳銃にセーフティを装備するのはGermanic statesと呼ばれるドイツ、オーストリアなどで採用されましたが米国や英国では軍用銃としてはありませんでした。 M1862 騎兵拳銃のセーフティは非常に単純なもので、セーフティを「up position」にするとセーフティがハンマーとニップルの隙間に入ってハンマーが雷管を叩く寸前でとまります。 またこのセーフティを掛けてハンマーを倒した状態にすると、ニップルに被せた雷管が安全な状態で固定されます。 反対に「down position」にするとセーフティが前に回転しハンマーに緩衝しなくなり、射撃が可能な状態になります。
全長は公式では404mmで、銃身は公式では264mmで、ラウンド・バレル(丸銃身)になっています。 ローレンツ・ライフルド・マスケットと同じ四条右回りのライフリングが施されています。 19世紀中期までの単発騎兵拳銃の特徴でもある頑丈なグリップ後端の”Butt cap”(発射後には棍棒の代わりした)と呼ばれる部分にランヤード・リングを取り付ける鐶が付いています。 M1862にはさく杖は当初から取り付けられないようになっていました。
オーストリア陸軍はM1862 騎兵拳銃を1866年に起こった「7週間戦争」や「プロイセン=オーストリア戦争」とも呼ばれた普墺戦争で騎兵用として装備しました。 19世紀では騎兵の役割が大きく変わり、19世紀前半のナポレオン戦争時代の騎兵は全盛を迎えましたが、19世紀後半の普仏戦争では騎兵の消耗は激しく、戦場の花形の時代は終わりました。 以後は索敵や斥候、伝令として活用されました。 M1862 騎兵拳銃はオーストリア騎兵の花形の時代の最後を飾った一挺です。
幕末には直接オーストリアから日本に兵器が輸出された記録は無く、国内には殆ど入っていません。 僅かにアメリカ南北戦争時にオーストリアから米国へ輸出された兵器が、米国経由で幕末の国内に入って来ました。(MM)
【本個体の説明】
本品のロック・プレート後部にはハッキリとオーストリア=ハンガリー帝国の「双頭の鷲」の刻印が、ハンマーの前方には1863年の製造年を表す「863」の刻印が刻まれています。 銃身の上部にはドイツ・ゾーリンゲンのオーリクス (Ohligs) を表す「OHLIGS」の刻印の他、一部薄くなっていますが「双頭の鷲」及び「W」の文字を組み合わせた刻印、更に「J」のインスペクション刻印が入っており、銃身下面にも「W」のインスペクション刻印が確認出来ます。 その他、トリガー・ガード基部 (内部) やランヤード基部 (内部)、バック・ストラップ内部、グリップ・エンド・キャップ内部にはメーカーの頭文字と思われる「JW」の刻印も確認出来ます。 また、トリガー・ガード基部 (内部) にはその他にも筆記体のTと思われる刻印や「111」という刻印も確認出来ます。 薬室左側面には「2・27・」の数字が打たれており、これはオーストリア=ハンガリー帝国陸軍第二騎兵連隊の武器番号27番を表します。 また、薬室左側面には「5・」の刻印も確認出来ます。 その他、銃身下面やバック・ストラップ (内部)、サイド・プレートに「58」の番号が入っており、ボルスター下部やハンマー・メカニズムの内部部品、セーフティ・レバーには「45」の番号が確認出来ます。 また、銃身後端下面及び尾栓、トリガー・ガード基部 (内部)、バック・ストラップ (内部)、ランヤード基部 (内部) には「33」の番号も確認出来ます。 木製銃床はオリジナルの仕上げがほぼ完全に残っており、左側面にも「S」のインスペクション刻印など複数の刻印が確認出来ます。
銃身内部には四条右回りのライフリングがはっきりと確認できます。
主要なネジは一見互換性があるように見えますが、決まった箇所にしか入らないので分解した際は気を付けて組み立ててください。
国内の現存数が極めて少ないオーストリア軍用拳銃です。 19世紀の世界各国の軍用拳銃を集めるにあたって列強の中では最も入手の難しい品の一つです。 機能的にも完全でオリジナルの官給品の仕様を100%残した弊社一押しの逸品です。 古式銃を最初に扱ってから40年、の専門店だからこそ判る「完璧な一挺」です。 東京店在庫品 (MM)
【その他の情報】
令和3年1月16日に東京都教育委員会で再交付された銃砲刀剣類登録証が付いて可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
160年ほど前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願い致します。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
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