 |
|
|
|
 |
エンフィールド P1860 2バンド 小銃 (銃砲刀剣類登録証付古式銃、明治十九熊本縣 一六〇) (幸) |
|
 |
 |
|
 |
|
|
▲クリックで拡大画像をご覧いただけます。 Copyright© Chicago Regimentals Co. , Ltd. All Rights Reserved. |
価格(税込)
|
SOLD OUT |
商品番号
|
【6648】 |
英 名
|
Enfield Pattern 1860 2 Band Rifle |
種 類
|
古式銃(登録証付)、単発、登録証付古式銃買取品、東京店在庫品、Curio Magazine 広告掲載品、ガゼット Vol.20 |
国 名
|
イギリス |
時 代
|
第一次大戦前(〜1914) |
全 長
|
1,247mm |
口 径
|
16mm |
装 弾
数
|
単発 |
在 庫
数
|
SOLD OUT |
画像について
|
画像は現物です。 |
コメント
|
【エンフィールド P1860 2バンド 小銃について】
原型はエンフィールド Pattern 1853 ライフルで、イギリスのエンフィールド造兵廠で開発されたライフリングのある前装式の小銃(施条銃、Rifled Musket)です。 フランスで開発・実用化されたミニエー弾のパテント1851年に英軍需省が取得し、これに改良を加えたエンフィールド弾を使用します。 ミニエー弾は1836年にロンドンの有名なガンスミスであったウィリアム・グリーナー (William Greener) が開発したドングリ型鉛製の弾頭 (プリチェット弾) が原型で、底部に窪みがあり木片で埋められていました。 ミニエーはこの弾頭の周囲に凸型の溝をつけ、底部の木片をコルクに変更しました。 ミニエー弾は、16世紀には既に開発されていたライフリングを銃身内に施した銃と組み合わせて使用されました。 ミニエー弾は発射時の圧力で押し込まれたコルクが鉛弾の底部を外側に膨張させ、弾頭周囲の溝の凸部がライフリングに食い込んで密着して圧力の漏れを防ぎ、ライフリングによる回転を弾頭に与える事に成功しました。 これにより滑腔式小銃では有効射程が50から100ヤードほどしかなかったのに対し、ミニエー弾を使用する小銃では300ヤード (約270m)、最大射程は1000ヤード (約914m) にまで延びました。 尚、実際にエンフィールド 3バンド歩兵銃のリア・サイトの目盛りは1,000ヤードまで設定されていました。 弾頭と装薬 (黒色火薬) は紙製薬筒に包まれており、表面が蜜蝋と動物性油脂の混合物でコーティングされていました。 この弾薬は命中性能が向上しただけではなく、高速で回転した弾頭が体内で変形し致命的な銃創となりました。 また、汚れた動物性油脂にまみれた弾頭が感染症を引き起こし、負傷兵にさらなるダメージを与えました。
日本でも幕末に大量のエンフィールド銃が輸入され、滑腔式であったゲベール銃に対して圧倒的な威力を発揮しました。 日本ではエンフィールドが訛ってエンピロール銃とも呼ばれた他、サイド・プレートにTOWERの刻印が入っている事から、通称タワー・ライフルや漢字で鳥羽 (トバ=タワー) ライフルと呼ばれる事もありました。
Tower軍用刻印はロンドン塔にあった英国政府の銃砲検査機関で軍用として耐えうる品質検査された証です。 同じエンフィールド小銃でもTOWERの刻印の代わりに民間メーカー刻印だけが入っている品もあります。 通常は王冠刻印のみのBirminghamで製造された品の多くが米国に送られ南北戦争に於いて両軍で使用されました。 英国国営造兵廠製か国営造兵廠コントラクト製の品には王冠の下に「V.R」の刻印が入っています。 当時の英国はBirminghamとLondonに集中しており、この王冠はBirmingam銃器製造協会会員のメーカーで製造された品です。 一方、Londonにあったメーカーで作られた品には通常この王冠はなく、メーカー名が入っていました。
エンフィールド Pattern 1853ライフルから更なる改良が施され、Pattern 1856、Pattern 1858、Pattern 1859、Pattern 1860、Pattern 1861といったモデルが採用されました。 エンフィールド小銃は大きく分けて銃身長が短い2バンドと長い3バンド、そしてカービン・モデルを始め多くのバリエーションが製造されました。
Pattern 1856は.577口径のエンフィールド小銃としては初の短小銃 (2バンド) モデルで、33インチ (84cm) の銃身が装備されていましたが、登場時期が遅かったため当時英国が参加していたクリミア戦争に投入される事はありませんでした。 Pattern 1856短小銃は戦列歩兵連隊や小銃旅団、第60連隊、ケープ植民地軍、王立カナダ小銃連隊といった部隊のあらゆる下士官に支給されました。 Pattern 1856小銃のライフリングや弾薬はPattern 1853小銃の物と同様でしたが、銃身がより肉薄となっており、重いヤタガン銃剣を装着すると銃身が曲がってしまう恐れがあった他、連続射撃後に銃身周囲に陽炎が発生するといった欠点が有りました。 Pattern 1856 Type II (No.2) とも呼ばれるPattern 1858はPattern 1856の改良型で、銃身自体はP1856と同じ物が使用されていましたが、ストックがより長い物へと変更された他、P1856では銃身に設けられていた着剣ラグがフロント・バンドへと移される等の強化が行われています。 英国海軍は1858年にPattern 1856小銃と同様のモデルを採用しましたが、この海軍モデルでは銃身がPattern 1856小銃に比べて肉厚となった他、ライフリング条数が3条から5条となり、ライフリング・ピッチも1:48インチとより転度の大きなものに変更されており、命中精度が向上していました。 その後、英国陸軍でもこの海軍モデルと同様のモデルを1860年に採用しました。 この陸軍モデルは海軍モデルと異なり、トリガー・ガードやバット・プレート、ノーズ・キャップ等が真鍮製ではなくケースハードン仕上げの鉄製となっていました。 また、海軍モデルではリア・スリング・スイベルがトリガー・ガード前方に設けられていたのに対し、陸軍モデルではトリガー・ガードよりも後方に取り付けられている点も異なります。 本品は英国陸軍 P1860小銃と思われます。 尚、1858年以降に製造された全てのエンフィールド小銃及び短小銃では、銃身内のライフリングの深さが薬室から銃口に向かって浅くなる方式 (Progressive Depth Rifling) へと変更されました。 (MM)(KK)
【本個体の説明】
本品はサイド・ロックのハンマー後方にVR刻印のない王冠刻印が入っている事から、輸出用として製造された品である事が窺えます。 また、サイド・ロックには他にもやや表面錆により判読が難しいものの、国営銃砲検査機関の検査刻印である「TOWER」刻印及び製造年を示す「1865」もしくは「1866」と読める刻印が入っています。 銃身の後部左側面には、こちらもやや判読が難しいものの.577口径を表す「25」のゲージ刻印が確認出来ます。 尚、本品の銃床右側面には「明治十九 熊本縣 ・一六〇・」の刻印が入っています。 明治5年(1872年)一月に太政官布告第28号第五則の「銃砲取締規則」によって私蔵されていた銃砲の「我が国初の管理統制」が始まりました。 廃藩時において旧藩は旧家臣に軍用銃を下付けする事が多く、旧士族の家には一挺は軍用銃があったとも言われています。 それらが大量に市中に出回り私蔵されていました。 それらの銃砲は管轄庁(東京と大阪は武庫司)に持参して改刻印式によって番号、官印を受ける (これが明治5年度であれば壬申刻印と番号) 事が義務付けられました。 同時に管轄庁は同人名と番号を管轄鎮台に届け出て、鎮台より武庫司にそれらが提出される仕組みになっていました。 明治5年に始まった管理統制は順調に進み、同年内に多くの民間に私蔵されていた銃砲が登録されました。 その為、国内に現存する刻印の9割以上は壬申刻印になっています。 この制度は明治30年頃まで行われたと考えられており、本品も銃床の刻印から明治19年に熊本県で登録が行われた品であると考えられます。
本品の金属部は全体に時代錆が表れており、やや表面錆や銃床取り付け部周辺に朽ち込み痕が見受けられます。 木部については全体に点状の虫食いが散見され、銃身取り付け部周辺の木部にやや欠けが見られる他、銃床右側面に一部樹脂のような物で補修した痕跡が見られます。 また、バット・プレート取り付け部下部の木部にややひびが見られますが、強度的には影響のないレベルのものです。 バット・プレートについても全体に表面錆や朽ち込みが見受けられ、銃床との取り付け部にやや隙間が見られますが、取り付け自体はガタつきもなくしっかりとしています。 機関部の作動については、ややハンマーにガタつきがみられるものの、ハーフ・コック/フル・コックともに掛かり、トリガーを引くとハンマーが落ちる事を確認しています。 ハンマーに若干の欠けが見られるものの、パーカッション・ニップルについては、目立った欠けや変形は見られず、しっかりとした状態が保たれていますが、火穴は通っていません。 銃身内は銃口から銃身後部まで抜けています。 フロント・スイベルは純正ではないタイプが取り付けられていますが、外観上の違和感はあまり感じられません。 前後スイベルともに現状固着は見られず、動きもスムーズです。 尚、本品はリア・サイトが取り外されており、リア・バンド後方の銃身上面の一部にリア・サイトを取り外した痕跡が見受けられます。 ニップル・ガード/チェーンは付属致しません。 銃身長より短い代用のクリーニング・ロッドが付属致しますが、固定は甘くなっています。(KK)
【その他の情報】
平成17年7月27日に佐賀県教育委員会によって交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、完全可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。
古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械ものですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
|
|
|
 |
|
|
 |
|
 |
|
 |
|  |